【秋田】冬をとことん満喫する東北ご自愛旅へ。

写真・村上未知　文・鈴木恵美　PR・JR東日本

雪が舞い散る温泉、旅情を誘うこたつ列車、栄養を蓄えた冬の味覚…。日本の原風景が残る自然と雪が織りなす幻想的な世界に包まれる東北は、慌ただしい日常から解放され、しっぽり過ごすのにぴったりな別天地。寒いからこその美味しさや温もりでしみじみと癒される、いざ東北旅へ。秋田県編。

【秋田】秘湯と秋田犬にホッと心が安らぐ、ぬくぬくの冬旅へ。

北東北の日本海側に位置し、日本の美しい里山の景色が残る秋田県。全国でも比較的積雪量の多い豪雪地帯として知られ、この時期は多くのエリアで一面が雪に包まれた白銀の大自然を満喫できる。

その代表格が乳頭温泉・田沢湖。憧れの温泉地として常に名前が挙がる乳頭温泉は、乳白色の湯が満ちる野趣溢れる露天風呂に心身ともに癒される。田沢湖は、乳頭温泉から車で30分圏内。このエリアはアクティビティが充実しているので、この時期だけの新しい体験が待っている。

また、秋田犬ブームにあやかり、愛らしい表情に一瞬で心を鷲掴みされる秋田犬と触れ合える地元スポットの人気も高まっている。ふわふわな毛並みも特徴で、寒い冬こそ思いっきりモフりたい！

STANDARD AKITA

＜乳頭温泉・田沢湖＞
秘境にこんこんと湧く乳白色の温泉。雪の桃源郷で冬アクティビティ。

ブナの原生林に抱かれた十和田八幡平国立公園の乳頭山麓に7つの湯が点在する乳頭温泉郷。その温泉郷の中で最も古い歴史を持ち、江戸時代から湯治場として親しまれてきたのが「鶴の湯温泉」。

2代目秋田藩主が愛した湯としても知られ、警護の武士が詰めた茅葺き屋根の本陣など由緒ある建物が当時のまま残る、鄙びた風情にそそられる温泉宿。同じ敷地から効能、泉質ともに異なる4つの温泉が湧く珍しい温泉場で、なかでも濁り湯が湧き出る混浴露天風呂は圧巻で、冬の醍醐味である雪見風呂が楽しめる。湯に浸かりながら舞い散る雪を眺めていると、疲れなんて一瞬で吹き飛んでしまう。

乳頭温泉や田沢湖では、この時期だけ楽しめる季節のアクティビティが人気を集めている。乳頭温泉郷を代表するリゾートホテル「休暇村乳頭温泉郷」では、白銀の世界を散策する「ブナの森スノーシュー」を実施中。ガイドの案内でまだ誰も足を踏み入れていないブナの森へ。真っ新（さら）な雪の上を歩くのは格別な感動が。

乳頭温泉と一緒に楽しみたいのが、水深423.4mと日本一の深さを誇る田沢湖。コバルトブルーの湖面と雪化粧した山々の神秘的なコントラストに心が洗われる。田沢湖エリアで楽しめる冬限定のアクティビティが、完全プライベート空間のサウナテントで温まった後に雪にダイブする「タザワコサウナ」。極上の“ととのい”へと導いてくれる。

【乳頭温泉・田沢湖】

東京駅からJR秋田新幹線で田沢湖駅まで約2時間50分、田沢湖駅から路線バスで乳頭温泉まで約50分。

鶴の湯温泉

開湯380年の山奥の秘湯。郷愁を誘う湯治場で温泉三昧。

山懐に抱かれた静寂に佇む、ランプの明かりが優しく灯るノスタルジックな湯宿。茅葺き屋根の建物を抜けた先にある、白濁湯から湯気が立ち上る混浴露天風呂が名物。混浴以外にも、黒湯、中の湯など男女別の温泉が充実。湯めぐり後は、囲炉裏を囲みながら夕食を。里山に伝わる地の味を川連漆器のお膳で提供。メインは、長芋に似た粘り気が強い山の芋をすりおろし、団子状にして山菜とともに鍋に入れた味噌仕立ての山の芋鍋。滋味深い食事と温泉で心から温まる。

DATA　仙北市田沢湖田沢字先達沢国有林50　☎0187・46・2139　1泊2食付き￥10,600～。チェックイン15：00　チェックアウト10：00　アクセス／JR秋田新幹線田沢湖駅よりバス＋送迎バスで約45分。

タザワコサウナ

フィンランド式サウナと雪山ダイブでととのう!

通常は田沢湖畔で楽しめるサウナが、冬限定で「田沢湖レイクリゾートホテル」横の雪山にお引っ越し。サウナで汗をかいたら、雪山に身を委ねて外気浴を。冬のサウナ体験は2月26日まで。予約制。

DATA　仙北市田沢湖生保内字下高野82-117（田沢湖レイクリゾートホテル）　150分￥33,000※最大4名。アクセス／JR秋田新幹線田沢湖駅より車で約9分。https://tazawakosauna.com

ブナの森スノーシュー

純白の霧氷の間を歩く、ドラマティックな散策を。

スノーシューを履き、ブナの森を散策するツアー。普段入ることのない雪原の森で、霧氷に覆われたブナや動物の足跡など美しい光景と出合える。3月中旬までの月・火・土曜実施予定。予約制。

DATA　仙北市田沢湖駒ケ岳2-1　☎0187・46・2244（休暇村乳頭温泉郷）　90分宿泊者￥2,000、ビジター￥2,500※レンタル料別途。アクセス／JR秋田新幹線田沢湖駅よりバスで約45分。

NEW STANDARD AKITA

＜秋田犬モフり＞
その純朴さに一瞬で心奪われる。チャーミングな秋田犬の故郷へ!

海外のファンも多く、いま空前の秋田犬ブームが巻き起こっている。渋谷駅前の忠犬ハチ公像のモデルとなった秋田犬のハチが’23年11月に生誕から100年を迎えたことでも注目度が上昇。北国で暮らす推しの秋田犬に会いに、はるばる秋田を訪れる犬好きが増え、触れ合えるスポットの人気が高まっている。

帰らぬ主人を約10年にわたりひたすら待ち続けたという忠犬ハチ公のエピソードからもわかるように、秋田犬は飼い主への忠誠心が非常に強い。がゆえに、初めて会う人への警戒心も強いため、徐々に距離を縮めて親睦を深めていくのが、秋田犬と触れ合う時の暗黙のルールだ。

江戸時代の格式高い武家屋敷が数多く残る角館にある伝統工芸ショップ『角館さとくガーデン』の看板犬・武家丸くんは、“武家屋敷のアイドル”の異名を持ち、凛々しくも味のある表情にハマる人が続出中！

ハチの故郷である大館は、秋田犬に会えるスポットの宝庫。大館駅前の「秋田犬の里」は、直接触れ合うことはできないが、毎日午前と午後に異なる秋田犬が出勤し、ガラス越しに飼い主さんと遊ぶ姿を見学できる。モフり希望なら温泉旅館「ふるさわおんせん」へ。出迎えてくれるのは温（はる）ちゃんと、華（はな）ちゃんの親子犬。母娘の心を掴むことができれば触れ合いOK。ふわふわな毛並み、くるんとした巻き尾をモフモフして、思いっきり癒されて！

角館さとくガーデン

まるで武士のような凛々しいお顔立ちに胸アツ!

角館に伝わる桜皮細工などの伝統工芸品をはじめ、秋田県の特産品を取り扱うショップ。店舗裏の武家屋敷の黒壁からひょっこり顔を出すのは、9歳のオス犬・武家丸くん。キリッと凛々しい表情を見せたと思えば、雪をパクッと食べるやんちゃな一面も。表情豊かでカメラ目線もお手のもの！　店内では、武家丸グッズを多数販売。ストレス管理のため武家丸くんをモフれるのは、12：00～15：00の間に店舗内でお買い物した、触れ合い希望のお客様限定。10：00～12：00、15：00～17：00の間は写真撮影OK※時間は変動あり。

DATA　仙北市角館町東勝楽丁26　☎0187・53・2230　営9：00～17：00（繫忙時～18：00）　無休　アクセス／JR秋田新幹線角館駅より徒歩約15分。

ふるさわおんせん

珍しい湯が評判の温泉宿で出会える親子の看板犬。

昭和48（1973）年開業した、「芒硝泉（ぼうしょうせん）」という全国でも珍しいアルカリ性温泉が自慢の宿。肝っ玉母さん犬・温ちゃんと、やんちゃな女の子・華ちゃんの看板犬に会いに、遠方から訪れるファンも多い。しかし触れ合えるのは、二匹のニオイチェックを通過した者だけ。温と華がニオイをクンクンと嗅いで、しっぽを振ったり、安心した表情を見せたら合格。晴れてモフモフのお許しが！　

DATA　大館市新綱27　☎0186・48・4295　1泊2食付き￥14,000～。チェックイン16：00　チェックアウト10：00（外来入浴は￥400　営6：30～21：30　火曜休）　アクセス／JR奥羽本線大館駅より車で約7分。

秋田犬の里

様々な秋田犬と出会える! 秋田犬に関する展示も見どころ。

大館駅の目の前にある大館市観光交流施設。三角屋根の外観は、忠犬ハチ公が飼い主を待ち続けた大正時代の渋谷駅がモチーフ。施設内に「秋田犬ミュージアム」が併設され、秋田犬のルーツを知ることも。ミュージアムの横に秋田犬の展示室があり、地元の様々なご自宅で飼われている秋田犬が日替わりで展示されるので、ガラス越しに愛でて癒されて。外の広場で散歩中の秋田犬に遭遇できることも。

DATA　大館市御成町1-13-1　☎0186・59・4649　営9：00～17：00　無休（秋田犬の展示は9：30～16：45※犬の休憩時間あり　月曜休、祝日の場合は翌日休）　アクセス／JR奥羽本線大館駅よりすぐ。