
新作アルバム『Garden』をリリースした石川紅奈さんにインタビュー。
自分自身のパレットの色が少しずつ増えていくような新たな発見がありました
ウッドベースを奏でながら、清涼感溢れる歌声を放つ、唯一無二のスタイルで活動する石川紅奈さん。新作アルバム『Garden』は自身の内面を掘り下げながらセルフ・プロデュースしていったという。
「制作期間中に『私はどういうものが好きなんだろう』『何を感じているんだろう』と自分の内面を探る時間がありました。そこでカウンセリングに通い始めたんですけど、先生に自分の気持ちをアウトプットすることで多くの気づきがありました。いつもは意識していなかった感情に対して敏感になり、自分自身のパレットの色が少しずつ増えていくような新たな発見がありました」
そんな内面が花咲くように、’70年代のソウルやブラジリアン・フレーバーが漂うサウンドも新鮮。ゆったりとしたリズムで届けられる「Erica」で感覚が研ぎ澄まされ、癒されるような聴き心地だ。
「この曲では五感をテーマに書いてみたいと思いました。その時にカウンセリングの先生から『黒いオルフェ』という映画を教えてもらったんです。アントニオ・カルロス・ジョビンとルイス・ボンファというブラジルの巨匠2人が音楽を手がけている作品で、映像も素晴らしくて。この映画を観た直後にインスピレーションを受けてできた曲です。私の中では『Erica』という存在は五感の象徴でもあれば、自分の中の庭そのものかもしれないという抽象的な存在です。Ericaという花も存在します」
ここ数年はライブでもできるだけ新曲を披露していく試みを行っており、その中で生まれた曲も多数収録されている。パーカッションと彼女のスキャットが軽快に掛け合う「In the Rain」もそのひとつ。
「ライブの前日に天気予報を見ていたら『傘が横に倒れてしまうくらいの暴風雨』という予報が出ていたことがあって、そんな中で来てくださるお客さんのために急遽作った曲です。レコーディングの際にパーカッションのKanくんがフェステホというペルーのリズムを教えてくれて、さらにそこへギターのTaka Nawashiroさんが明るい音色を足してくれて、開放感あるアレンジになりました」
アルバム『Garden』では石川紅奈というアーティストの輪郭が、これまで以上にくっきりと浮かび上がった印象がある。
「私の“内なる庭”は現在進行形で循環し続けています。自分の思いもよらないタイミングで花が咲いたり、周りの人から水をもらい、光を浴びて新しい何かが育っている状態です。この温かなグルーヴを携え、これからも音楽の旅を続けます」
Profile
石川紅奈
いしかわ・くれな 埼玉県出身。高校1年生の夏にウッドベースを始める。2023年3月、アルバム『Kurena』でデビュー。全国7か所をまわるツアーを開催中。『Garden』アナログ盤が12/5に発売。
information

Album『Garden』
ミニー・リパートン「レ・フルール」のカバー含む全8曲。爽やかな歌声と温かなグルーヴが心地よい。 ¥3,520(Verve/Universal Music)いしかわ・くれな 埼玉県出身。高校1年生の夏にウッドベースを始める。2023年3月、アルバム『Kurena』でデビュー。全国7か所をまわるツアーを開催中。『Garden』アナログ盤が12/5に発売。
anan 2513号(2026年9月30日発売)より































