緊張するとお腹が痛くなりトイレへ…“過敏性腸症候群”チェックリスト
こんなお悩み、過敏性腸症候群=IBS(Irritable Bowel Syndrome)かも?
胃腸絡みの不調があるのに、検査をしても器質的な異常がない。下のチェックリストに当てはまる項目があった人は過敏性腸症候群の可能性が?
□通学・通勤時にお腹が痛くなり、途中下車してトイレへ駆け込む。
□試験や会議の前など緊張する場面でお腹が痛くなり、トイレへ駆け込む。
□静かな空間でお腹にガスが溜まり、おならを我慢する。
□大事な用事のある日はかなりの確率でお腹が痛くなる。
□朝、自宅でトイレに行ったにもかかわらず、学校や会社に着くと腹痛・便意をもよおす。
対症療法を行いながら、ストレスを取り除こう。
大事な会議のタイミングに限って毎回お腹が痛くなる。あるいは、ストレスを感じるとトイレに行きたくなる。腹痛やお腹の違和感といった症状はトイレに行って排便すると軽快するけれど、同じような状況がしょっちゅう訪れて、3か月以上継続中。にもかかわらず、胃や腸に炎症や腫瘍などの器質的異常はない。過敏性腸症候群とは、そんな病気だ。
「この病気の人は、日常生活の中でストレスがあると腹痛や下痢などお腹の症状を感じます。いったんそれに注意が向くと、何とかしようとして、逆に感覚が強くなるという心の悪循環の結果、日常生活の質が下がってしまうのです」
と言うのは、この病気を長く診療している医師の伊藤克人先生。症状は下痢だけでなく、軟便や便秘、またおならがよく出るガス症状なども見られるそう。
「病院に行く場合、まずは内科か消化器内科で診察し、対症療法を受けてから、それでも改善しない場合、内科系の心療内科に相談してください。どんな症状がどんなときに出るのか、またそれによって何に困っているのかなど、気になったことを日々日記につけておき、それを持って受診すると、症状の原因を探るヒントになります。ストレスや生活習慣に原因がある場合は、その対処法を考えますが、ストレスに対する心の態度、受け止め方が逆にストレスを大きくしているような場合には、心理療法を行うこともあります」
伊藤先生によると、世界的に見ても若い世代、そして女性に多い症状なのだとか。
「真面目な人ほどかかりやすい疾患といっても過言ではありません。自分だけで悩みと闘わず、病院へ行って医師に相談をすることが、症状改善の一番の近道です」
いとう・かつひと 東急病院心療内科、HDCアトラスクリニック、労働衛生コンサルタント。専門は心身医学、森田療法。主な著書に『いちばんわかりやすい過敏性腸症候群』(河出書房新社)など。
※『anan』2024年7月31日号より。イラスト・カメダ
(by anan編集部)