「報連相」より重要なのは?【ビジネスマナー】「仕事ができない」と認定されがちな人のNG行動

文・能美黎子 — 2024.1.13 — Page 1/2
職場で自分は「仕事が遅いな」「ミスが多いな」と思った経験はありませんか。仕事ができないと認識される人の行動には特徴があるそうです。では、仕事ができないと認定されやすい人と仕事ができると認定をされる人では何が違うのでしょうか。今回は、今さら聞けない「仕事ができないと思われるNG行動」について、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが紹介します。

仕事ができないと思われるNG行動

ビジネスマナー NGマナー 仕事ができる人 仕事ができない人 コミュニケーション 報連相

【元社長秘書のマナー講座】vol. 19


新しい年が始まり、気持ちも一新して仕事を頑張ろうと思っていても「休み明けの仕事でミスをしてしまった」「仕事が遅れがちになってしまう」「なんだか仕事も人間関係も上手くいかないなぁ…」と悩みを抱えている方も少なくないのではないでしょうか。では、仕事のミスが起こりそうな時やミスが起こってしまった際、皆さんはどんな対応をしますか? もしかすると、知らぬ間に周囲から「仕事ができない」と認識されるNG行動をしてしまっている可能性があります。今回は、仕事の評価を左右するNGマナーと、「仕事ができる人」と認定される、知っておきたいマナーをお伝えします。


仕事ができないと見られてしまう人の特徴

1. 「ホウ・レン・ソウ(報告・連絡・相談)」ができていない

周りから「仕事ができない人認定」を受けてしまう可能性が最も高いのが、ビジネスの基本である「報連相(報告・連絡・相談)」ができていない人です。ミスや間違い、クレームなどを放置しておくと、その後大きなトラブルに発展する可能性があるため、迅速な対応が求められます。初期対応の「報連相」をスピーディにできれば、信頼される人材へと評価も変わっていく可能性があるため、改めて心掛けましょう。


2. 言い訳が多い

何か指摘されたときに「いや、それは〇〇という理由で…」と言い訳をする人は周りにいませんか。言い訳をする、わかったふりをしてしまうのは、間違った認識のまま仕事を進めてしまう人に多い傾向があり、自分の保身しか考えていない可能性があります。言い訳が多い人は、言い訳をせずまずは受け入れて謝罪をしましょう。自分で責任をもち、何事にも前向きに取り組む姿勢を見せることが大切です。


3. レスポンスが遅い

メールや電話のレスポンスが遅い場合も、仕事ができない人と判断されてしまう可能性があります。仕事は早く終わったほうが良いですが、早い以上に「反応を返す」ことも大切です。基本的に相手が返事を求めている状況では、レスポンスが早い人ほど信頼される傾向があるため、すぐに返信をすることが難しい場合は、一次返信だけでもしておくと相手も安心しますので覚えておきましょう。


仕事ができる人はこれをしている!

進化系マナーの基本は「カク・レン・ボウ」

「ホウ・レン・ソウ」の進化系「カク・レン・ボウ」を知っていますか?

「カク・レン・ボウ」は「確連報(確認、連絡、報告)」です。「ホウレンソウ」にはなかった「確認」が最初にあり、「報告」は最後にきているのがポイントです。情報共有がメインの報連相では、部下は「相談」するだけで答えを考えるのは上司です。近年では自分で考える力が育たないことが課題となり、進化したのが「カク・レン・ボウ」です。現代社会において重要となる「自立した人材を育てる」「自主性を引き出し業務効率化を図る」ことが目的です。


格上げ一流マナーはこれ!「ソラ・アメ・カサ」

「ソラ・アメ・カサ」という言葉は聞いたことがありますか?

正解は、
空「空を見ると曇ってきた(現状認識)」
雨「雨が降りそうだ(現状分析)」
傘「傘を持っていこう(解決方法)」

仕事ができると認定されている人の多くは、報連相ではなく問題解決に必要である「ソラ・アメ・カサ」の行動で上司と確認し、相手や部下に指示をしています。この「ソラ・アメ・カサ」は、自分の思考の確認にも使えます。

空(ソラ)が抜けていれば「根拠となる事実は何か?」
雨(アメ)が抜けていれば「何が論点なのか?」
傘(カサ)が抜けていれば「どんな打ち手がいいか?」
と確認すると、正しい結論を導き出すことができます。これを基に仕事をするとスムーズに仕事を進めることができるので、ぜひ使ってみてくださいね!


おわりに

知らず知らずのうちにやってしまっているNGマナーがあれば、今回ご紹介した内容を参考に対応をしてみてくださいね。まずは、自分の行動を改めて意識をすることで、上手に仕事をこなせる人になれるはずです。行動に迷ったら、「ホウ・レン・ソウ」「カク・レン・ボウ」「ソラ・アメ・カサ」どれかを思い浮かべながら行動をしてみることが大切です。

<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。


©bizvector/Adobe Stock