『犯罪都市 THE ROUNDUP』マ・ドンソク インタビュー! 「実は、もう第10弾くらいまでのストーリーも考えてあるんです」

取材、文・西森路代 — 2022.11.3 — Page 1/2
日本でも「マブリー」の愛称で親しまれ愛されている韓国俳優マ・ドンソクさん。彼が主演・プロデュースを手がけ、韓国で大ヒットを記録した『犯罪都市 THE ROUNDUP』が、いよいよ日本公開される。今後の活躍に期待が集まるマ・ドンソクさんに、オンラインでインタビューを行った。

愛されるシリーズになると信じて脚本を温めた、ライフワークとなる作品。


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――今回の『犯罪都市 THE ROUNDUP』、前作からパワーアップした部分、さらに魅力が増した部分などを教えてください。

今回アップグレードしたところは、やっぱりアクションの部分ですね。痛快な印象もさらに強くなっていて、 ストーリーの部分でももちろんパワーアップしています。実際に起こる犯罪は、きっとこういうものなんだろうということを、目の前で起こっているかのようにリアルに感じられる映像になっていると思います。そして、ユーモアの面も以前に比べてパワーアップしていると思いますね。

――確かに、くすっと笑える場面もたくさんありましたね。マ・ドンソクさんが演じられたマ・ソクトというキャラクターについても教えてください。前作に引き続き、また今作で特に表現したかった性格、特徴、チャームポイントなどはありますか?

マ・ソクトというキャラクターは、実際に私が親しくさせてもらっている刑事さんがいるんですが、その刑事さんの人物像と私自身をミックスして作り上げたキャラクターなんです。マ・ソクトの特徴としては、やっぱりユーモラスな人物だというところです。そんなユーモラスな人物が、激しいアクションを繰り広げる、その両面があるということが重要なので、その点に常に重点を置きながらシナリオも作りましたし、撮影もしました。

また、今回は続編となりますので、マ・ソクトの周りのお馴染みの登場人物も続投しています。そんな中で、巻き起こる事件も違ってきますので、状況に応じてキャラクターの違う一面が見られるところも魅力なのではないでしょうか。

――マ・ソクトは、型破りで、時に強引な手段に出てしまうほど正義感の強い役柄ですが、マ・ドンソクさん御自身と重なる部分、共感する部分はありますか?

実は私は子どもの頃から警察官になるのが夢だったんですね。だから劇中に出てくるマ・ソクトの姿や言葉に非常に共感を覚えています。 刑事の役ですので、常に弱い人々を守らなければいけないという気持ちを基本的に持って演じていますし、そんなキャラクターだと考えています。


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――普段、役作り、撮影までの準備は、どのようなことをされているのでしょうか? 何かルーティンとして行なっていらっしゃることがありましたら、教えてください。

常にやっていることといえば、シナリオを作るための研究、そして体作りですね。こどもの頃からボクシングをしてきたんですけど、今もボクシングジムに通ってスパーリングして、いつ撮影があってもいいように体作りはしています。休日には、ウェイトトレーニングもやっていますね。

シナリオ作りに関しては、韓国映画だけでなく、ハリウッド映画でも企画や脚本を考えていて、今も何本か準備を進めています。だから、家にいるときは、常になにかしらの脚本を書いたりしているし、映画を観たりしながら過ごしています。

――今回、背負い投げや強烈なパンチなどのアクションが爽快でした。アクションについては、どのようなことに気をつけながら撮影していますか?

映画のアクションで大切なことはやはり相手に怪我をさせないこと。その上で、パワフルな動きを見せることだと思います。例えば相手の腹部を殴るアクションがあったとして、やっぱり見ている人が、「これは偽物だな」と思うようなアクションはしたくないんですね。

だから、できる限り、本当に殴っているような、リアルなアクションに見えるように撮影を工夫しています。そういうときには、事前にボクシングジムでスパーリングをしながら練習し、撮影に臨むようにしています。また、今回の撮影では柔道の技も使いましたし、UFC(アルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)の選手の方から、いろんな技を教えてもらい、その技を作品でも生かしました。


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――マ・ドンソクさんは、日本でも「マブリー」という愛称が広まりとても愛されていますが、ご自身のチャームポイントはどんなところにあると感じていますか?

逆に私の方が聞きたいんですよ(笑)。 皆さんが私についてどんな点が魅力だと思ってくださっているのか、すごく気になっていました。私自身は、きっと、皆さん親しみを持ってくれているのかな、近所のお兄さんみたいな感じに思ってくださっているのかなと想像してます。

――確かに、親しみは持っていますが、近所にマ・ドンソクさんみたいな正義感があってなおかつ最強のお兄さんはなかなかいないですね(笑)。でも、だからこそ、映画を観たくなるのだと思います。このシリーズで、マ・ドンソクさんは製作としても関わられていて、ある意味ライフワークのようなシリーズになっているのかなと思うのですが、プロデューサーの立場からの本作への思い入れについてお聞かせください。

私はこの『犯罪都市』という作品をシリーズ化したいと思って、企画を立ち上げたんです。でも、最初の段階では、大勢の方に「これは映画になるのだろうか?」「しかもシリーズ化されるような作品になるのだろうか?」と言われて、誰も今のような状態になることを信じてくれなかったんです。

でも、私は必ず、愛されるシリーズになると思って、刑事さんに会って実際の事件について話を聞かせてもらい、それを元に脚本を書いていきました。その脚本を監督に送り、監督に手を加えてもらって、また私が手を加えてということを繰り返して、脚本を完成させました。


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――『犯罪都市』は、最初の作品が2017年に韓国で公開され、パート2である『犯罪都市 THE ROUNDUP』は今年公開。現在は第三弾が、青木崇高さんが参加されて撮影もされており、それとは別に日本版の制作も進められていますよね。このシリーズは今後、どうなっていくんでしょうか?

実は、もう第8弾、第9弾、第10弾くらいまでの事件やストーリーも考えてあるんです。さきほどお話したように、スタート地点では、本当にこの作品を世に出すことができるのだろうか、皆さんに気に入ってもらえるのだろうかという不安が私自身にもありました。でも、幸いにして一作目も二作目もたくさんの皆さんに見てもらうことができましたので、仰るように、一生をかけた私のライフワークになりそうだと思います。

本当に、皆さんが映画を観てくれて、愛してくださったおかげでシリーズ化できたので、俳優としても、プロデューサーとしても感謝に尽きます。個人的には退屈が嫌いなので、前作と似た印象のものにならないように、そして観てくださる方が飽きないように、常に新しいものを作れるように努力していくつもりです。大勢の方に長くこのシリーズを楽しんでもらいたいです。


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Information

『犯罪都市 THE ROUNDUP』
TOHOシネマズ 日比谷ほかにて全国公開中
監督:イ・サンヨン
プロデューサー:ユ・ヨンチェ
脚本:キム・ミンソン 
脚色:イ・サンヨン/イ・ヨンジョン/マ・ドンソク
主演・プロデュース:マ・ドンソク
出演・ソン・ソック/チェ・グィファ/パク・ジファン/ホ・ドンウォン/ハジュン/チョン・ジェグァン
原題:犯罪都市2/2022年/韓国映画
配給:HIAN
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