文・かえでら実子
花粉症状対策で積極的に食べたいもの
ここ最近は気温がグッと上昇し、過ごしやすい日が増えてきました。一方、一部の方にとってはつらい時期でもあります。そう、花粉症です。
花粉症への対策は、
- マスクやメガネなどで花粉を体内に入れないようにする
- 目を洗ったり鼻うがいをすることで、粘膜についた花粉を取り除き、アレルギー反応を防ぐ
- 抗ヒスタミン剤を飲んだり、目薬・点鼻薬を使用し、アレルギー症状を抑える
- 鼻の粘膜をレーザーで焼き、粘膜上でアレルギー症状がおこらないようにする「レーザー治療」をする
- アレルギー症状を引き起こす「アレルゲン」を含む薬を飲むことによりアレルゲンに体を慣らし、症状を緩和させる「アレルゲン免疫療法」をおこなう
などがあります。
上記の対策は、体に入ってきた花粉や、それにより引き起こされたアレルギー症状を改善するためのもので、花粉症への基本的な対策です。
とはいえ、“アレルギー症状をなるべく起こさないようにする”、“症状が酷くならないようにする”など、事前の体質改善や対応も大事です。食事やサプリメントにより免疫機能が正常に働くようにすることで、アレルギー症状が悪化することを防ぐことができます。逆に摂りすぎると症状が悪化する食べ物もあるため、注意が必要です。
花粉症状対策で積極的に摂りたいもの
まずは、積極的に摂るといい栄養素や食べ物を紹介します!
乳酸菌
免疫機能の多くは腸に存在しているため、乳酸菌で腸内環境を整えることはとても大事です。アレルギー症状は、IgE抗体という免疫に関わる物質にアレルゲンがくっつくことでヒスタミンなどが放出されおこります。腸内環境が悪いと免疫細胞のバランスが崩れ、Ige抗体が多く作られるようになります。するとアレルギー症状を引き起こすヒスタミンがより発生するようになり、症状が酷くなってしまいます。
乳酸菌が含まれる代表的な食べ物はヨーグルトやチーズなどがありますが、味噌やキムチなどの発酵食品もおすすめです。また最近はサプリメントでも手軽に摂れるようになっていますので、食事をいろいろ考えるのは大変…という方は、そういったものもうまく取り入れてみてはどうでしょうか。
DHA、EPA
青魚に含まれているDHAやEPAは、アレルギーを引き起こす物質であるヒスタミンの働きを抑える効果があります。サバ、イワシ、サンマなどの魚は代表的な青魚です。調理がしやすいだけでなく、最近では缶詰でもおいしく簡単に食べられるようになっているので、ぜひ食卓の一品として加えてみてください!
梅干し
梅干しにはバニリンという成分が含まれており、これが花粉症によるアレルギー症状を抑える効果があると考えられています。梅干しはすぐに食べられる状態で売られていますし、レシピも多く紹介されているので、普段の食事に取り入れやすいのではないでしょうか? ただし、梅干しには塩分がたくさん含まれていることが多いので、摂りすぎには注意してくださいね。
花粉症対策であまり取らないほうがよい成分
花粉症状対策のため、あまり摂らないほうがいいもの成分や食べ物を紹介します。
トランス脂肪酸
最近ではニュースやバラエティでも健康に関する話題が多く、脂肪酸という言葉は聞いたことのあるかたも多いのではないでしょうか。脂肪を構成する成分のひとつである脂肪酸にはいくつか種類があり、その中でも植物油を使う洋菓子や菓子パン、マーガリンやマヨネーズに含まれることが多いトランス脂肪酸は、摂りすぎるとアレルギー疾患になりやすいと言われています。
食品を買う際は、商品についている成分表示を見て、トランス脂肪酸が含まれがちな「ファットスプレッド」「ショートニング」「食用植物油」「加工油脂」といったものを注意して選んでみてはいかがでしょうか。
トマト
スギ花粉に対してアレルギーのある方は、トマトにも注意が必要です。トマトとスギに含まれているアレルゲンの構造が似ているため、トマトを食べすぎるとアレルギー症状が酷くなったり、口の中がピリピリしたりすることがあります。熱を加えることで影響は少なくなると思われますが、あまり大量に摂ることは控えるようにしましょう。
アルコール
アルコールを体内で分解する時に、アセトアルデヒドという成分が作られます。この成分はアレルギーを引き起こす原因であるヒスタミンを放出する働きがあります。また、アルコールにより血管が拡張すると目の充血や涙が出やすくなるといった影響があるため、花粉症状が酷い期間の飲酒は控えめにしましょう!
薬プラスアルファで花粉症状を抑えよう!
国民病ともいわれる花粉症ですが、一度なってしまうとなかなか完治するのが難しいと言われています。薬等の対策に加え、なるべく症状が酷くならないよう、日常生活でできることも取り入れていきましょう!