「塗す」は「ぬりす」ではありません!【漢字クイズ】意外と読めない漢字3選

文・田代わこ — 2024.1.21
見慣れた文字なのに、意外と読めない漢字をご紹介する漢字クイズ。今回は、「塗す」、「質す」、「戦く」の読み方に迫ります!

【漢字クイズ】vol. 23

正しく読めたらスゴイ!

漢字クイズ画像_塗る

「厚塗り」や「塗り絵」など、誰もが読める漢字「塗」。動詞「塗る」は読めると思いますが、では「塗す」は正しく読めますか?

「塗す」は「ぬりす」ではありません!

正解は、


「まぶす」、「まめす」でした! 

「まぶす」という言葉は知っていても、漢字まで知っている人は少ないと思います。正解できたかたは、スゴイです!

では、簡単に意味をご紹介。

「まぶす」は、粉などをまみれさせる、一面になすりつける、という意味。使い方は、「粉砂糖をまぶす」、「片栗粉をまぶす」など。

「まめす」も「まぶす」と同じで「まみれさせる」の意味。この「まみれさせる」を漢字で書くと、「塗れさせる」となります。「汗塗れ」や「泥塗れ」などはよく使う言葉ですが、意外と漢字は知られていないかもしれません。

「質す」は「しつす」ではありません!

正解は、


「ただす」でした! 「品質」や「質問」などで見慣れているので、「しつす」と思ってしまいそうですが、違います。

「質す」の意味は、「質問する、問い確かめる」など。「疑問点を質す」、「真意を問い質す」などと使います。

ちなみに、「ただす」には別の漢字もあります。

「正す」の意味は、「間違いを正すこと」。「誤りを正す」、「行いを正す」、「姿勢を正す」などのように使います。

「糺す」の意味は、「罪や真意などを調べる」。「事件の真相を糺す」のように使います。

「熟す」、「じゅくす」以外の読み方は…

正解は、


「こなす」でした!

「こなす」のおもな意味は、「1.粉状にする、2.問題をうまく処理する、3.軽蔑する」など。ふだんよく使われるのは、「仕事をてきぱきとこなす」など2番目の意味です。ただ、語源は「粉になす」なので、「形のあるものを粉にする」が本来の意味のようです。

「成熟」、「熟女」など、「じゅく」のイメージが強い漢字ですが、「こなす」という読み方もぜひ覚えておいてくださいね。

以上、意外な読み方をする漢字3選でした。次回もお楽しみに!


参考資料:
『広辞苑』(岩波書店)
『日本国語大辞典』(小学館)
『デジタル大辞泉』(小学館)