体格ブラザーズ(ロバート・秋山竜次×アルコ&ピース・平子祐希)
――今回、「バランスバストのつくり方。」特集に合わせて、素晴らしいバストをお持ちの体格ブラザーズのお二人に登場いただきました。
リュウ(秋山竜次):(シガールを葉巻のように指に挟んで)すみません、これ、やりながらでいいですか?
ユウ(平子祐希):(ケータリングのおにぎりを手にとって)みなさんもね、食べながらやりましょう。
――召し上がってください。さっそくですが、お二人はバストを仕上げるために何かされていますか?
ユウ:「仕上げる」っていうのは何か作為的な言い回しだね。ちょっと乱暴だよな(おにぎりを食べる)。
リュウ:今、答えが出てるじゃないか。どんなときも食い続けてゴロゴロして、ジムにも通わず欲望のままに生きる。それが良いバストが仕上がる秘訣なのかもしれねぇな。
ユウ:だから、貪りが足りてないよね。バストっていうのは貪りが育むものなんだ。仕上げるとか鍛えるとか、俺らに言わせるとちゃんちゃらおかしいわけよ。
リュウ:バストってのは脂肪も大事だからな。バキバキに鍛えて胸筋をつけるんじゃなく、人間らしい脂肪がある程度乗ってないと。
――「鍛える」や「痩せる」ではなく、「体格」をポジティブワードとして使われているところにオリジナリティを感じます。「体格ブラザーズ」という名前を手に入れたとき、どう思われましたか?
リュウ:自然と引き寄せられたんだろうね。普段は別のグループに属している俺たちがひょんなことから一緒になって、「おぉ、体格似てるなぁ。どういう食生活? 同じじゃないか。年齢? 同じじゃないか。通ってきたカルチャーは? 同じじゃないか。兄弟じゃねぇか!」で、体格ブラザーズ結成さ。そう書けよ。
――はい。
ユウ:たまたま俺ら二人にそういう名称がついたのであって、これを読んでいる人たちには気づいてほしい。個々に異なっているけれど誰もが体格を持ち合わせて生きていて、何かを貪ってどこかに怠惰があって、必ず共通項がある。なりたいんだったら、お前らも明日から体格ブラザーズであり体格シスターズなんだよ(2つ目のおにぎりを食べる)。
リュウ:これが俺たちのマジの姿なんだ。食いたいがままやってきた二人が出会ったら、メディアさんがそれを映像として映してくれて、そのうち反響が出てきてよ。今じゃ街で「体格ブラザーズだ」って言ってくる人も増えた。不思議なもんだよな。
ユウ:シェイプアップだの筋トレだのがこれだけはやっている中で、言ってみれば反動分子だったんだ。地下で力を蓄えていたのが今こうして地上に出てきて、おたくらがそれをカメラで追っている。体格ブラザーズってのは現象なんだ。時代が生み出した化け物だよ。
リュウ:すごいぜ、このユニットは。
――お互いの体格で好きなポイントはありますか?
リュウ:そりゃああるよ。ユウって、ラグビーをやっていた体がベースなんだよね。その上に脂が乗っかってる。ラグビーをやり続けたんじゃなくて、その後にダラダラした生活を送ったのが全部出てるっつうか。
ユウ:ラグビーをやめ続けたらこうなれるね(サンドイッチを食べる)。
リュウ:「いや、ラグビーやめたなぁ!」って感じ。昔の体が下に透けて見えるのがいいよ。
ユウ:俺は「体格」って漢字を象形文字に戻したらグニャ~ッと曲がっていってリュウの体になるんじゃねぇかなって思ってるよ。昔の中国で漢字を考えた偉い学者さんたちがいるとしたら、リュウのような体の持ち主を描写して「体格」って文字をつくったんだと思う。それぐらいオリジンだよね。
リュウ:言いすぎだよ。ありがとうな。俺は銭湯でおっさんに「体格いいなぁ!」って言われたくて生きているから、「体格」イコールこの体っていうのは嬉しいよ。鍛えている人のことも「体格がいい」って言うけど、やっぱり風格がないとダメなんだ。「格」って文字があるんだから。それってつまり、ほどよく腹が出て脂が乗った恰幅の良さなんだよ。
――秋山さんの「体モノマネ」のように、芸人さんにとって体格はひとつの武器になると思います。体格と笑いの関係をどう捉えていますか?
ユウ:体格の膨らみって表現方法の膨らみでもあるのよ。ガリガリにできること、筋肉質にできること、そのすべてを賄えるのが体格なわけでしょ。だからオールマイティのジョーカーみたいなものだよね。
リュウ:最初っから体格があれば、カメラマンさんになんとか頑張ってもらって細く見せることもできる。捏造はいくらでもできるんだよ。でも痩せているやつを太らすのは嘘くせぇんだ。
ユウ:体の横をパテで埋めてデカくするわけにもいかないだろ。
リュウ:ただ、俺もまだ体格に憧れていない時代はあったよ。「細いラインがモテるんじゃないか」と思って、デビューして数年は着替えるときも腹を極力隠していた。腹なんて見せていじられたくないって思ったさ。ションベンくせぇよな。今は1秒でいいから服を脱がしてほしいよ。
ユウ:昔は青くさかったね。俺も肌の露出は極力控えて雰囲気をつくって、空気感を重んじるコントをつくり続け、その結果あえいであえいで。
リュウ:空気感に憧れて、いつまでもニン(※外見や人柄まで含めた「その人らしさ」のこと)に合ってないことをしてるやつを見ると思うよな。「一発、体見せりゃいいのによ」って。そうするとリミッターがぶっ壊れるから。
――最後に、読者へのメッセージをお願いします。
リュウ:やっぱり俺たちを見て思ってほしいよね。「あ、体格って活かせるんだ」って。彼氏や旦那さん、お父さんの腹を見て「だらしない体だな」って思っている人もいるかもしれないけど、一つ見方を変えればとてつもない武器になるわけだからな。痩せさせたら「なんだかつまらない」って後悔するときがくるぜ?
ユウ:今これを読んでいる細いやつ、鍛えすぎて悩んでるやつ、俺らはすべての人に門戸を開いてる。誰しもが、体格ブラザーズセピアなんだ。君たちの挑戦を、俺たちはいつだって待ってる。
リュウ:腹と腹でぶつかろうじゃねぇか。読者のみなさん、体格に関するお悩み、そして水回りのことは体格ブラザーズに…。
リュウ・ユウ:(同時に)お任せください。/お任せあれ。
リュウ:「ください」で来いよ。それは“勘定奉行”なんだよ。
ユウ:「お任せあれ」は“勘定奉行”の専売特許ではないから。
リュウ:あとお前、取材の間にケータリング何個食った!? 5個!?
ユウ:あー、おいしかった。ごちそうさまでした。
体格ブラザーズ 日曜朝の情報番組『シューイチ』のコーナー企画として結成された、ロバートの秋山竜次さんとアルコ&ピースの平子祐希さんによる体格ユニット(番組内での互いの呼び名は「リュウ」と「ユウ」)。食べて寝てお風呂に入って、“体格”を“仕上げ”ていくのがコンセプト。最近は行政とのコラボやアジア進出を狙うなど、体格も活動も幅を広げている。『シューイチ』は毎週日曜7:30~10:25、日本テレビ系で放送中(「体格ブラザーズ」は不定期放送)。
あきやま・りゅうじ(写真左) 1978年生まれ、福岡県出身。お笑いトリオ、ロバートのボケ担当。『キングオブコント2011』王者。ソロとしての活動に「ロバート秋山のクリエイターズ・ファイル」など。自称・市民プール愛好家。
ネックレス¥22,000(マリハ TEL:03・6459・2572) その他はスタイリスト私物
ひらこ・ゆうき(写真右) 1978年生まれ、福島県出身。お笑いコンビ、アルコ&ピースのボケ担当。高校のラグビー部時代は東北選抜に選出され強化指定選手として活躍。愛妻家としても知られる。相方の酒井健太と共にサウナ好き。
ネックレス¥18,700(マリハ) その他はスタイリスト私物
※『anan』2023年12月13日号より。写真・森山将人(TRIVAL) スタイリスト・鹿野巧真 ヘア&メイク・坂西 透 取材、文・斎藤 岬 撮影協力・BACKGROUNDS FACTORY
(by anan編集部)