右手の障がいもものともせず!…飼い主とEU公式パスポートで行き来する秘書猫さま

取材、文・Manabu Matsunaga — 2023.9.9
フランス在住のカメラマン、松永学さんによる、フランスの猫さま紹介! 第167回目は黒白ハチワレ猫のオリオン(Orion)さま。

フランスとイタリアを行き来する猫さまの物語

【フレンチ猫さま】vol.167
猫さまの話をもっと聞かせて! 
オリオンさまは5歳の女性猫さま。


元保護猫の黒白ハチワレ猫


<オリオンさまが語ります>
私はフランスとイタリアを行き来して生活しています。飼い主が国際機関のアナリストなので、それぞれの国に私の家があるのです。パスポートはフランス猫としていつも持ち歩いています。
EUペットパスポート

パリでは6区のアパルトマン、イタリアではベネト州のトレビソ(Venice 近郊)というところに住んで約2年が経ちます。今はイタリアが拠点ですが、もちろんパリにも年に何回かは帰国しています。
元保護猫の黒白ハチワレ猫

朝が弱いので9時前には起きません。フランス、イタリアどちらにいても、窓際で鳥の観察が日課です。食事は『シェーバ』のチキンが常食で、おやつにはミルクとカリカリをいただきます。飼い主が家にいる週末には大好物のローストビーフが出てくるのを期待しています。
元保護猫の黒白ハチワレ猫

飼い主のやっていることにはなんでも参加したいタイプで、料理もですが、特にプリンターの構造に興味があります。毎日飼い主の秘書的な役目をしています。
<飼い主から見たオリオンさまとは>
3歳ぐらいから実家には絶えず猫がいました。オリオンは動物保護団体から2019年の春に引き取った時に、既に右手に障がいがありました。通りにうずくまっていたところを保護されたそうです。車に轢かれたのか、もしくは木登りをして落ちたのかはわかりません。私の元にやって来てからはいつも一緒に旅をしています。得意技は、ソファーからジャンプして、歩いている私の背中にタッチすることです。これはお帰りなさいのサインのようです。
元保護猫の黒白ハチワレ猫

最近グルメなところが私と似てきました。イタリアに来てからいろいろな魚を食べるようになって、スズキとエビが大好物になりました。休暇で年に2回ほどパリの自宅に戻りますが、パリのマイベッドでは、やはり睡眠の質が違うようで、ゆっくり寝られるようです。オリオンは障がいがあるものも真摯に生きています。性格はとても明るいです。そんなオリオンをとても尊敬しています。
ーー魚が豊富なイタリアの生活と、生まれ育ったフランスの生活はどちらにいても幸せそうでした。パスポートを持ち国境越えに慣れっこになっているオリオンさまは、まさに飼い主の秘書的な役割をしていていました。障がいが残っているのであまり自由に遊べませんが、その代わりジャンプ力がすごいお転婆娘でした。
著者情報

松永学
猫さま好きフォトグラファー。雑誌、webなど多くの媒体で活躍。猫歴、実家に通っていた野良を含めると10匹以上、パリには2匹の猫さまを連れて移住、現在は保護猫3匹と暮らす。どこへ行っても通りで見かけた猫さまに挨拶は忘れません!