家族や友達といるときのような楽しさが伝わる作品になりました。
「これまでは自分の内面の葛藤や寂しさを歌ってきましたが、私はそんなにクールで静かな人間でもなくて、普段はけっこうふざけちゃうんです(笑)。なので今作ではちょっと楽しい音楽をやりたくて、自分の家族や友達やバンド仲間と一緒にいるときの私に近い作品になりました」
なかでも特徴的なのがプロデューサーの岡田拓郎さんが優河さんのデモをアフロビートにアレンジした「Don’t Remember Me」。歌詞のモチーフは「気まずいデートの思い出」だそう。
「人って本当に予測ができないし、思い出すと笑っちゃうような気まずい時間ってありますよね。あれは失敗だったなと思う過去の経験を、友達に話すような気持ちで書いてみました。岡田くんの、これまた予測不可能なアレンジで最高にかっこいい曲に仕上がっています」
友達と朝まで話したり音楽を聴いたり踊ったりしながら楽しんでいる優河さんの一面が垣間見られるような楽曲たち。聴いているとこちらも自然と癒される。そんなアルバムのタイトル曲「Love Deluxe」はセルフラブがテーマだという。
「愛って人には与えやすいけど、自分の愛し方なんて誰も教えてくれないし、わからないまま私も生きてきました。いつもの癖で『私はこうだから』なんて自虐的になってしまったり。でもふと、自分しか自分を生きられないのにどうして私、こんなに自分のことを否定してしまってるんだろうって。こんなに素敵な人たちと一緒に笑いあえてるってことは、私ももしかしたら素敵な人なのかもしれない、そうなれるかもしれないと30代になってようやく思えるようになりました」
時には自分のためにゆっくり眠ることもセルフラブになるという優河さん。こんな睡眠法を教えてくれた。
「私はいつも寝付きが良くて、眠れないことって年に2回くらいしかないんですけど。そんなときは、自分が大きな砂時計の中に入って眠りの砂と一緒にスルスル落ちていくイメージを思い浮かべると眠れます。ぜひ試してみてください(笑)」
4th Album『Love Deluxe』。配信シングル「Sunset」「Don’t Remember Me」、「泡になっても」を含む全10曲。9月4日発売。岡田拓郎をプロデューサーに迎え、魔法バンドと共に制作。¥3,300(ポニーキャニオン)
ゆうが 2011年からシンガーソングライターとして活動を開始し、ドラマ主題歌「灯火」で注目を集める。TVCMのナレーションや歌唱、ミュージカルなど幅広く活躍中。9月には東名阪でアルバムツアーを開催。
※『anan』2024年9月4日号より。写真・小林真梨子 取材、文・上野三樹
(by anan編集部)