山崎樹範「朗読劇の可能性が広がる気がしている」 父と息子のお弁当ライフを綴ったエッセイが朗読劇に

2024.3.13
映画化を経て、今度は朗読劇となる『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』。原作者の渡辺俊美役を務めるのは山崎樹範さんだ。

朗読劇の可能性が広がる気がして、公演が楽しみです。

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朗読劇について「普通の舞台と比べ、本を手にしたままとか、表情でお芝居を見せられないなどの制約がある」ことから、度々難しさを感じていたそう。

「でも今回は、兼重(淳)さんが劇中で映像を使う演出をしたり、僕らが歌う場面もあって、面白いことになってきたなって。そもそも、朗読劇とはこういうものだと、僕の勝手な決めつけがあったのかもしれないということに気づかされました。別に本を持たなくてもいいし、会話から始まってもいい。もっと自由に捉えることで朗読劇の可能性が広がる気がして、公演が楽しみです」

俊美の人柄や人生観の、核となる部分を見つけて体に落とし込み演じたい、と山崎さん。

「原作を読んだ時、3年間で作った“461個”というお弁当の数にただ驚きました。僕も必要に応じて料理はしますが、レパートリーってそうそう増えるものじゃないのに、ほぼ毎日作り続けていたという卵焼きにもこんなにバリエーションがあるのかって。積み重ねてきたからこその説得力と強さがあると思いました。そのモチベーションの元になるのは息子さんへの愛、そしてタイトルにもある“男の約束”なんですよね」

俊美の息子・登生役に抜擢されたのは、田村海琉さん。

「初対面の時、顔はちっちゃいしめっちゃかっこいいこんな子が僕の息子か…と緊張してつい敬語になっちゃって(笑)。でもそうもしていられないので、まず僕らが親子であるということを納得させるぐらいの関係性を築くことが、今は最優先です」

日頃、舞台稽古には奥様が作るおにぎりを持参していくそう。

「それを見た共演者が、『いいですね!』と言ってくれるんです。その言葉が欲しくて、今回も妻のおにぎりを持っていくと思います(笑)」

朗読劇『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』 3月9日(土)~17日(日) 銀座・博品館劇場 原作/渡辺俊美『461個の弁当は、親父と息子の男の約束。』(マガジンハウス) 脚本・演出・映像監督/兼重淳 出演/山崎樹範、田村海琉ほか 一般8800円 サンライズプロモーション東京 TEL:0570・00・3337(平日12:00~15:00) https://aoi-stage.com/461bento

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原作はシングルファーザーのお弁当ライフを記録したエッセイ。
著者はTOKYO No.1 SOUL SETほか、複数のバンドやソロミュージシャンとして活躍する渡辺俊美さん。息子の「パパの弁当がいい」というひと言から始まったお弁当作りは、高校3年間で461個! 少しずつ上達していく弁当作りの様子を写真付きで紹介し、弁当を通して生まれる父子の交流を綴るなど、愛と涙と笑いに溢れた至極の一冊。マガジンハウス文庫 715円

やまざき・しげのり 1974年2月26日生まれ、東京都出身。劇団カムカムミニキーナ所属の俳優。5月には舞台『女の友情と筋肉 THE MUSICAL -幸せの上腕二頭筋-』に出演予定。

※『anan』2024年3月13日号より。写真・中島慶子 スタイリスト・三宅 剛 ヘア&メイク・伊東真美 取材、文・宮浦彰子 衣装協力・THE JEAN PIERRE VICTIM

(by anan編集部)