美しい姿勢を保つには、自在に動く肩甲骨がマスト。
美しい姿勢を保つためには、使いこなせずに眠っている、肩甲骨の働きを目覚めさせること。上下や開閉、回旋の動きなど、様々な動きができる肩甲骨の柔軟性を保っていれば、姿勢が整うだけでなく、血行が良くなり、代謝もアップするなどいいことずくめ。
「けれど、日常の緊張で首・肩まわりの筋肉は無意識に固まりやすいんです。さらに、猫背など悪い姿勢で長時間過ごすと肩甲骨が固まってしまい、肩や腕が動かしにくくなってより姿勢が崩れる、という悪循環を生んでいます」(整姿勢トレーナー・吉田直輔さん)
凝り固まった肩甲骨まわりの筋肉をリセットできれば、本来の動きが復活する。
「その際大事なのが、普段の自分の肩まわりの緊張具合を自覚し、肩の力が抜けた状態を体に覚えさせること。肩に力が入ったままストレッチをすると、力を抜くべき時に力んでしまい、筋肉をほぐす効果が得られないからです」
肩や首にコリがある人は特に注意。左の緊張グセを抜く方法を試してから実践に進むのがおすすめ。肩甲骨の本来の動きを取り戻して、無理なく美姿勢を手に入れよう。
最初はまずこれ! 肩の緊張グセを抜く。
腕の力を抜き両肩に少しずつ力を入れながら、10秒かけて肩を上げる。上げきったら肩・首のあたりにギューッと力を入れる。その後両肩の力を少しずつ抜きながら10秒かけて下げる。
前かがみの姿勢や、肩が上がったままだと、肩まわりの筋肉はこわばりっぱなし。一度力んで力を抜く動きを繰り返し行うと、力の出し入れがスムーズにできるようになり、緊張グセもコントロールできるようになる。
どこでもリセット
場所を選ばず、モノも使わずに行える3つの簡単な動きを紹介。肩甲骨が本来のスムーズな動きを取り戻せるよう、習慣づけて。
腕&首の縮こまりを解消する
PCやスマホを長時間使う影響で巻き肩になると、腕や首が固まってしまう。腕と首の縮こまりを解消し、両腕の疲れを取り、動かしやすくしよう。
1、片肘を90度にし、体側になるべく近づけ、肩甲骨を背骨に寄せる。手は卵を包むように軽く丸め、頭を反対側に傾ける。
2、手を斜め下に伸ばし、頭と手で引っ張り合う。首から肩にかけてジリジリするのを感じる場所で30秒キープ。反対側も。
鎖骨を目覚めさせる
鎖骨は、体幹と肩、腕をつなぐ大切な骨で、動きの要にもなっている。肩甲骨をダイナミックに動かすには、鎖骨との連動感を意識することが大事。
1、回す腕の手は肩に乗せ、反対側の手先は鎖骨に添える。
2、鎖骨がしっかり動いているかを確認しながら前に10回回す。続いて後ろにも10回回す。反対側も。
肩甲骨の動きを感じる
可動域の広い肩甲骨を蘇らせるため、動きを何度も体に覚えさせよう。壁の前で行うことで、骨の動きを実感できるはず。
【上下】
壁に肩甲骨が当たるように、足幅はこぶし1つ分空けて立つ。腕の力を抜いた状態から、ゆっくり肩を上下5往復。
【開閉】
壁から少し離れ、両手を前に伸ばした状態から、肘を引き肩甲骨を寄せる動きを5回。肩は一定の高さに。
【回旋】
1、肩の力を抜き、両腕はやや後ろに伸ばし、手のひらを正面に向ける。顎が前に出たり、反り腰にならないよう姿勢に注意。
2、肘を伸ばしたまま、手で大きく円を描くように腕を上げ下げ。下げる時は肩甲骨を寄せるようにして両手をお尻の後ろに。
PROFILE プロフィール
吉田直輔
整姿勢トレーナー、美脚美容家。「骨格改善サロンVes」、オンラインサロン「salonY」代表。郷ひろみさんほか、小学生から90代までの様々な世代にレッスンを行う。近著は『疲れた日でもできる 10秒姿勢リセット』(時事通信社)。