やめたら劇的に使いやすくなった! 注文住宅を2軒建てた女性が痛感した「キッチンの反省&大正解」

文・小田原みみ — 2023.7.22 — Page 1/2
夢のマイホームを2回、しかもどちらとも注文住宅で購入した栄養士の冨永望さん。ごく普通の家庭だという冨永さんは、子どもの教育のために2回目の注文住宅購入を決意したのですが、1回目の家づくりの反省点を改善したかったという理由もありました。体験に基づく家づくりのヒントを教えてもらいます。第2回目は「勝手口の有無」についてです。

2回目のマイホームを建てたきっかけ

「マイホームを2回も買うとは思いませんでした」と話す栄養士の冨永望さんは、夫、冨永さん、子ども2人(1回目の自宅を建てたのは上のお子さんが0歳の時)という家族構成です。2度目の住宅を購入した理由は、子どもが進学する予定だった小学校。1回目の住宅購入で住んでいたところが予想以上に過疎化が急激に進み、児童数が少なくなった(1学年10名未満)ことがネックになったそうです。

冨永さん マイホームは一生に1度の買い物だと思っていたので、家の細部に至るまであらゆることにこだわり、ベストな選択をしました。もちろん、子どもの学区についてもあらかじめ調べたうえで土地を購入しました。しかし、諸々の事情から、住み続けるか、引っ越しするかを夫婦で1年以上じっくりと話し合い、意を決して引っ越しすることに決めました。

2度目の家では前回の注文住宅で感じていた失敗点を改善したい、と考えるのは当然のこと。
2回もマイホームを建てた冨永さんに、1回目の反省点と、新居の改善点を教えてもらいました。今回は勝手口についてです。

2回目のマイホームは勝手口をなくしました

冨永さん 1回目の家は庭が広かったこともあり、元々の設計に勝手口がついていたので、そのまま進めました。勝手口があるとわざわざ玄関に回らなくても庭に出ることができ、また光が入るので、キッチンが明るくなるという点は非常に良かったです。ただ、住んでみて感じたのは光だけでなく熱も入ってくるので、夏はその分暑かったり、キッチンの床が日に焼けたのはデメリットでした。あとは何と言っても掃除の手間が増えること。勝手口の網戸にホコリや虫がすごくたまり(田舎あるあるでしょうか)、ずぼらな私はその掃除が本当に嫌で嫌で…。


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ということで、2回目の家は勝手口をなくしたかわりに、パントリーをつけました。1回目の家を建てる時は正直それほど荷物が増えるとは思っていなかったので、パントリーの必要性を全く感じていませんでした。

お金はかかったけど、大正解だったパントリー

冨永さん 勝手口とパントリー、パントリーのほうが設置コストがかかります。しかし、それでもパントリーにして大正解でした!
我が家のパントリーは1畳ほどのウォークインタイプで、左右、中央に可動式の棚を4段ずつ入れて、幅や高さは友人の家のパントリーを参考にしました。何をどのように置くかということが決まっていなかったので、可動式の棚にしたのですが、強度としては固定式のほうが強いので、ばっちりレイアウトが決まっているという方は固定式のほうがオススメかもしれません。

パントリーには食材はもちろんのこと、ラップやビニール袋等のストック、子どもの水筒、調理家電、土鍋等たまに使う鍋や、今まで家中のあちこちに置かれていた小物類(薬、文房具のストック等)を入れています。こまごましたものが1か所に集約され、家がかなりスッキリしたように感じます。また、前回の家ではホットプレートやホームベーカリーを和室に保管していたので、使うたびにわざわざ取りに行っていたものがすぐに取り出せるようになり、家事動線が楽になりました。

また、災害備蓄品もパントリーで保管しています。以前は、生鮮食品以外もなるべく在庫を持ちたくないという考えで、買い物は1週間に1回必要な分しか購入していませんでした。しかし、近年自然災害が増え、水やレトルトカレー等非常食の必要性を強く感じるようになり、備蓄しています。


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当初は不要だと思っていたパントリーですが、今では土地にもう少し余裕があれば広くしたいくらい欠かせないものになっています。もし今から家を建てるなら、パントリーの内部が見えないように入り口に開き戸を設置したいです。参考にした友人宅のパントリーは小窓があって光が入り、空気の入れ替えができるのがいいなと思いました。ただ、私は窓の掃除が面倒なのでそこはあえて外しました。

家は一生に1回の買い物と言われますが、2回家を建てて改めて、私にはスムーズな家事動線や掃除のしやすさが重要で、そこが改善されると劇的に暮らしやすくなることがわかりました。