chelmicoによる連載「chelmicoのちいさなにっき」。Vol.12はRachelによる「初恋のお話〈後編〉」の巻。
Entame

「初恋のお話」の続きを…。恋を成就させたい時はおまじないに限るっていうことで、中学生の時も全然おまじないに頼ってました。やっぱり、好きな人がいたよ。その時の仲良かった友達に突然「○○くん(←あたしが好きだった人)と付き合ってたんだけど、その時に使ってた鏡あげる」って言われて、今考えるとどうやったって「ん???」なのに素直に「応援してくれてんだ! 成功者の言葉だ!」と受け取ってしまったよ。

それは折りたたみの鏡にピンクのマニキュアで、好きな人の名前を書いておくと両思いになれるっていうおまじないのやつでした。かわいー。変ー。それを使ってあたしは前髪を整えたりしてたんだけど、それも相手に名前を見られて、好きだってことちゃんとバレたよ。ダメじゃん? シンプルにさ、相手の話をちゃんと聞いて、自分のいいところをアピるっていうコースをすっ飛ばして、全部おまじないで解決しようとしてたよ。その子だっておまじないもしてたけど、きっとそういった部分をちゃんと積み重ねてきただろうに。

それからしばらくして、その人にバレンタインチョコを渡したけどまたその数か月後に下駄箱に手紙が入ってて喜んだのも束の間、交際の打診に対して断りの連絡だったよ。なんで寝かせたの。いっぱい悩んでくれたのかな。ありがとね。

あたしも今は30歳。森羅万象全てに感謝のフェーズに入ってきちゃってるよ。これがあたしの甘酸っぱい恋の、とりわけ酸っぱい部分だね。酸っぱいてか香ばしい部分だね。あたしの恋は甘・香ばしいでやらせてもらっていました。

まだまだあちゃ~なエピソードがいっぱいあるよ。聞く? っていうか聞かせて? かっこよく見えるまみちゃんのあちゃ~なエピソードも聞きたいし、みんなも聞きたいはずだよ。ミステリーにしておきたかったら、それも良し! ミステリアスな人って魅力的だからね。

chelmico

チェルミコ 左・Rachel(レイチェル) 1993年生まれ、神奈川県出身。右・Mamiko(マミコ) 1996年生まれ、東京都出身。2014年にchelmicoを結成。NewデジタルEP「I just wanna dance with you‐period」が発売中。

※『anan』2023年12月20日号より。写真・幸喜ひかり ヘア&メイク・ナリタミサト

(by anan編集部)

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