2023年をもって解散 BiSH「まだまだ残っている時間を一緒に楽しんで走り切りたい」

エンタメ
2022.06.20
「楽器を持たないパンクバンド」として活動する6人組のBiSH。セントチヒロ・チッチさん、アイナ・ジ・エンドさん、モモコグミカンパニーさん、リンリンさん、ハシヤスメ・アツコさん、アユニ・Dさんにインタビュー。

「一発目のライブからパワーを感じた」(アイナ)

――BiSHの歴史を語る上で欠かせないものといえば何ですか?

Entame

アイナ・ジ・エンド:そもそもBiSHが初めてライブ・パフォーマンスをしたのが2015年の「いいにおいのするいきのいいやつらTOKYO」というイベントだったんですけど。そこでシークレットゲストとしてステージに出ていった時に、告知もしていないのに、お客さんたちが大騒ぎして盛り上がってくれて。それまでの私は音楽がやりたくて上京して、いろんな人のバックダンサーをしたりソロでライブをしたりしていて。どんなに頑張っても50人くらいしかお客さんを集められなかったんですけど、BiSHは一発目のライブからたくさんのお客さんが見てくれて。その光景がすごく嬉しかったですね。BiSから受け継がれたBiSHとしてのパワーを感じた始まりでした。

Entame

セントチヒロ・チッチ:結成以来、毎年夏にZepp Tokyoで開催しているフリーライブ、「TOKYO BiSH SHiNE(TBS)」も私たちの活動において欠かせないものです。リンリンとハシヤスメが加入した時も、アユニが加入した時も、そのライブで発表しました。

Entame

リンリン:2015年のTBSの1回目に出させてもらったんですけど。ハシヤスメは緊張しすぎて、ずっとトイレにこもってたのを覚えています(笑)。

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ハシヤスメ・アツコ:Zepp Tokyoって2700人キャパの大きな会場なんですけど、そこが初舞台だなんて考えてもみなかったことで、すごく緊張しました。楽屋にいると、初期メンバーがステージに出ていく時の歓声が聞こえてきて。私とリンリンはアンコールで出ていく予定でしたけど、もう1曲目からトイレにこもりました(笑)。

――アユニさん加入のお披露目が2016年の第2回TBSでした。

Entame

アユニ・D:はい、その時に「僕の妹がこんなに可愛いわけがない」という担当をチッチから受け継ぎました。

チッチ:私は、お前はもう妹じゃねえだろうってことになりました(笑)。

――ライブはまさに活動の中心ですよね。他に思い出深いライブは?

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モモコグミカンパニー:歴史というか最近なんですけど、コロナ禍になってライブができなくなって。新曲を出したり配信ライブをしてもやっぱり、有観客で行うライブの大切さを痛感していた中、332日ぶりにライブができた「REBOOT BiSH」が印象に残っています。そこで初めてBiSHのライブに来てくださった方も多かったみたいで。すごくありがたかったです。

――昨年、2023年をもっての解散を発表してから、12か月連続リリースやツアーなど精力的な活動が続きます。

リンリン:今は「COLONiZED TOUR」の真っ最中なんですけど。これまで行けなかった都道府県を回っているので、お客さんが“やっと会えた!”という優しい空気で迎えてくださって。いつも緊張しちゃうMCもありのままで話せて楽しいです。

「映画は下ネタに振り切ってます(笑)」(モモコ)

――初の主演オムニバス映画『BiSH presents PCR is PAiPAi CHiNCHiN ROCK‘N’ROLL』も公開中です。こちらはどんな内容ですか?

モモコ:6人全員、ひとりずつ違う監督にショートフィルムを撮ってもらいました。私はプロデューサーの渡辺(淳之介)さんに撮っていただいたんですけど、初期のBiSHを感じてもらえるような破天荒な作品になっています。もう台本を読んだ時点で下ネタに振り切ってる感じだったので、上映されて大丈夫かなって思ってるくらいです(笑)。

チッチ:監督さんは今までBiSHと関わってくださっていた方たちばかりなので、その子がどんな特徴を持っているかをストーリーの中に織り交ぜながら作ってくださいました。この映画を観てくださった方たちがどんな気持ちになるのか、感想が楽しみです。

――そして6月29日には新曲「どんなに君が変わっても僕がどんなふうに変わっても明日が来る君に会うため」がリリースされます。

アイナ:はい、12か月連続リリースの曲では、誰かが主役になる振り付けを作っていて。前回の「LiE LiE LiE」はモモカンが、今回は私がメインで踊る曲になっています。君がどんなふうに変わっていっても、自分は君との記憶を忘れずにいるんだ、というテーマで振り付けを作りました。なので私が他のメンバー全員に触れたり、絡むシーンを入れたりして、いなくなっても覚えているよという気持ちを表現しています。

「『また会おうね』って約束したい」(リンリン)

――解散にショックを受けているファンにも寄り添う曲になっていますね。

アイナ:でも、解散に向けての想いを込めて楽曲を連続リリースしているというのもちょっと違って。BiSHのいろんな表現をそれぞれの曲で楽しんでもらえたらと思っています。

チッチ:うん、もちろんファンの方の悲しい気持ちや怒りもわかるから、私たちはそれを全部受け止める覚悟です。でも私たちにもまだまだいろんな気持ちがあるし、それを素直に歌っていきたいんです。別れを意識しすぎても悲しいから、まだまだ残っている時間を一緒に楽しんで走り切りたい。解散パーチーやってる感じ?(笑)

アイナ:そうだね。この解散パーチーを一緒に目一杯、楽しんでもらえたら。

――怒涛のラストスパート、楽しみにしています。

リンリン:みんなにライブで会えたら“また会おうね”って約束したいです。

アユニ:もっともっとBiSHを愛してもらえるように、今までどおり、ただがむしゃらにやっていきます。

写真一枚目から、
アイナ・ジ・エンド 12月27日生まれ、大阪府出身。初期メンバー。ハスキーボイスが特徴で、BiSHのほぼ全ての楽曲の振り付けを行う。担当:おくりびと。
ドレス¥52,800(チャールズ・ジェフェリー・ラバーボーイ/ヌビアン渋谷 TEL:03・6455・1076) ネックレス¥35,200(ボーニー/エドストローム オフィス TEL:03・6427・5901) ブーツ¥33,000(ヴィンテージ セリーヌ/ベイアパートメント TEL:03・6457・0087) 

セントチヒロ・チッチ 5月8日生まれ、東京都八王子市出身。初期メンバー。無類のカレー好き。担当:見た目は真面目、中身は悪女 これでも彼氏は2人まで。
Tシャツ¥66,000(ルード/ヌビアン渋谷) デニム¥60,500(レジェ/ヌビアン渋谷) スニーカー¥62,480(ナイキ/リミテッド エディション TEL:03・3403・8682)

リンリン 3月9日生まれ、静岡県出身。2015年8月にBiSHに加入。刈り上げがトレードマークのファッショニスタ。担当:無口。
ジャケット¥125,400 スカート¥96,800(共に3.1 フィリップ リム/3.1 フィリップ リム ジャパン TEL:03・5962・7061) ローファー¥39,600(ニードルズ×グイド/ネペンテス ウーマン トウキョウ TEL:03・5962・7721) ピアス¥39,600(ボーニー/エドストローム オフィス)

ハシヤスメ・アツコ 9月27日生まれ、福岡県出身。2015年8月より加入。メンバーからは“バラエティ担当(一応)”と任命される。担当:メガネ。
ドレス¥66,000 ローファー¥66,000(共に3.1 フィリップ リム/3.1 フィリップ リム ジャパン)

アユニ・D 10月12日生まれ、北海道出身。ベースボーカルを務めるソロプロジェクト、PEDROとしても活躍。担当:僕の妹がこんなに可愛いわけがない。
シャツ¥16,500(ラングラー/エドウイン・カスタマーサービス TEL:0120・008・503) オーバーオール¥34,100(リビルド バイ ニードルズ×ロドリリオン/ネペンテス ウーマン トウキョウ) Tシャツ¥16,500(フィル ザ ビル/フィル ザ ビル マーカンタイル 青山 TEL:03・6450・3331) スニーカー¥6,380(コンバース/コンバースインフォメーションセンター TEL:0120・819・217)

モモコグミカンパニー 9月4日生まれ、東京都出身。多くの作詞を担当。今年3月、『御伽の国のみくる』(河出書房新社)で小説家としてデビュー。担当:あまのじゃく。
シャツワンピース¥39,600(ヴィヴィアン・ウエストウッド レッドレーベル/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション) スニーカー¥44,000(ヴィヴィアン・ウエストウッド/ヴィヴィアン・ウエストウッド インフォメーション)contact@viviennewestwood-tokyo.net

BiSH 「楽器を持たないパンクバンド」として活動する6人組。2015年インディーズデビュー、2016年メジャーデビュー。魅力的な楽曲や一体感を生む圧巻のライブで広く音楽ファンに支持され、数々の音楽フェスにも参加。昨年末、2023年をもって解散することを発表。

※『anan』2022年6月22日号より。写真・SASU TEI(W) スタイリスト・服部昌孝 ヘア&メイク・進藤郁子(アイナさん、チッチさん) 北原 果(KiKi inc./リンリンさん、アユニさん) 向井大輔(モモコさん、ハシヤスメさん) 取材、文・上野三樹 小松香里 古屋美枝

(by anan編集部)

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