官能映画の巨匠が辿り着いたエロスの新境地も! 韓国映画&ドラマの官能作品5選

2024.2.18
触れてもいないのに、ドキドキが止まらない…。画のすみずみから色香を感じるアジアの映像文化。その秘密はどこにあるのか? 韓国映画&ドラマの官能作品をご紹介します。

【韓国】追う、追われる、見る、見られる、相互関係の官能。

韓国映画は性描写が激しい印象があるけれど、近年は官能をテーマにした作品が減少しているそう。

「官能映画の巨匠パク・チャヌク監督も性的シーンを封印した作品に挑むほど、傾向が顕著に。その試みから生まれたのが『別れる決心』ですが、容疑者と刑事の追いつ追われつの執着や相手を見つめる行為がなんとも色っぽく、今まで以上に高度になった関係性で描き出す官能表現はさすがの一言」(ライター・西森路代さん)

愛よりも激しく濃密な、憎しみと殺意を描き切る。
【MOVIE】『名もなき野良犬の輪舞』

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刑務所で出会い絆を育んだ2人の男による、裏切りと復讐を描く韓国ノワールの名作。「性愛シーンはないけれど、男性同士の愛の物語だと監督が明言している作品。それを踏まえて観ると、彼らが迎えた結末の捉え方が変わってくるはず。今までのノワール映画で暗喩的に描かれていた“自らの手で相手の命を奪う”行為の官能性が、意図的に示されていると思います」(西森さん)。Blu‐ray&DVD各¥5,170 発売・販売元:ツイン デジタル配信中
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大人女性の知性とウワテな色香を堪能。
【DRAMA】『ハイエナ ―弁護士たちの生存ゲーム―』

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勝つためには手段を選ばない女性弁護士とエリート弁護士が、法曹界での生き残りを懸けて争うヒューマンドラマ。「女性弁護士役のキム・ヘスは、50歳を過ぎた今も韓国映画界の中心で活躍しているセクシーの権化のような俳優。この作品では普段はインパクトが強く、セクシーとは縁遠そうなキャラですがライバル弁護士から情報を得るために自ら官能スイッチを入れ、虜にしていく。そのギャップに思わず引き込まれます」
Netflixシリーズ『ハイエナ ―弁護士たちの生存ゲーム―』独占配信中

ソン・ソックのただならぬ色気は一見の価値あり。
【DRAMA】『私の解放日誌』

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都会と田舎を往復する毎日に閉塞感を感じている三きょうだいと、彼女らの自宅の離れに住む謎の男の日々を描く。「韓国ドラマにしては珍しい“何も起こらない系”の物語で、謎めいた男を演じるソン・ソックの怪しく“けしからん”色気で見る者を高ぶらせる。末妹と謎の男は、そこはかとない生きづらさを感じていて、次第にシンパシーを感じ近づいていく様子は、官能的なシーンがないのに、いけないものを覗いているような感覚があります」
Netflixシリーズ『私の解放日誌』独占配信中

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Son Suk-ku(ソン・ソック)
得体の知れなさに心惹かれるミステリアスな“けしからん”男。

韓国で人気急上昇中のソン・ソックは、現在41歳の遅咲き。「醸し出す雰囲気が独特で、謎めいた役柄がピッタリ。そうかと思えばマ・ドンソクの『犯罪都市』シリーズでは凶悪なヴィランを演じたことも。日本作品のリメイク版で、彼と似た空気感が魅力の綾野剛さんが演じた役を務めることが多い点も興味深いです」
©Han Myung-Gu/gettyimages

官能映画の巨匠が辿り着いたエロスの新境地。
【MOVIE】『別れる決心』

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夫の殺害を疑われる女と、事件を追う刑事。疑惑の中で惹かれ合う二人を描くサスペンスロマンス。「ずっと官能を描いてきたパク・チャヌク監督が、直接的な描写を用いずに官能性を追求した意欲作。“死”というものを共有している特殊な関係性がどこかセクシーですし、刑事に観察されていた女が途中から刑事を観察するようになり“見る”“見られる”の立場が逆転する点にも監督の意図を感じます」。Blu‐ray¥5,500 DVD¥4,400
発売元:ハピネットファントム・スタジオ 販売元:ハピネット・メディアマーケティング
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過激な性描写の裏にある女性同士の連帯と愛に注目。
【MOVIE】『お嬢さん』

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日本統治下の韓国を舞台に、令嬢とメイド、メイドを操る詐欺師の男が豪邸内で繰り広げる騙し合いを描く。「エロティックな描写が多く、とりわけ印象深いのが家父長制に抑圧されてきた令嬢とメイドが逃避行を実現した末にようやく愛し合うことができたシーン。そこに至るまでの残酷な背景や女性同士の愛といったモチーフを物語としてきちんと昇華できるのは、パク・チャヌク監督の手腕あってこそ」。Blu‐ray 通常版¥5,280
発売・販売元:TCエンタテインメント 提供:ファントム・フィルム
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西森路代さん ライター。韓国を中心としたアジアのエンターテインメントに関するインタビューや批評、コラムの執筆を手掛ける。著書に『韓国ノワール その激情と成熟』(Pヴァイン)などがある。

※『anan』2024年2月21日号より。文・真島絵麻里

(by anan編集部)