
(P)&(C)BIGHIT MUSIC / Netflix
メンバー全員が兵役を終え、3⽉20⽇に約6年ぶりのオリジナル・フルアルバムとして発売されたBTSのThe 5th Album『ARIRANG』。そのリリースを記念して3⽉21⽇(⼟)、韓国ソウル・光化⾨(クァンファムン)広場⼀帯で開催されたカムバックステージには、約2万2000⼈の観客が無料で招待されたのに加え、Netflixによって世界190か国に⽣中継(単⼀アーティストの公演の⽣中継は史上初!)されるという破格のスケールで届けられた。BTS再始動という、世界中が⻑く待ちわびた⽇が遂に現実となった熱い瞬間をレポートします。
Index
冒頭から『ARIRANG』の世界観で圧倒

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光化⾨広場に設置された⼤きな⾨のような形をしたステージは、そのバックが抜けていて、真後ろにそびえ⽴つ光化⾨がまるでステージセットの⼀部になるようにデザインされている。
その光化⾨の前に並ぶ⿊い⾐装のダンサーの後ろから7⼈が姿を現すと、RMの「アンニョン、ソウル! We’re back!」というクールな挨拶で待望のステージがスタート。横1列に並ぶ7⼈のシルエットが浮かび上がると、RMの歌い出しから、まずはアルバム1曲⽬を飾る「Body to Body」!
随所に韓国伝統⾐装のモチーフが取り⼊れられたモノトーンの⾐装で登場した7⼈は、シリアスなモードでラップとボーカルを交互に折り重ねながら、会場を埋めるARMY(ファンの呼称)をダイナミックにアジテート。光化⾨がプロジェクションマッピングで浮かび上がると、本アルバムのアイデンティティでもある「アリラン」を国楽奏者たちが奏でて締めくくるという唯⼀無⼆のステージで早くも会場を圧倒する。
続いてJinがおもむろに⽬出し帽をかぶってスタートしたのは、「Hooligan」。先ほどまでモノトーンだったステージが⼀転して⾚く染まり、ダンサーたちを従えたj-hopeがソリッドにラップを繰り出すとスムーズにJung Kookへと繋ぐ。ステージ右から左へ、左から右へと視線を左右に奪いながら展開するパフォーマンスを、Vが気合を漲らせた表情でシャウトして締めくくると、間髪⼊れずに「2.0」へ。
重低⾳が鳴り響く中、楽曲のリズムを⽣かしたフォーメーションダンスで楽曲の世界観を提⽰する。公演直前に脚を負傷したRMも椅⼦に座りながらも上半⾝を⼤きく使ってダンス。その姿には、この⽇できる限りの7⼈のパフォーマンスを届けようとする強い意志がうかがえた。
⼈気曲も惜しみなくプレイ
最初のMCで、「4年ぶりに挨拶します」(RM)の⼀⾔に続いて、シグネチャーポーズに合わせて「バンタン! こんにちは、BTSです!」と全員で挨拶すると、会場は⼤歓声でそれに応える。
「実は今⽇この場所に⽴つまで不安だったんですが、こうしてまた皆さんに会うことができて本当に感謝しています」(Jin)、「ついに会えました! 7⼈でこうして皆さんに会えて本当に幸せです」(Jimin)と⼀⼈ずつ会場に向けて挨拶。
j-hopeは「後ろにいる皆さんもよく⾒えますか?」と縦に⻑い客席を気遣いながら、「韓国で最も歴史的な場所である光化⾨でパフォーマンスができることを本当に光栄に思います」(SUGA)、「僕たちの想いが光化⾨から全世界に伝わることを願っています」(V)と伝え、Jung Kookは英語で「今夜のために特別なものを準備しました。僕たちのすべてをお⾒せできるよう、全⼒でお届けします。お楽しみに!」と意気込みを語った。
すると、どこからともなくギターフレーズが。「お、なんの曲かな? 皆さんが好きな曲じゃないかな?」(Jimin)、「そうしたら、Jung Kookさんから⾏ってみてください」(V)、「“スムーズ”に⾏きましょう」(RM)と⾔葉を交わしているうちにステージも⻩⾊に変わり、Jiminの「Let’s go!」の掛け声から「Butter」へ。
花道の先のサブステージで7⼈がそれぞれ客席を盛り上げ、ジャンプを求めたりしながら会場のボルテージを上げていく。間奏では椅⼦に座るRMの元に集まってウェーブダンスを交換する、彼ららしいワチャワチャでさらに会場の熱を上げると、ラストは息の合ったダンスでフィニッシュ!
⼀変して⻘く染まるステージでハウリングノイズとともにスタートしたのは「MIC Drop」。アグレッシブなナンバーを全⼒でパフォーマンスする7⼈。SUGAやj-hopeのアジテートで「ミアネ オンマ!(ごめんね、お⺟さん)」のフレーズやサビの合唱を客席に求めると会場との⼀体感がさらに⾼まり、SUGAがマイクを床に落とすパフォーマンスで曲を終えても⼤興奮の会場からは、「BTS! BTS!」の掛け声が⾃然と湧き上がった
新アルバムに込めた思いを語る

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「皆さん楽しんでますか? ARMY, make some noise!」(V)、「皆さん、寒くないですか? ⼤丈夫ですか?」(Jimin)、「今夜のことは⼀⽣忘れないと思います。正直、カムバックへのプレッシャーもありましたが、皆さんの前に⽴ったら、ただただ嬉しいです」(Jung Kook)と客席とコミュニケーションを図る中、
「僕たちらしい⾳楽は何だろうかと悩んで、LAで2か⽉間、⼀緒に楽曲制作をして、韓国に戻ってからも追加で作業をして『ARIRANG』が⽣まれました。今僕たちはどんな姿で、どんなグループなのかを正直に表現したくて、⼀緒に暮らしながら本当にたくさん話し合って、新しい挑戦もたくさんしました」(RM)、「特に今回は、僕たち7⼈のありのままの姿を表現しました」(SUGA)と、MCではアルバムに⾄るまでの過程をまっすぐ客席のARMYに伝えていく。
「雰囲気が最⾼に盛り上がっているので、次の曲に⾏ってみましょうか?」とJinの⼀⾔から「Aliens」へ。メインステージのセンターでラップするSUGAから、ステージ上のカメラアングルを巧みに使いながらj-hope、Jung Kook、V、Jiminへとパートを繋ぐ。
ファルセットと⼒強いボーカルを⾏き来しながら彼らの⾳楽性の深まりを⾒せつけると、ステージ床のLED、そして光化⾨も燃え上がるように⾚く染まる中、アップテンポナンバー「FYA」へ。ステージ上のカメラを7⼈が囲むようにしてスタートすると、強烈なビートとRMも⽴ち上がってのハイテンションなパフォーマンスが、会場も燃え上がらせたのだった。
不安な気持ちを抱えたまま“keep swimming”できるように

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「今回のアルバムには様々な⾊彩の楽曲が収録されています。その中には僕たちのたくさんの葛藤も込められています。実は今回のアルバムを準備しながら、忘れられてしまっているのではないかという悩みもありました」(j-hope)、
「僕たちが最後まで守るべきものは何か、今でも確信は持てないし不安もありますが、そうした感情も全て僕たちの姿なのだと思います」(SUGA)、
「結局、答えは外ではなく中にあったんです。⾃分⾃⾝の声に⽿を傾けて、その悩みや不安を隠さずに詰め込むこと。それがこのアルバムの⽬標だったと思います」(RM)、
「僕たちは特別な⼈ではなくて、皆さんと同じように毎瞬間怖いけど、そんな気持ちも受け⼊れながら“keep swimming”したら、いつか答えを⾒つけられると信じています」(Jimin)、
「僕たちにできることは、⽌まらずに⼀歩ずつ前進することだと思っています。この歌が少しでも皆さんの慰めと⼒になれば嬉しいです」(V)。
楽曲に込めた思いを丁寧に語ってスタートしたのはアルバムタイトル曲「SWIM」。天井の照明が波の形を作り、ステージ全体がまるで⽔中のような空間へと変わると、静かに楽曲が始まる。初めて披露されるダンスも、これまでの彼らとは趣を異にした“静”が印象的な振付で、そのパフォーマンスに客席も引き込まれていった。
ステージの縁に腰かけた7⼈の姿からスタートしたのは「Like Animals」。バンドサウンドに乗せる7⼈の歌声はそれぞれのカラーを存分に発揮し、各々異なるメロディラインを重ね合わせながら重厚な響きを⽣み出していく。
続く「NORMAL」では、時間の経過とともに⾊を変えていく空模様を背景に、7⼈がセンターステージとサブステージ⼆⼿に分かれ、ゆったりとしたBPMに乗せて、真っすぐにその歌声を客席に届けていったのだった。
MCでは変わらないBTSも健在

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「曲が本当にいいですね!」(Jimin)と、この⽇初披露した新曲たちに⼿応えを感じる7⼈。MCでそれぞれの好きな曲をあげながらラフに会話していると、VがRMのために⽤意された椅⼦に座っていることにメンバーからツッコミが⼊ったり、「これが最後の公演です…」と、これまたVが⾔い間違えて総ツッコミを受けるなど、変わらないBTSらしさ全開のMCで客席を笑顔で包むと、
「すべての瞬間は皆さんのおかげです。BTS2.0はまだ始まったばかりです!」(j-hope)、
「僕たち7⼈はいつだって同じ気持ちです。皆さんがいてくれる限り、僕たちは常に最⾼の⾳楽とパフォーマンスを届けるために全⼒を尽くします」(Jung Kook)、
「どんなことが起きても、僕たちはこれからも⼀緒に泳ぎ続けると約束します。これはまだ始まりにすぎません」(RM)と、ふたたび始まるBTSの旅路を約束する。
「最後に本当に⼤切な曲をお届けします」(Jimin)と、ラストは「Dynamite」へ。
冒頭から⼤合唱が湧き起こる中、下⼿で座ってパフォーマンスするRMも随所で巻き込みながら6⼈でダンスパフォーマンス。曲中に幸せそうな笑顔を浮かべるメンバーの姿は、客席も、そして画⾯を通して⾒守るARMYもきっと笑顔にさせていただろう。
LEDに花⽕が打ち上がり、光化⾨もカラフルに彩られて多幸感で満たされる中、パフォーマンスを終えて花道を戻る6⼈に、「僕を置いていくの? こんな終わり⽅はダメでしょ」と寂しそうに声をかけるRM。
「じゃあどうしたいの?」とJinがたずねると、「⼩宇宙〈ソウジュ〉⼀杯やろう!」(RM)と、韓国語の焼酎〈ソジュ〉の発⾳とかけたユーモアたっぷりな⼀⾔をきっかけに、空⽩期間前からの⼈気曲「Mikrokosmos」をアンコールに披露。
客席にスマートフォンのライトをつけさせて、光化⾨広場を“⼩宇宙”にすると、7⼈は⼼を込めて客席に歌いかけていく。最後には“na na na na 〜”のシンガロングで世界がひとつになると、「BTSでした! ありがとうございました!」と7⼈で⼿を繋いで深く⼀礼をし、記念すべき夜を締めくくったのだった。
BTSは4⽉9⽇から、韓国・ソウル公演を⽪切りに2027年にかけて超⼤型のワールドツアーをスタートさせる。この⽇披露した12曲のうち、8曲がアルバムから披露されたが、そのパフォーマンスだけでも、グループ活動空⽩期間を経て進化を遂げた彼らを感じ取れた。
しかしまだ披露されていない楽曲がたくさんある。それらも加わって、真の“BTS 2.0”が全貌を現す瞬間はまもなくだ。その⽇が楽しみで仕⽅なくなるショーケースだった。
Profile
BTS
RM、Jin、SUGA、j-hope、Jimin、V、Jung Kookからなる。3⽉20⽇にThe 5th Album『ARIRANG』をリリース。「BTS WORLD TOUR 'ARIRANG'」が4⽉9⽇から韓国を⽪切りにスタートし、4⽉17⽇・18⽇には東京ドームにて「BTS WORLD TOUR 'ARIRANG' IN JAPAN」を開催。4⽉11⽇の韓国公演とともに、17⽇・18⽇の⽇本公演でも全国の映画館にてライブビューイングを⾏う。
























