現在最も話題のドラマ『やすらぎの郷』に出演していることで、anan世代にも人気急上昇中の、浅丘ルリ子お姉さま。その“時代を超えたかわいさ”に迫る!
浅丘ルリ子

かわいい、とにかくすべてがかわいいのです。美しく上品な言葉遣いと愛らしい所作にうっとりさせられ、目が合うたびに漆黒の瞳にクラッ…。でも一方で、内面はとってもべらんめえでカッコイイ。女優、浅丘ルリ子さん、76歳。昭和の時代は殿方のハートを鷲掴みし、今は年下女子からも憧れの視線で見つめられる存在。こんなに素敵に年を取る人生って、いったいどんなものなのでしょう…。

――今出演されているドラマ『やすらぎの郷』が、若い世代にも話題です。いかがですか?

浅丘:ねぇ、こんなに話題になるとは思わなかった。私たちや、それより上の世代の人たちばっかりが見るんだと思ってた。でも、フタを開けたらとんでもない! 20代の人も見てくれているって、こんな嬉しいことはないわ。とある局のスタッフに「何に興味を持って見てるの? おもしろ半分?」って聞いてみたら、「違うんです、ドラマとしておもしろいんです」って。もうびっくり。やっぱり、酸いも甘いも噛みしめた人たちが作る作品は、厚みが違いますよね。最近のドラマは、「あ、これで終わりなの?」っていう感じのものばかり。見終わったときに、考えさせられるということがない。そういう意味で『やすらぎの郷』は、考えさせられることばかり。年を取るということ、そしてお金のことなど…。ちなみに三谷幸喜さんも、石井ふく子さんも「おもしろい!」ってお電話をくださいましたよ。

――私たちからすると、出演者の顔ぶれにもびっくりしました。浅丘さんが、まさか前のご主人である石坂浩二さんと共演するなんて。しかも、親友の加賀まりこさんも出るとは、どういうこと?! と。

浅丘:でも、昔の仲間とこうして一緒にまた仕事ができるのはとても楽しいし、素敵なことよね。兵ちゃん(石坂さんの愛称)とは16年ぶりの再会で、若い頃から素敵でしたけれど、一段と素敵になられてました。他の出演者の方々もそうですが、お年をお召しになってからなお魅力的になる方もいっぱいいるし。ちなみに、私に石坂浩二さんを紹介したのは、加賀まりこですから。

――石坂さんと加賀さんも恋人だった過去があると、噂で聞いたことがあるのですが…。

浅丘:そうよ。私の前ね。

――すごい現場ですね(笑)。

浅丘:その昔マリリン(加賀まりこさんの愛称)が、「石坂さんがすごい浅丘さんのファンなんだって。一度会ってあげて?」って。でも私、石坂さんあんまりタイプじゃなかったから、「ありがとう。でも好みじゃないから…」とお断りしてたんだけど、そうこうしているうちにドラマで共演することになって、お会いしたわけ。

――ちなみに好みの男性は、どんなタイプだったんですか?

浅丘:(即答で)石原裕次郎さん! 石坂さんとはドラマで半年ご一緒して、だんだん攻められて(笑)。でも付き合ってみたら本当に物知りで、14歳で女優になった世間知らずの私にとっては、いろんなことを教えてくれる先生みたいな存在だったの。それで結婚したのが、ちょうど30歳。

――30歳くらいで結婚したいな、というお気持ちはありましたか?

浅丘:したいな、というより、むしろこのままずっと仕事をしていたら、結婚するヒマどころか、チャンスもないかもしれない、と思ってました。とにかく仕事が楽しくて毎日が充実していましたから、一生仕事しかないかもしれないと思っていて。だからこそ、これを逃しちゃいけないんじゃないか、とも。それと石坂さんが、私の仕事をとても評価してくださって、「貴女が女優をやめるのはもったいない。いいものを持っているんだから続けてください」って。そんなことを言ってくれる男の人、いませんよ。そんなこんなで30年弱、一緒にいましたね。

――でも、お別れしてしまった…。

浅丘:そう。離婚したいって言ったのは、彼。私は理由が分からなかったから、「なんで別れるの? 別れなくったっていいじゃない」って言ってたんですけれど、徐々にね、あちらに好きな人ができたってことが分かって。彼が望む幸せの形を、私は実現させてあげられないな、「じゃあいいわ、どうぞ」って。そうなったら私、踏ん切りはいいほうですからね。それで、私の希望で二人で離婚記者会見をしたの。だって一人ずつだと、あっちがこう言った、こっちがこう言ったってややこしいことになるでしょう? 二人揃えばお互い言いたいことが言えるし、マスコミの方も2ショットが撮れる。みんな撮りたいでしょ? 2ショット(笑)。小さいときからこの仕事をしてますから、サービス精神はあるんですよ、私(笑)。

――とはいえ、悲しい出来事ですから、人前に出たくないとか、他人には話したくない、といった気持ちもあったのでは…?

浅丘:ううん、なかったです。話しちゃいけないようなこともなかったし、別に全然。

――大好きだった人との離別ですから、相当泣いたのでは…。

浅丘:泣きましたよ~、もちろん…って、いや、あんまり泣いてないかな(笑)。あんまり泣かせるような人じゃないんです、あの方。そういういたわりがあるんですよ、兵ちゃんには。それから私は、昔からすごく勝ち気で男っぽい性格だから。我慢するとか、どんなにつらくても口に出さないとか。ありがたいことに、その性格は“女優”という仕事にとても役に立ったとも思いますね。ちなみに加賀まりこは、私よりもっと男っぽいわよ。私よりもっと言いたいこと言いますしね(笑)。

あさおか・るりこ 満州国新京(現在は中国の長春)出身。中学2年時に映画でデビュー。以降、銀幕のヒロインとして日本中に愛され、これまでに150本以上の映画、またテレビドラマにも多数出演。特に映画『男はつらいよ』シリーズで4度にわたりマドンナを演じた、リリー役は有名。現在は舞台でも活躍する。

※『anan』2017年7月5日号より。写真・津留崎徹花 ヘア・シモン.いほこ インタビュー、文・河野友紀

(by anan編集部)

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