京本大我さんの初の写真展が開催。物づくりへのこだわり、そしてファンへの想いが溢れる。

エンタメ
2025.03.16

京本大我さんのクリエイティブ・プロジェクト「ART-PUT」の一環として、初の写真展「視点と始点」が開催中の京本大我さん。写真展のスタートに先駆けて、3月2日にはプレス取材会も行った。こだわりの写真の数々に込められた想いをレポート。

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3月3日に、京本大我さんのクリエイティブ・プロジェクト「ART-PUT」初の写真展「視点と始点」がスタートした。

昨年12月に発売された写真集『Retrace,』の撮影期間中(2023年12月~2024年11月)に京本さん自身が撮影した風景写真が展示されている。

日常の風景もドラマティックに切り取る、京本さんの写真の力。

「写真集の撮影で、月に1度自分のゆかりのある場所を訪れる素敵な機会をもらって、何か写真として残したいなという思いが強くて。初めはオフショットとして、セットチェンジのちょっとした合間で気になった場所をいっぱい撮っていきました。それをスタッフさんに共有したところ、“それ撮るんですね!”などいろんな声をいただいて、“写真展にしてみませんか”っていうことで、こういう形になりました」

会場は、写真集の撮影がスタートした“冬”の写真から始まり、“春”“夏”“秋”と4つの季節ごとにエリアが分かれる。雪、イルミネーション、桜など、誰もが馴染みのある風景が、京本さんの手にかかるとドラマティックに演出される。展示される風景写真は、その数97点。

「2023年の12月から去年の11月までの約1年分の写真を撮りためていたので、使いたい写真を選ぶと500枚ぐらいになってしまって…。そこから実際に展示して皆さんの疲れないレベルまで枚数を減らしていかなきゃって思うと、やっぱり100枚前後かなっていうところで、もどかしい思いもしながら400枚削りました。今度は、選んだ100枚を自分で現像するということで、昨年の舞台をやっている時も、パソコンを持っていって、ホテルでずっと写真の現像や光の調整をしながら仕上げていきました」

素材選び、印刷方法、フレームまで…こだわりは至るところに。

根っからのアーティスト気質の京本さん。写真を展示する際の素材選びや印刷手法に対するこだわりも熱っぽく語った。

「それぞれにふさわしい素材選びをやらせていただいて。例えば、京都の写真は雰囲気的に和紙に、海の写真はキラキラ輝く綺麗な印象にしたいからガラスに印刷してみたいです…などワガママをたくさん言わせていただきながら。フレームも、ミリ単位のことだったり。スタッフさんには、僕のわがままを100%再現してくださって本当に感謝です。

あと印刷自体も、マットやグロッシー、さらにクリスタルというものもあって、それも初めて知ったので、一個一個見ていきながら。星空の写真だったら反射が強いクリスタルにあえてしてみたり、フィルムで撮った写真はマットな素材に印刷してみたり。こだわりだすとキリがないんですけど、1個ずつの作品が自分も大好きなので、子供のようにひとつひとつふさわしいものを選ばせていただいてました」

写真展の実現を支えた、ファンに向けての想い。

“自分が見せたい”ということだけでなく、“見てもらう人に写真を楽しんでもらう”、という意識も忘れない。その想いが、展示方法やライティングなど随所に表れている。「視点と始点」というタイトルにも、その気持ちが込められているようで…。

「見る方の“視点”がまず最初に浮かんで、タイトルに入れたいと思ったんですけど、それと同時に“始点”という言葉も頭に浮かんできて、結び付けられる気がしました。自分が見てきた景色や視点を皆さんと共有することで、おこがましいですけど、見てくださる方々にとってスタートだったり、やってみたいと思ってたけど忘れてたことだったり…いろんなことを思い出すきっかけに繋がれたら、僕がやる意味もより生まれて素敵だなと思って。こういうタイトルをつけさせていただきました」と語る。

写真展の制作が行われていた最中のananの取材(1月8日発売のanan2429号掲載)でも、まさに写真展を含むクリエイティブ・プロジェクトの原動力について次のように語ってくれていた。

「ファンの人からリアクションをいただけることが、本当に頑張れる大きな理由。企画によっては、キャパの問題であったり、どうしても全員が楽しめないものも出てきてしまいます。全員に来てもらうことはできないけども、なるべく多くの人の気持ちを満たせるように、クリエイティブを広めていくという軸を忘れず、楽しくやっていきたいです」

その言葉の通り、今回の写真には、その時どきの息遣いや体温が込められていて、京本さんとの写真を介したコミュニケーションが楽しめる展示となっている。記者会見の最後には、クリエイティブ・プロジェクトのより一層の広がりを感じさせる新しいチャレンジについても告白。

「まだどこにも言ったことがないんですけど、実は最近油絵を始めまして。今信じられないスピードで作品が出来上がっているので、今後は写真に油絵を施してみたいです。この写真展がきっかけで、新しいきっかけを自分もいただいて。ちょっと早い気が早いですけど、いろんな展示の可能性が広がったんじゃないかなとか思いながら楽しくやらせていただいております」

とどまることを知らない、京本さんの創作への意欲。こだわりが詰まった「視点と始点」は3月24日まで渋谷のMIYASHITA PARK内のアートギャラリー「SAI」で開催中。チケットはすでに完売しているものの、4月から「FAMILY CLUB online」で配信版の写真展の実施も決定した。
「僕の想像を超える数の皆さんに見たいと思っていただけて、来られない方々にも、ぜひオンラインで写真展の世界観が伝わるといいなと思っています。内容はこれから詰めていきますので、楽しみにしていただけたら嬉しいです」と語った。

京本さんにとっても”始点”となった本展示。これからどのように点から線を描いていくのか、期待せずにはいられない。

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