アリアナの歌唱シーンはまるでオペラのソプラノ歌手風! 歌姫たちが生歌唱で挑んだ、映画『ウィキッド ふたりの魔女』

エンタメ
2025.03.09

ⒸUniversal Studios. All Rights Reserved.

映画『ウィキッド ふたりの魔女』がついに日本公開! 2人の魔女を演じたシンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの記者会見から、作品の魅力を解き明かします。

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ミュージカルファンの皆さん、お待たせしました! 『ウィキッド ふたりの魔女』がついに日本公開。とはいえ、ミュージカルファン以外は「はて?」となるかも。

『ウィキッド』は1939年の名画『オズの魔法使』に登場する2人の魔女の視点から描いたブロードウェイミュージカル。2幕あるその舞台をさらに掘り下げて映画化したのが本作です。

もっと分かりやすくざっくり言うと、『アナと雪の女王』が好きな人なら絶対ハマる感動作! キャラ違いの2人の女性、魔法、自分らしく生きようとする志、多様な人々が共生することの大切さ、キャッチーな楽曲群など、描かれているテーマは“アナ雪”的なんですよ~。

ほら、知らなかった人も興味出たでしょ。2人の魔女を演じたシンシア・エリヴォとアリアナ・グランデの記者会見から、作品の魅力を解き明かします。

What's 『ウィキッド』?

魔法の国オズに迷い込んだ少女の冒険映画『オズの魔法使』とその原作小説をもとに、1995年に刊行された『ウィキッド 誰も知らない、もう一つのオズの物語』を2003年に舞台化。善悪を問う普遍的テーマに気分爆アゲの楽曲群で彩ったこのミュージカルは世界中で大人気を博し、日本でも劇団四季による日本語版公演で知られる。

歌姫たちが生歌唱で挑んだ魔法の国のミュージカル!

まずは本作の命ともいえる歌。じつは歌唱シーンは生歌唱!

「生歌唱は私たちにとって利点が多かったんです。なにせ私たち二人ともプロのシンガーですからね(笑)。生歌唱で、感情をより豊かに表現できます。事前に収録したものを流して口パクってのもできなくはないんだけど……」と、シンシアが言うと、「たまに即興の芝居を入れてあなたを驚かすこともできたものね!」とアリアナ。そしていちゃこらレベルにワチャワチャとじゃれ合って……なに、この超仲良しっぷり。

「この作品の楽曲はどれもエモいうえに即興的な要素もあるから、舞台版と同じく生歌唱であるべきだと思うんです。それに、ブロードウェイをはじめとする舞台で彼女たちを演じる俳優たちは、週に8回も生パフォーマンスしてるわけだから、だったら私たちは撮影のテイクを何度でも重ねて舞台版の皆さんに連帯しようと思ったんですよ」(アリアナ)

(左)シンシア・エリヴォ/イギリス出身。2011年舞台デビュー。’16 年にトニー賞、’17 年にグラミー賞を受賞。’18年の映画『ロスト・マネー 偽りの報酬』からハリウッドに進出し、本作で2度目のオスカー候補に選ばれた。(右)アリアナ・グランデ/米・フロリダ州出身。2008年に俳優、’11年に歌手としてデビュー。グラミー賞をはじめ、世界中の音楽賞を獲得し、世界一売れているアーティストの一人として知られる。本作で初めてオスカー候補となった。

生歌唱の撮影といえば『レ・ミゼラブル』の大成功例もあるけど、この作品はそれを上回る成功。なんせ魔法使いだから、跳んだりはねたり、現実には不可能な動きの中で歌いながら芝居するには、芝居と歌のプロじゃないとダメ。「私はそれほど大きなアクションがないからいいものの、シンシアはねぇ……。あなた、ランニングマシンで走りながら歌う練習したでしょ?」とアリアナ。

「私はほとんどの曲をワイヤーとハーネスをつけた状態で歌わないといけなかったからね(笑)。毎朝2時に起きてランニングマシンの上で走りながら歌って、2時間ワークアウト。4時から3時間かけてメイクして撮影の毎日」(シンシア)

これをアリアナは「狂気」と一言(笑)。しかも、「じつは普段からやってることなんだけど、メイクの時間がかかるから一日のスタートが早かっただけ」としれっと返すシンシア、エグすぎ。ちなみにワイヤーで吊るされながら歌うことに関しては「無重力に近い状態でどう声帯を使うのか探るのはおもしろい挑戦だったし、うまくハマると爽快!」だったそう。

「アリアナはすごく難しいコロラトゥーラ(オペラの歌唱法で旋律に細かい音を装飾し、声を転がす歌唱法)をこの役のためだけにマスターしたんですよ!」(シンシア)と言うとおり、アリアナの歌唱シーンはまるでオペラのソプラノ歌手風。アリアナのファンはびっくりするはず。

そしてなにより、「この作品に“自分”を見つけてほしい」と二人は声を揃える。

「もしお友達に(自分との)違いや葛藤を感じているなら、この映画を通してそれについて語り合うきっかけにしてほしい」(アリアナ)

「映画を観て、今までと違う視点を持とうと思う人が増えたら嬉しいわ。だって、人と違うのは当たり前だし、必ずどこかでつながっているはずだから」(シンシア)

INFORMATION インフォメーション

『ウィキッド ふたりの魔女』

監督/ジョン・M・チュウ 出演/シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ、ジョナサン・ベイリー、イーサン・スレイター、ボーウェン・ヤン、ピーター・ディンクレイジ、ミシェル・ヨー、ジェフ・ゴールドブラムほか 3月7日より全国公開。ⒸUniversal Studios. All Rights Reserved.

文・よしひろまさみち

anan 2437号(2025年3月5日発売)より

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No.2437掲載2025年03月05日発売

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