大阪発の人気バンド・TETORA ボーカル上野「帰り道でひとりで泣いたり…」

エンタメ
2020.10.12
大阪を中心に活動するスリーピースバンド、TETORA。2ndフルアルバム『me me』は、ざらついたアンサンブルと瑞々しいメロディが、より情感豊かに。

ロックバンドはジャンルじゃなくて人だと思ってる。

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特に疾走感がある曲「抱きしめてるもの」では、“誰にも言わない 心から 大切なものは内緒にしておくんだよ 私達以外 何もいらないよ”と、強い信念が歌われている。ボーカル&ギターの上野羽有音(はゆね)さんはこう語る。

「学校の放課後にみんなで同じカバンを持つのとか、あんまり好きじゃなくて。“自分が好きなものを好きでいればよくない?”ってずっと思ってるんです。バンドも流行りを追ってるつもりはなくて、でも、みんなと違うことをしようとも思ってなくて、ほんま好きなことをやらせてもらってる。だけど、よく落ち込むんです(笑)。ライブやって“楽しかった!”って思うんですけど、粗を探そうと思ったら、“あの時噛んだよな”って思って、帰り道でひとりで泣いたり。でも、悔しさも楽しいんですよね。プラス、昔と比べてお客さんがたくさん観てくれるようになっていて、新鮮さもあって。どんどん楽しくなってます」

TETORAの武器となっている、はみだした感情がそのまま映し出されたようなハスキーな歌声が、昔はコンプレックスだったそう。

「みんながカラオケで歌うような曲も私はキーが出ないし、人前で歌うのも嫌でした。でも、京都大作戦っていうフェスに行って、“バンドやらな!”って思って(笑)。それで京都大作戦に出られるようなバンドになるためには、やっぱり自分で歌わないと駄目だって思ったんです。バンドで歌ってたら、みんながこの声を個性ってとってくれたんで、やってよかったなって思います」

目標は、「TETORAが全国のライブハウスで一番かっこいいバンドになる」こと。

「ライブハウスで何もかも教わったので、私のすべてはライブハウスにあると思ってて。私の好きなライブハウスは、店長さんとかも含めて、そこにいる人がみんな人として尊敬できたりするんです。そういう人たちに、かっこいいバンドだって思われたい。私がライブで一番大事にしたいのは、どれだけドキドキするかっていうこと。だから、自分がライブしてる時より、対バンのライブを観てる時のほうがドキドキしてしまうと、崩れ落ちそうになります(笑)。ロックバンドって、ジャンルじゃなくて人やなって思ってるので、そういう尊敬できる先輩たちの背中を見て、私たちも自分らしく生きようと日々思ってます」

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約1年ぶりの2ndフルアルバム『me me』。MVが公開中の「正直者だな心拍数」「知らん顔」「友達、以上」等を含む全13曲収録。¥2,500(Orange Owl Records) 10月28日よりリリースツアーを開催予定。

テトラ 上野羽有音(Vo&Gt)、いのり(Ba&Cho)、ミユキ(Dr)からなるスリーピースバンド。2017年結成。メンバーチェンジを経て、'18年に現体制となる。'19年6月、1stフルアルバム『教室の一角より』をリリース。

※『anan』2020年10月14日号より。写真・内山めぐみ インタビュー、文・小松香里

(by anan編集部)

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