缶コーヒー、カップ麺、コンビニランチ…男女とも「更年期の不調を起こしやすい人」の特徴と対策
女性も男性も注意したい更年期のNG習慣とは
【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 283
40代以降、女性も男性もホルモンバランスの変化に伴い、不調が表面化することがあります。誰もが避けて通ることのできない問題ですが、年単位で長期的に感じる不調に悩まされる人は男女ともに多いです。近年では、男性に起こる更年期障害の認知拡大のために、企業や自治体などが休暇取得制度や専門家による相談窓口の開設、社内報での情報発信など、様々な支援を取り入れることも増えてきました。
男女ともに不安感やイライラ、うつ症状、集中力の低下、睡眠の質の低下などの心の不調、太りやすくなる、疲労感、頻尿、異常な発汗、ほてり、めまい、頭痛、耳鳴りなどの体の不調を感じることがあります。つらい更年期の予防になること、少しでも和らぐようなことがあるのであれば、実践したいと考える人は多いと思います。そこで、今週は、ゆらぎ世代に向けて更年期障害の対策となる食薬習慣を紹介していきます。
今週は、ゆらぎ世代に向けて更年期障害の対策となる食薬習慣
夏の疲れかなと思いきや、突然息苦しくなったり、異常に汗がでたり、疲れやすくなったりする様々な不調が見え隠れして、仕事にも支障がでるような更年期の不調を感じる方もいらっしゃるかもしれません。更年期障害は、人に言いにくかったり、認めたくなかったりしがちですが、長期化するかもしれない不調です。自分の心と体に対する向き合い方がわからなくなり、さらにストレスを大きくしてしまうこともあります。
更年期には女性の場合、卵巣機能の低下とともにエストロゲンの分泌が減少することで、男性の場合、テストステロンの分泌が低下することで、それぞれの症状が現れてきます。漢方は、更年期障害の症状を和らげることを得意としていますが、更年期の不調は『腎』の働きが急激に低下している状況に、過度のストレスによって『肝』が弱ったり、食事が適当になったり、過労により『脾』が弱ったりすることが重なることで、より症状が悪化します。
そこで今週は、『腎』を強化しつつ『肝脾』を整える食薬がおすすめです。今週食べるとよい食薬は、【牡蠣と長芋の包み蒸し】です。
そして逆にNG習慣は、【コンビニランチ】習慣です。
食薬ごはん【牡蠣と長芋の包み蒸し】
亜鉛が豊富な牡蠣とジオスゲニンが豊富な長芋が、この時期乱れがちなホルモンバランスを整える『腎』を強化する食材です。また、牡蠣は『肝血』を補い、長芋は『脾気』を補ってくれます。
<材料>
牡蠣 100g
長いも 5センチ(スライス)
ネギ・七味 お好みで
味噌・酒・みりん・すりゴマ 各大さじ1
<作り方>
クッキングシートに長いもを並べ、牡蠣をのせ、合わせ調味料をかけ、七味とネギをたっぷりかけて包む。フライパンに水を150㏄程度入れ沸騰したら、先ほど包んだものをフライパンにのせ、10分くらい蒸したら完成。
NG行動【コンビニランチ】
コンビニでは、ゆらぎ世代にとって支えになるものと症状を悪化させてしまうものが共存しています。体調不良を抱えながら、悪化させてしまう食材を選んではいないでしょうか? 1回の食事で摂れる栄養を自分の心と体にプラスにしていきたいですよね。
もし、コンビニに行くと炭酸飲料、甘いコーヒーやカフェラテ、新作スイーツ、菓子パン、総菜パン、パスタ、カップ麺などの血糖値が急激に上がりそうな食材を選んでいたら注意です。更年期の症状を軽く過ごすためには、血糖コントロールは欠かせないものだからです。酢の物や海藻サラダ、豚汁、アオサの味噌汁、鮭などたんぱく質の入ったおにぎり、シシャモなど焼き魚、納豆、豆腐、もち麦ご飯などを選択し、血糖値の安定や栄養が不足しないことなどを意識してみましょう。
40代をすぎ、多少の不調は年だから仕方ないと考えるのではなく、今足りていない栄養は何か? 食べ過ぎてしまっている余分なものは何か? と考え、心と体を作る食事を見直すこととともに睡眠時間やリラックスする時間の確保なども同時に行っていきましょう。
健康でい続けることは、とても難しく、習慣や環境が大きく関係することなので、自ら変化できる良い行動はどんどん取り入れていきたいですね。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)や新刊『だる抜け ズボラ腎活(ワニブックス)』でも紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。
※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。
近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。
ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。
Information
<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
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