英語で「シャーペン」は通じない…!? 日本人が間違えやすい「和製英語」文具編
シャープペンシル
2000年代に入り、「ドクターグリップ」や「クルトガ」など進化を遂げてきたシャープペンシルですが、実は英語ではありません。
正しくは“mechanical pencil(メカニカル ペンシル)”です。
日本では、後に大手電機機器メーカーの「SHARP」となる「早川兄弟商会金属文具製作所」が開発し、「シャープペンシル」と名付て売り出したことから、今日でもそのように呼ばれています。なお、「SHARP」の社名はこの「シャープペンシル」に由来しています。
ちなみに、海外の学校ではボールペンが主流の筆記具。間違えた時はダイナミックに横線をぐちゃぐちゃに引いて修正します。もっと日本のシャーペンのよさが伝わってほしいですね!
例文)“His hobby is to collect a mechanical pencil. (ヒズ ホビィ イズ トゥ コレクタ メカニカル ペンシル)”(彼の趣味はシャーペンを集めることだ。)
ホッチキス
国語辞典に載っているほどの大衆的な言葉で、私自身も海外でうっかり言ってしまったことがあるのですが、残念ながら通じません。
正しくは“stapler(ステイプラー)”です。日本では、今から約100年以上前に「E.H.Hotchkiss社」の「Hotchkiss No.1(ホッチキスナンバーワン)」が輸入されて広まったことから、「ホッチキス」と呼ばれるようになりました。
例文)“Could you lend me your stapler? (クッジュ レン ミー ユア ステイプラー?)”(あなたのホッチキス貸してもらっていいですか?)
ブックカバー
今日売っている本にはすでにブックカバーが付いているのに、なぜさらにカバーを付ける? という論争はさておき、「ブックカバー」も残念ながら正確には正しい英語ではありません。
正しくは、“book jacket(ブックジャケッ)”またはほこりから守るという意味で“dust jacket(ダスト ジャケッ)” といいます。本がジャケットを羽織っているみたいで、ちょっとおしゃれな表現ですね。
例文)“There’s a coffee stain on the book jacket!(ゼアザ カフィー ステインノン ザ ブック ジャケッ)”(ブックカバーにコーヒーのシミが付いているじゃないか!)
いかがだったでしょうか?
今回紹介した例の他にも「ウォシュレット」「バンドエイド」のように、商品名がそのまま一般化して、あたかも元々から存在した英語のように使われている例はたくさんあります。
私は、英語の即答力を上げる訓練として、自分の身の回りにある見えるものをすぐに英語で言うトレーニングをレッスンの中に組み込んでいますが、特に「早めに間違えて、すぐに修正すること」が非常に大事です。
この機会に、身の回りのものを英語で表現してみましょう。意外と和製英語が多いはずなので、見つけ次第修正して、正しい英語を覚えておきましょう!
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