お腹を触ると冷たいのは…! 老け見えもしない「腸活」簡単習慣まとめ
「腸活」って一体なに?
腸活をすることで得られるメリットを理化学研究所特別招聘研究員の辨野義己さん、「おおたけ消化器内科クリニック」院長の大竹真一郎さん、腸セラピストの真野わかさんに教えてもらいました。
免疫力が高まり、アレルギーや風邪をブロック!
基本の消化・吸収機能のほか、食べ物とともに入った病原菌を便として体外に排出することも、腸の大きなミッション。
辨野義己さん 人の体の免疫システムの7割近くは腸に集中しているといわれています。例えば病原体をのみ込んで分解する“マクロファージ”や、感染した細胞ごと病原体を破壊する“NK(ナチュラルキラー)細胞”など…腸には多くの免疫細胞が。腸内細菌そのものも、免疫細胞の活性化や様々なアレルギー性疾患と関係していることがわかっています。
短鎖脂肪酸を産生して、ストレスに強くなる!
強いストレスを受けたり、不安を感じた瞬間、胃腸にギュルギュルと痛みが…という経験がある人は少なくないはず。
大竹真一郎さん ストレスを感じると、腸管運動が異常を起こしたり、腸内で悪玉菌が増加。そしてさらにストレスを感じやすく…という負のスパイラルに陥ってしまいます。この連鎖を断ち切るためには、腸内環境の改善が有効。腸内細菌が作る“短鎖脂肪酸”という物質もメンタルと深く関係しており、抗うつ作用があることが判明しています。
皮膚機能がUP。肌荒れが起こりにくく!
高価な化粧品で地道にスキンケアをしているのに肌荒れがなかなか治らない…そんなときは腸内環境の悪さが原因かも。
真野わかさん 腸の周りをもんだり動かしたりすることで、老廃物は溜まりにくくなります。そうすることで肌ツヤが良くなるうえ、お腹がポカポカと温まり、肌の血色も良くなりますよ。
辨野義己さん 理化学研究所特別招聘研究員。47年にわたって腸内細菌を研究し続ける“うんち博士”。著書に『大便革命 腐敗から発酵へ』(幻冬舎新書)などがある。
大竹真一郎さん 「おおたけ消化器内科クリニック」院長。胃・大腸を中心に通算約2万5000人を診察する。著書に『腸の「吸収と排出」が健康の10割』(ワニブックス)など。
真野わかさん 腸セラピスト、一般社団法人養腸Brew理事、日本養腸セラピー協会会長。施術の提供のほか、スクール講師、腸マッサージの講演を通して“養腸”の普及に努める。
「プロによる腸活についての解説」をさらに詳しく読む
※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・鈴木衣津子(by anan編集部)
※ 2020.7.15配信
あなたの腸は大丈夫? 腸内環境の乱れをチェック!
女性の美と健康を司る、腸内環境。まずは自分の腸タイプをチェックしましょう! 「おおたけ消化器内科クリニック」院長・大竹真一郎さんにポイントを教えてもらいました。
大竹真一郎さん 腸機能が低下する原因は、筋力不足、脳の緊張、ダイエットによる偏食などが考えられます。腸が正常に働いているかの一つの指標となるのが、便秘。日本消化器病学会では、“すっきり毎日便が出ているかどうか”を、便秘の判断基準としています。
下がり腸
臓器を支えられなくなった横行結腸がだらりと下がる。
【CHECK】
- 食事をすると下腹部が出る
- 運動をする習慣がない
- 猫背姿勢になりがち
症状と原因
長時間の座りっぱなしと筋力不足で下がり腸に。
加齢や筋力低下によって胃などの臓器を支えられなくなり、横行結腸が下がった状態。上行結腸と下行結腸の上部の角度が90度よりもきつくなり、ここに便が溜まりやすくなる。便秘だけでなく、ぽっこりお腹の原因にも。
ワンポイントアドバイス
筋トレとマッサージで臓器を本来の位置へ戻す。
デスクワークで猫背の状態が続くとお腹の筋肉が使われず、下がり腸の原因に。長時間座り続けるときは意識的に姿勢を正し、腸腰筋を鍛えること。または大腸の流れに沿って、右下腹部から持ち上げるマッサージも効果的。
冷え腸
お腹まわりの冷えにより腸の動きが鈍くなる。
【CHECK】
- お腹を触ると冷たい
- 呼吸が浅いと感じる
- お腹を下しやすい
症状と原因
夏でも油断禁物! 冷房や服装が冷えの原因に。
冷房や服装、運動不足による血行不良が慢性化すると、腸そのものが冷えて動きが悪くなる原因に。お腹を触ってひんやり冷たく感じたら、腸が冷えている可能性大。便秘だけでなく、胃腸トラブルも発生しやすい。
ワンポイントアドバイス
冷えを根本から改善するにはお腹まわりを刺激する筋トレを。
生姜入りの温かいものを飲んだり、腹巻きで外から温めたりといったことも一時的には効果があるけれど、これらはあくまで応急処置。冷えの原因の一つは筋力不足なので、スクワット、腹筋といった運動で根本から改善を。
※『anan』2020年7月22日号より。イラスト・鈴木衣津子 取材、文・黒澤祐美(by anan編集部)
※ 2020.7.16配信
腸のために毎日したいこと
ヨガトレーナー、そして管理栄養士として腸内環境改善法に詳しい岡清華さんに腸のために毎日したい基本のケアを教えてもらいました。
岡清華さん まずはヨガの基本でもある深い呼吸が重要です。それにより副交感神経が優位になり、腸の働きが促されるのはもちろん、横隔膜を大きく動かすことで、腸へのほどよい刺激につながります。また、自律神経の通り道である背骨にも要注目。腸の活性化には、背骨を動かすことも効果をもたらします。
腸のスイッチをオン!
朝の呼吸【10~20回】
一日の始まりに、肺を大きく広げて深い呼吸を形状記憶。全身に酸素を届けて、目覚めもシャキッと。
床に座り、肋骨に手をあてる。目をつぶって鼻から大きく息を吸い、肋骨が広がるのを感じたら、「ふっ、ふっ」と10~20回に分けて鼻から強く息を吐く。
「腸のために毎日したいこと」をさらに詳しく読む※『anan』2020年7月22日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 取材、文・保手濱奈美(by anan編集部)
※ 2020.7.17配信
まずは自分の腸を知ろう
腸活とは、まず自分の腸の状態を知ることがスタートではないでしょうか。身体が喜ぶだけでなく、美肌にもつながる腸活。毎日の習慣にしたいですね。