“憧れの先輩”と再会し… 不倫で取り戻そうとした「かつての過ち」とは【昼顔妻の告白 前編】

文・塚田牧夫 — 2021.9.8
人生には、いくつもの分岐点が存在します。一方の道を選択し、それがさらに枝分かれを繰り返して今の自分に行きつくわけです。なかには、“あのときもう一方を選んでいれば……”と後悔することもあるはず。今回お話を伺った真澄さん(仮名・35歳)は、かつて犯した過ちを取り返そうとしたところ、あろうことか不倫に走ってしまったそう。そこで、真澄さんに過去の過ちや不倫に至った経緯を聞きました。

不倫に走ったキッカケは?

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「ある日、友だちと待ち合わせをしていたんですが、“遅れる”という連絡が入ったため、近くにあるカフェに入りました。席に着いてしばらくすると、ある視線に気づいたんです。視線を感じる方向を見てみると、別のテーブルにいる1人の男性がこちらを見ていたことに気づきました。

その男性を見て、私はハッとしたんです。なぜなら、その男性は大学時代に憧れていた先輩に似ていたから。当時の先輩はサッカー部で、日に焼けた肌に爽やかな笑顔が印象的でしたが、そのときの彼はスーツを着ていてだいぶ落ち着いた装いをしていました。

彼は席を立ち、私に近づいてきて“久しぶり”と言ったんです。彼は紛れもなく大学時代に私が憧れていた北見先輩(仮名・36歳)でした。彼とは大学卒業以来、10年以上ぶりの再会でしたね」

大学時代の先輩との関係は?

「北見先輩は大学時代にサッカー部で活躍していて女性人気が高かったんです。そんな先輩に“試合を観に来て欲しい”と誘われて、もちろんふたつ返事でOKしたんです。

ところが、同じ日に私は別の男性からも食事に誘われてしまいました。彼は医者の息子で、学生なのに高級車を乗り回していましたね。

そこで考えたんです。先輩の試合を観に行っても、私はその他大勢の女性のなかのひとり。でも、彼と出かければ、ドライブもできておいしい食事もできる。そんな打算的な考えから、先輩には“体調が悪い”と嘘をつき、試合観戦を断ってしまいました。

そのままドライブデートをした彼と付き合うことになるのですが、しばらくして先輩の友人から驚きの事実を知らされました。」

先輩の友人から知らされた驚きの真実とは?

「なんと先輩は試合後に私に声をかけて、告白するつもりだったらしいんです。でも、私が行かなかったことで、その機会がなくなってしまった……。

結局、当時付き合っていた彼とは1年後に別れました。ただ、時間は戻りません。だからあのサッカーの試合の日のことを、私はずっと後悔していました。そういったことがあっての先輩との再会ですから、気持ちも昂りますよね。

先輩はカフェの近くにある車の販売店でディーラーをしているとのことでした。そして、結婚していたものの、今は別れてバツイチ。モテる人なので、いろいろあったんだろうなと思いました」

どのような不倫関係を続けた?

「私の夫は、休日になるとゴルフにサーフィンと趣味に忙しい人でした。昔は一緒に海に行ったりしていましたが、今はもう別々。でも、仲が悪いわけではなかったんですよ。

だから休日はいつも自由に過ごしていました。そして、再会後は休日に先輩と会うようになったんです。ただ、男女の関係にはすぐにはなりませんでした。もちろん夫がいたことも関係していたんですが、自分の昔のキラキラした思い出を汚したくないという気持ちが強かったんです。

会って食事をして、さよなら。先輩がその先を求めてきそうなシーンもあったんですが、さり気なくかわしていました。まるで後悔した過去を取り戻すような、淡い恋愛をしていました。最初のころは……ですが」


真澄さんを待ち受けていた“不倫の結末”とは…!? 後編に続きます。

“かつての過ちを取り返そうとして不倫に走ってしまった女性の告白”を紹介しました。

誰しも人生のなかで、1つや2つ後悔していることがあるはず。でも、真澄さんの場合、その後悔した思いを取り返そうとして無理をした結果、進むべき方向を見失い、やがて道を踏み外すことになってしまったそうです。

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