デビュー20周年を迎えた《東洋一のサウンドマシーン》、クレイジーケンバンド(以下、CKB)。この秋まで、アニバーサリーイヤーの真っ最中だ。

3年も我慢してたので、やりたい音楽全部をこの一枚に。

クレイジーケンバンド

「20年といっても、感覚では3~4年くらいの感じですね。僕は38歳とデビューが遅かったので、一年一年が短く、あっという間に過ぎました(笑)。大器、ではないけど、晩成が良かったのかもしれないね」

デビュー以来、毎年1枚のアルバムをリリースしてきたが、3年のインターバルの後、ついに20周年記念アルバム『GOING TO A GO-GO』が完成。剣さんが「腰にくるアルバム」と言う通り、まさにソレ。ソウル、ファンク、ジャズ、昭和歌謡にレゲエ…、CKBが得意とするジャンルをすべて網羅し、腰にガツンときて、気持ちよく体を揺すらせてくれる作品に仕上げている。

「作曲中毒の僕が3年も我慢してたんだから、ありとあらゆることをやってしまいました。完成したものをバーッと聴いたら、なんて支離滅裂なんだろうと感じたのですが、それでは聞こえが悪いので、《24時間営業》サウンドと呼んでます(笑)」

20年の月日を経ても、曲が生まれるベースは、つねに剣さんの頭の中から流れてくるメロディから。

「いつもそうなんですけど、レコーディングに入るときは無の状態です。で、パッと浮かんだものを引き出して作っています。それは変わんないね。でもまあ、あまり引き出しがある感じじゃないから、受信機でキャッチしてる感じですね。最新の音楽に触発されることもありますよ。ああ! 先にやられちゃったよ、って(笑)。でも同じことやっても面白くないから、その対極のことをやったりね。もうすぐ平成が終わるのに、平成に入る間もなく、昭和っぽいことを相変わらずやってますね」

古い車の愛好家である剣さんらしく、使用する楽器も、こと鍵盤楽器は古い時代の機材にこだわってサウンドを作り上げる。しかし録音などは最新のテクノロジーを使うという。

「例えれば最新のスマホで昔の音楽や映画を取り込んで楽しむような感覚なのかな。そんなふうに若い世代が古いものをよく知ってて、クレイジーケンバンドも、最新の音楽と同等に楽しんでくれるのが嬉しいね」

交流のあるceroやSuchmosなどの若手バンドと、レアな音楽情報を交換することもあるとか。

「僕が知らないアーティストもたくさん知ってますからね。教えてもらってメモしてあとで聴くと、本当にいいんだよ。彼らといちばん重要な、音楽の根っこの話ができるのが楽しいんです。SuchmosのYONCE君とはザ・ゴールデン・カップスについてのマニアックな話ができたり、ceroの高城君は仲間とCKBの歌が生まれた場所を訪ね歩いてて、僕より詳しい(笑)。もちろん彼らの作る音楽も素晴らしい。ホント、いつも驚かされ、刺激を受けてます」

素敵な交流エピソード。音楽にも人に対しても、フトコロが深い剣さんだから、水があふれるように、いい音楽を作り続けられるのだろう。

クレイジーケンバンド

『GOING TO A GO-GO』【初回限定盤CD+2DVD】¥7,000 デビュー20周年記念オリジナルアルバム。2枚の特典DVDには昨年9月に横浜で行われたスペシャルライブの模様を収録。【通常盤CD】¥3,000(UNIVERSAL SIGMA)

よこやま・けん 1998年にデビューしたクレイジーケンバンドのリーダー。ほとんどの楽曲の作詞・作曲を手がける。8月末からは全国ツアーもスタート。9月24日には20周年記念スペシャルライブを横浜アリーナで開催。

※『anan』2018年8月15・22日号より。写真・土佐麻理子 インタビュー、文・北條尚子

(by anan編集部)


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