好きな人と一緒にいる時のぐらぐらする気持ち
「人は7割が水分でできていて、悲しい涙、嬉しい涙などさまざまな水を流して成長します。人生はいろいろな水にあふれているし、水自体、その時どきで形を変えて流れていく。人もそんなふうにいられたら、という希望をタイトルに込めました」
昨年デビュー20周年を迎え、さらに磨きのかかった歌が煌めく。聴き進めると、たおやかな水のように変化する楽曲が染み入ってくる。
「ここまで辿り着けたのはみなさんのおかげですし、感謝しかありません。恋愛中の方、片思いの方、それどころではない方も、どんな状況でもこのアルバムを聴いていただくと、どこかに少し笑える部分がある気がしていて。みなさんの雫の一滴をどこかに探していただけたら」

写真は20周年ツアーのさいたまスーパーアリーナ。5月からは、JUJU HALL TOUR 2025「The Water」が決定。写真・山内洋枝(PROGRESS-M)
収録された15曲はドラマ主題歌や、平井堅さん作詞作曲・松任谷正隆さんアレンジの「ぐらぐら」、昭和歌謡的な「愛の嘘」など、様々な物語が並び、実にドラマティック。
「平井さんから『JUJUのことを考えて作った曲だよ』と送っていただいたのが、この『ぐらぐら』。平井さんとは歩いていたら遭遇したり、スーパーで偶然会ったり。だから、私がこの歌詞のような状態だったことを見たことあるんですか? と思うくらい(笑)、心情がよく描かれていて。好きな人と一緒にいる時のぐらぐらする気持ちを歌っているので、anan読者のみなさんにも共感してもらえるところもあるのでは。アレンジは松任谷さんにお願いすると快諾してくださいました。酔っ払って鼻歌を歌いながら、新宿の地下道を歩く私を想像したそう。『愛の嘘』は玉井健二さんプロデュースの、夜の匂いがぷんぷんする曲。ままならない恋愛中の気持ちを歌っています」
「初めて自分を肯定できた」
なかでも、ラストを飾る15曲目「The Water」には特別な思い入れがあるのだと言う。
「歌詞にメロディがついた瞬間、救われたんです。これまで自分を褒めたことがなかったけど“私はこれでよかったんじゃないか”と初めて自分を肯定できて。最初に仮歌を歌う時、泣いて歌えないぐらいでした。誰しも生きているだけで頑張っているし、どんな時の自分も誇らしい。悲しんだことも悔しかったことも、その感情全て、今ここにいる私が愛おしい、と思うことが今の自分に必要だと。もし褒められたことがないと思う人たちが、この曲を聴いて元気になってくれたら嬉しいです」
JUJUさんから、本作を聴くにあたって一つお願いがあるそう。
「アルバムの導入部分になる『The Water‐Prelude』から最後の曲まで、飛ばすことなく通して聴いていただきたいです。15曲目に辿り着いた時、見えてくるものがあると思います」
PROFILE プロフィール
JUJU
ジュジュ 2004年メジャーデビュー。デビュー20周年の’24年には東京ドーム公演、全国アリーナツアーを開催。邦楽カバーやジャズなどのアルバムシリーズも好評。洋邦・世代を超えて名曲を歌い継いでいる。
INFORMATION インフォメーション

『The Water』
全15曲の8thアルバム『The Water』。【通常盤(CD)】¥3,520 【初回生産限定盤(CD+Blu-ray)】伝説の一夜「スナックJUJU 東京ドーム店」ライブ映像を完全収録。¥7,920(ソニーミュージック)
anan2437号(2025年3月5日発売)より