MY CARE WORK 02 介護の現場でかなえる、私らしい働き方。

写真・村上未知、土佐麻理子 スタイリスト・池田木綿子 ヘア&メイク・NADEA 取材、文・鈴木恵美 PR・厚生労働省 — 2023.10.18〔PR〕
自分のパワーをシェアして人をハッピーに―。介護という仕事も実はシェアライフかも。高齢化が進む社会の中で絶対必要な仕事、働きがいも将来性もたくさんありそうだけれど、なかなか現場に触れる機会がないのも事実。やりがいは? 待遇は? 大変なところって? 介護の仕事の気になる中身を現場で活躍中の人たちへのインタビューから探ります! 今回は訪問介護をしている鹿角実花さんと、自立支援に特化した施設のリーダー大竹ひかりさんを紹介します。

Working File2
利用者の生活に丸ごと関わる訪問介護にやりがい!

ひとりひとりの日常に
寄り添う介護がしたい。

NAME
鹿角実花さん(26歳)
PROFILE
かつの・みか 大学で社会福祉学を専攻し、社会福祉士の資格を取得。2020年に株式会社でぃぐにてぃ入社。’22年に介護福祉士の資格を取得。訪問介護業務を行う傍ら、サービス提供責任者として、訪問介護計画書などの書類作成や管理業も担っている。
東京都新宿区 でぃぐにてぃ

東京都新宿区高田馬場1-29-7 スカイパレス504 
☎03・6265・9048
訪問介護・在宅介護
http://digunity.co.jp/

若い世代が活躍する訪問介護の現場。

東京都新宿区に拠点を置く「でぃぐにてぃ」は、19歳の時に不慮の事故で車椅子生活を余儀なくされた代表の吉田真一さんが設立した訪問介護の事業所。「世界いち気持ちいい介護」を目指し、20〜30年後の介護業界を担う人材を育成するために若手の採用に注力。現在この会社で働いているヘルパーの平均年齢は約26歳で、若い世代が活躍している。そのひとりが、ピンクのヘアスタイルが印象的なヘルパー歴4年の鹿角実花さん。

「大学の時、ボランティアサークルに所属し、知的障害がある方と触れ合った経験をきっかけに、介護業界に興味を持ちました。今は、小学生から80歳まで幅広い年齢層の様々な障害がある方の介助や身の回りの支援を行っています。未経験でこの世界に飛び込んだので、車椅子への移動をサポートする移乗介助などは力が必要だし、お客様によって体調も体型も異なるので大変なことはたくさんあります。でもご本人の意向を聞いて経験を積んだり、先輩スタッフの意見を参考にしながら少しずつうまくできるようになりました」

鹿角さんが新卒の時から訪れ、家事援助や移乗介助を行っている70代利用者さんのご自宅。鹿角さんのことを「カッちゃん」と呼ぶほど仲良し。

何気ないことを共有し、笑い合える時間が幸せ。

特に訪問介護は、利用者の自宅を訪問して行うサービスのため、ひとりの方と1対1でじっくり向き合う時間が長い。その中で心がけていることとは何か。

「お客様が送りたいと思っている生活ができるように、やれることをお手伝いするという気持ちで日々現場に向かっています。無理にテンションを上げるわけではありませんが、相手の性格に合わせて話し方や接し方を変えている部分はあります。その方の体調や機嫌がいつも同じとは限りませんが、私はできる限りスタンスを変えないように意識しています。それは、いつもと変わらない日常をお客様に提供したいと思っているから。訪問介護って、その方の日常に深く入り込むことなので難しい部分もあるけれど、それ以上に楽しいことも共有できる部分も多い。私は髪型をコロコロ変えるのが趣味なので、『その髪型素敵ね、真似しようかしら』と褒めてもらって、何気ないことで笑いが生まれたり。会うたびに距離感が縮まって近しい存在にもなれるので『自分の娘みたい』とおっしゃってくれる方もいて、そういうやり取りから元気がもらえています」

利用者さんの車椅子の掃除を行うのも大事な仕事。

最後に「世界いち気持ちいい介護」とは何か、鹿角さん自身がどう思っているか聞いてみた。

「最近、社内ミーティングの時にスタッフ全員でそのことについて考えて、思い思いの言葉を紙に記して、事務所の壁に貼ったんです。私が入社した時は、『世界いちって大きなミッションだなぁ』と漠然と思っていましたが、様々な方と触れ合ってきて、お客様と私の中にふたりの世界ができていて、その中で気持ちいいと思える介護ができることが一番だと最近思えるようになってきました。それを目標に、いろんな方に必要な人材になれるようにもっと成長していきたいです」

事務所に戻り、スタッフたちと情報共有する時間も欠かせない。
スタッフたちが考える「世界いち気持ちいい介護」

Working File3
自立支援に特化した施設のリーダーとして活躍中。

様々な選択肢がある介護職を一生の仕事にしたい。

NAME
大竹ひかりさん(36歳)
PROFILE
おおたけ・ひかり 福祉専門学校を卒業し、介護福祉士の資格を取得。都内の特養老人ホームで約6年、同施設のデイサービスで約3年働いた後、2018年に社会福祉法人正吉福祉会が運営する「杜の風・上原」に転職。ユニットリーダーとしてまとめ役も担う。
東京都渋谷区 杜の風・上原

東京都渋谷区上原2-2-17
☎03・6407・4233
特別養護老人ホーム・ショートステイ・デイサービス
https://www.shoukichi.org/morinokaze/

「おむつゼロ」の文言に惹かれて現施設に転職。

東京都渋谷区にある「杜の風・上原」は、在宅での生活が困難な要介護状態の高齢者が入居できる特別養護老人ホーム。4フロアに80名ほどの入居者が生活しており、その1フロアで働く職員をまとめるリーダーとして活躍しているのが大竹ひかりさん。現在、200名ほどの入居待ちの方がいるほど人気の施設で、その理由が自立支援に重点を置いているからだそう。

「自立支援とは、利用者さんの自立性を向上することを目的に、専門的な立場で支援すること。具体的には、栄養、水分、運動、排泄の4つの要素に焦点をあててケアしており、現在も入居者全員がおむつをしていません。これは本当に画期的なことで、私がこの施設に転職を決めたのもここの求人案内に『おむつゼロ』という文言を目にしたからでした。それまでずっと同じ職場で働いていて、おむつを交換する業務を当たり前のようにこなしていたので衝撃を受けました。ちょうどその頃やりがいを見失いかけていて、介護職以外の職を探すつもりでハローワークに行った時にその求人を見て、目標が明確にあるこの施設で純粋に働いてみたいと思い転職しました」

「杜の風・上原」の入居者は、それまでおむつを着用していた人も、入居初日にその必要性の有無の判断から始まる。そして本人や家族と相談して、普通のトイレで排泄できるように支援していく。

「おむつに排泄するのは、人間の尊厳にかかわる行為。おむつに頼らずとも日中に水分をしっかり補給し、栄養面や運動面のケアも行うことでトイレで排泄が可能。また自立支援の一環として、歩行訓練を定期的に行っています。利用者さんの自立性が増すと、自分でできることが増えて自分らしい生活ができるようになるだけでなく、私たちが介護をする時間も減り、その分コミュニケーションの機会が増え、お互いWin-Winの関係を築けます。人生経験が豊富な入居者の方から貴重な話を聞く機会が増えて毎日楽しいし、やりがいを感じながら日々働くことができています」

自立支援ケアのひとつである水分補給を行うために、スプーンを使って介助する大竹さん。

ライフステージに応じた多様な働き方を目指す。

現在、大竹さんはフロアリーダーとしてマネジメント業務も行っている。入居者のケアと同時に、リーダーとしてスタッフたちが働きやすい環境を整えている。

「職員が笑顔になれるフロア環境について考えながら、密にコミュニケーションをとり、みんながストレスなく働けるように心がけています。一度はやめかけた介護職ですが、今は一生の仕事にしたい。介護に関わる仕事には、介護福祉士だけでなく、ケアマネジャーや生活相談員など、様々な仕事があります。また資格を取得すると専門性の幅が広がり、働ける場所も増えるのでキャリアの選択肢もグッと広がります。この先、結婚や出産、育児などライフステージが変わった時に、選択肢が多ければ多いほど年齢にかかわらず自分らしく働いていける。そういう意味でも介護職は天職ですね」

体の動きの改善を支援するため、車椅子の利用者さんも定期的に歩行訓練を促す。毎日「ありがとう」をたくさん言ってもらえるのも仕事の醍醐味だとか!
スタッフが柔軟に快適に働けるよう、積極的に情報交換

本プロジェクトは厚生労働省補助事業 令和5年度介護のしごと魅力発信等事業(情報発信事業)として実施しています。(実施主体:マガジンハウス)


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Working File1「専門学校の仲良し同級生が介護の現場で個性を発揮中。」は、こちらから!

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