世田谷区、豪徳寺の閑静な住宅街に建つ水色の洋館・旧尾崎テオドラ邸。明治21(1888)年、令嬢テオドラ英子の来日時に、日本人の父親である男爵(尾崎三良)が港区に建て、それを譲り受けた英文学者が昭和8(1933)年に現在の場所に移築した。以来この地で時を刻み続けている。


世田谷区で一番古い洋館で、日本が誇るマンガ文化を満喫。

実はこの洋館、2020年に老朽化ゆえに取り壊しの危機が。洋館を愛する著名マンガ家や、近隣住民らから多くの協力を得て、以前からこの建物に親しんでいたマンガ家の山下和美さんが代表理事となる社団法人を設立。保存プロジェクトをスタートした。2度のクラウドファンディングを経て改修がなされ、昨年の春よりギャラリー、ショップ、喫茶室を有する施設として新たにスタートを切ることに。オープン以来、ギャラリーでは日本のマンガ家の展示が行われており、マンガ家が情熱を込めて描いた生原稿が見られることも多々。作家のファンはもちろん、マンガという文化を愛する人にとっても貴重な空間となっている。

洋館という非日常の空間でマンガの神髄に触れたら、カフェでは専属パティシエによるスイーツやスコーンをどうぞ。歴史と文化を堪能できる、優雅で贅沢な時間を過ごせます。

2Fギャラリーで「東村アキコ かくかくしかじか展‐漫画と絵画 永遠のリグレット‐」が開催中。

前期・後期合わせカラー原画・白黒原稿60点以上を展示。また1編の生原稿を前記・後期それぞれ1話ずつ読むことが可能。公開中の映画の撮影現場で東村さんが記録した貴重な写真の公開も。作品世界に入れるフォトスポットや、東村さんの等身大パネルと記念撮影できるコーナーもある!! 前期:開催中~6月18日(水) 後期:6月20日(金)~7月15日(火)10時~18時(入館は~17時半) 木曜休 一般当日1500円ほか

 

旧尾崎テオドラ邸

Information

東京都世田谷区豪徳寺2‐30‐16 TEL:03・6413・5413

文・河野友紀

anan 2449号(2025年6月4日発売)より

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今日の暦
2025.6.
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    仏滅

認めてもらいたいのに空回りして尊大・傲慢・自信過剰になる人を象徴している日です。明らかに矛盾した行動ですが、承認欲求が強いせいかもしれません。上から目線の人を好きになる人はいませんから、暗に今日の暦が伝えているのは「謙虚になれ」ということでしょう。それによって周囲も少しずつ受け入れてくれるはずです。

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