新大関・琴ノ若は下駄で小学校に通っていた!? 大相撲三月場所の注目力士

2024.3.11
今まさに開催中の大相撲三月場所。いちばんの注目はなんといっても新大関・琴ノ若! 琴ノ若といえば、父は元関脇・琴ノ若、祖父は元横綱・琴櫻のサラブレッド。生家が相撲部屋のため、2歳のときからまわしをつけ、下駄で小学校に通っていたそう。大関昇進を機に祖父の四股名「琴櫻」を襲名する予定だったけど、今場所だけ、父が成し得なかった「大関・琴ノ若」を叶えるために1場所名前を変えずに土俵に上がることに。優勝すれば、大関・琴ノ若の最初で最後の優勝ということになる。

新大関誕生でさらに盛り上がる大阪場所。優勝の行方は!?

琴ノ若の昇進によって、大関陣が霧島、豊昇龍、貴景勝、琴ノ若の4人になり、1横綱、4大関に。三役陣の注目は、再び関脇に上がった若元春。先場所は横綱、大関を破って10勝を挙げただけに、今場所も活躍が期待される。毎場所注目の小結・阿炎(あび)との親友対決も楽しみだ。

さらに要チェックなのは、先場所、新入幕で11勝を挙げ敢闘賞を受賞した大の里。活躍のあまり、新入幕力士として10年ぶりに横綱との対戦が組まれたことでも話題になった。出世のスピードに髪が伸びるのが追いつかず、現在、幕内で唯一ザンバラ姿だ。番付を一気に上げ、西前頭五枚目でとる今場所は、三役以上との取組もかなり組まれる見込みなので、そこでどんな展開の相撲が見られるか注目される。

また、今場所唯一の新入幕は、先場所十両で優勝した尊富士(たけるふじ)。横綱・照ノ富士と同じ伊勢ヶ濱部屋の24歳で、相撲の名門・鳥取城北高校、日本大学相撲部出身だ。初土俵から所要9場所での新入幕は、年6場所制になった1958年以降の初土俵としては幕下付け出しを除き、1位タイのスピード。部屋には関取が多く、稽古が充実していることもあり、今後さらに成長する姿が見られそう。

ほかにも注目力士が勢揃いの今場所。大阪場所は椅子席でも土俵との距離が近く、熱気をすぐそばで感じられるのも魅力だ。TVやネット観戦の人もぜひ推し力士を見つけて!

この力士たちに注目!

20

大関 琴ノ若
腰の重さと冷静な相撲で目指せ横綱!
1997年11月19日生まれ。26歳。千葉県出身。佐渡ヶ嶽部屋。2歳で相撲を始め、祖父の元横綱・琴櫻に相撲の基礎を叩きこまれる。相撲大会で獲得した銀メダルを持ち帰った際、祖父に「最後誰かに負けたんだろ。金じゃなきゃダメだ」と言われたエピソードは有名。

Entame

前頭 五枚目 大の里
ザンバラ髪で上位を倒す! 横綱を期待される23歳。
2000年6月7日生まれ。23歳。石川県出身。二所ノ関部屋。大学時代に獲得した学生横綱、アマチュア横綱などの成績が評価され、昨年五月場所、幕下10 枚目格付け出しで初土俵。抜群の体格や素質から将来の横綱を期待される。目標は「誰からも愛される力士」。

22

関脇 若元春
左四つの相撲が光る大波三兄弟の次男。
1993年10月5日生まれ。30歳。福島県出身。荒汐部屋。祖父も父も元力士で、兄は幕下・若隆元、弟は十両・若隆景という相撲一家。幼少期は稽古熱心ではなかったがセンスが良く、やれば結果が出る天才肌。「欲を出さない」をモットーに淡々と大関を狙う。

大相撲三月場所
日程:開催中~3月24日(日)
会場:エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館)

※『anan』2024年3月20日号より。写真・日本相撲協会 文・古屋美枝

(by anan編集部)