自己肯定感アンケート(23~39歳の女性300人にアンケート)
Q. あなたは、自分に自信を持てていますか?
A. 常に持てている…5%、割と持てているほう…13%、時と場合による…27%、どちらかといえば持てていない…27%、持てていない…28%
自分に自信を持てている=自己肯定感が高いということ。自己肯定感が高いと感じている人は18%のみで、逆にあまり感じられない人は半数以上の55%に。時と場合によると答えた人は、自己肯定感に揺れがある、アップダウンの波がある人。
Q. 最近のあなたの行動や考え方に当てはまるものは?
(※1人につき該当するものを3つ選択して回答。)
【1】消極的に生きていると思うことがある。
YES…62%、NO…38%
【2】強く自分を責めてしまうときがある。
YES…58%、NO…42%
【3】他人に八つ当たりしたり、責任転嫁することがある。
YES…66%、NO…34%
【4】いろいろなことにチャレンジできていると思う。
YES…31%、NO…69%
【5】人間関係はおおむねうまくいっている。
YES…47%、NO…53%
【6】結果だけでなく、プロセスも大事だと思う。
YES…58%、NO…42%
選択肢のうち【4】~【6】の3つにYESと答えた人は自己肯定感の高い人で、【1】~【3】の3つにYESと答えた人は低い人。低いがゆえにネガティブな言動になっている人がどれも半数を超える。また、冒頭の質問で自信を持てていると答えた人はおおむねここでも前向きな回答をし、自信を持てていないと答えた人の83.5%が、ここでも「消極的に生きていると思う」に、YESと答えているという結果に。
自己肯定感とは“自分っていいよね!”と思えている状態のことです。
自己肯定感とは心理学における“セルフ・エスティーム”という言葉の日本語訳ですが、他にも自尊心や自己評価などいくつかの言葉と混同されて、だいたい同じ意味で使われています。心理学では“自分に対する評価感情”と定義されていて、“自分の存在を自分自身で価値ある人間だと考えられている状態”を指します。
自己肯定感を“自尊心”という言葉で説明すると2種類あって、ひとつが“状態自尊心”。誰かから評価された、何かで賞を取ったなど良いことがあると、「自分っていいよね」と自信がついたり、一方で悪い評価を受けたり批判されると「私ってダメだな」と、一時的に自信がなくなったりします。もうひとつが“特性自尊心”。これは、もともとその人のベースとなる自分に対する価値や評価のイメージのことで、こちらは逆に、ある程度一定しています。つまり、自己肯定とは、言葉通り自分で自分のことを肯定できているかどうか。他人が「お前ってダメだな」とかなんとか言おうが関係なく、自分で自分に「私っていい」と思えればいいんですね。
自己肯定感の高い人は、いろいろなことにチャレンジできて、失敗してもプロセスを見ることができます。たとえば、「ここはうまくいったからいいや」とプラスの面を見つけたり、「うまくいかないこともあるよね」とマイナス面を受け入れ、立ち直るような行動です。特に、マイナス面を受け入れられるという点がポイントです。
低すぎる場合だけでなく、実は、高すぎても良くありません。
自己肯定感が低くて、自分のことをいいと思えない人は、何事に対しても消極的になってしまうので、チャレンジ自体がなかなかできません。人間関係を築く際にも、「どうせ私なんて人から受け入れられないから」と、うまく交流ができなかったりします。何か不満があったときにも、相手に問題があるのに、「自分がいけないんだ」という自己嫌悪の感情を持つことも。仕事などにおいては、ちょっとした失敗なのに、やっぱり自分は全部ダメだと自己否定に繋げたり…。このように、とにかくすべてのことで自分を責める方向に考えて、どんどんストレスが大きくなり、何かにチャレンジするのではなく、回避する、逃避するという選択肢を選びがちになります。
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一方で、高すぎると何が起きるかというと、その高い自尊心を維持しようと思って、自分の無能さや弱さが明らかにならないように、難しい課題に対してわざと努力しないなど、やはり自分を防衛するようになるんですね。「本気を出せばできたんだけど、ちょっと今回はできなかった」と言ってみたり、言い訳を残すようなチャレンジをしてしまいます。「こういう自分じゃなくちゃ」と、理想の自分像に取り憑かれて、それを維持することに一生懸命に。
低すぎても高すぎても良くなくて、「なんだかんだ言っても、私っていいじゃん!」みたいな、程よい肯定感を持つことがいい状態ということになります。
つかこし・ともこ 臨床心理士、公認心理師。東京中央カウンセリング代表カウンセラー。大学での講師ほか、TVレギュラー出演、新聞や雑誌などメディアでも活躍中。著書も多数。
※『anan』2020年6月10日号より。
(by anan編集部)