男尻(だんじり)は硬さが大事、仕上げにロマンもね。
お杉:『マジック・マイク』シリーズを語らないわけにはいかないわ。男性のゴージャスな肉体美祭りだったじゃない。
B子:アダム・ロドリゲスのトゥワークダンスには目が点になりました。尻っぺタがぶるんぶるん揺れるんだもん。
お杉:マシュー・マコノヒーのTバックも強烈だったよね。あのスタイルで開脚なんて、いつポロリするかヒヤヒヤ(笑)。
B子:あの人、脱ぎたがりだから。
お杉:マッチョなストリッパーたちが、消防士や兵士といったコスプレで女のファンタジーを満たしてくれるのは素晴らしい。イケてるお尻は大事だけど、お尻だけじゃロマンは完結しないから。
B子:男性のお尻がチャームポイントとなったのって『アウトサイダー』あたり? 初脱ぎしたロブ・ロウは当時、美尻を魅せる美男俳優という立ち位置だった。
お杉:アイスホッケー選手を演じた『栄光のエンブレム』でも脱いでた。スポーツ映画ってシャワーシーンがあるから、要チェックよ。
B子:刑務所映画もね(笑)。シャワールームで格闘したりするでしょ。『イースタン・プロミス』では、ヴィゴ・モーテンセンがサウナで殺し屋と戦うんだけど、マッパ! ポロリで撮り直しとかあったはず(笑)。
お杉:ヴィゴのたくましい脚にも痺れた。アラゴルン様を演じたあとだけにあの全裸はショーゲキだったわ。売り出し中の若手の体当たり演技とは、ありがたみが違う。
B子:中年過ぎても肉体がたるんでないのはさすがだよね。ヒップも引き締まってたもん。
お杉:そう、男のお尻は硬さが大事。映画史を彩った男の全裸は数々あれど、私にとっての最上級は『ターミネーター』のアーノルド・シュワルツェネッガー。未来から全裸でやってきたターミネーターの降臨ポーズは、大事なところの隠し加減も含めて、完璧よ。
B子:今は映像技術でヌードも作れるし、尻用ボディダブルに頼る男優もいるよね。ザック・エフロンとか。
お杉:そうなの!? 『恋人まで1%』のお尻、ザックのだと思ってたのに!
『マジック・マイク』
家具店を開く夢を持ちながら、ストリッパーとして享楽的な人生を歩むマイクの成長と恋を描く物語。主演チャニング・テイタムのストリッパー体験を活かした傑作。
Amazon Prime Videoなどで配信中 写真:Everett Collection/アフロ
『アウトサイダー』
オクラホマ州の片田舎に住む不良少年グループの苦々しい人生と恋を描く青春映画の金字塔。後に大スターとなるトム・クルーズが台詞がほとんどない脇役で出演している。
ビデオマーケットなどでレンタル配信中 写真:PictureLux/アフロ
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『イースタン・プロミス』
助産師アンナは死亡した少女が遺した日記をきっかけにロシアン・マフィアの運転手ニコライと知り合う。彼には別の顔があり…。人身売買をテーマにした渋い犯罪ドラマ。
TSUTAYAプレミアムなどでレンタル可
お杉とB子 小誌で「お杉とB子のMOVIE TALK」を連載中の映画評論ユニット。『愛の不時着』は完走したものの、いまだ七王国をさまよい中のお杉と、配信の犯罪ドキュメンタリーにハマっているB子。傑作から駄作まで鋭く、おかしく斬り込むよ。
※『anan』2020年6月24日号より。イラスト・いいあい
(by anan編集部)