朝起きてすぐベッドの中で“反る”だけ! 自律神経の乱れを整える“背骨ケア”

2023.9.13
この時期毎年悩まされるのが、酷暑で溜まりに溜まった様々な疲れと、乗り越えた先に待っている、季節の変わり目由来の負担。そんなゆらぎを払拭すべく! ダイレクトにアプローチできる背骨ケアをルーティンに取り入れ、鉄壁の自律神経を手に入れよう。

季節の変わり目は自律神経の乱れに注意。

「呼吸や排泄、睡眠サポート、体温管理など生命維持に関わるカラダの働きを支配しているのが、交感神経と副交感神経からなる自律神経。双方は連動していて、時間帯、行動、季節や気温などで優位と劣位を交互に繰り返しています」(理学療法士インストラクター・Ayakaさん)

2つの神経は、バランスよく波形を描いて連動しているのが理想。

「起床30分以内に朝日を浴びることで交感神経が働きやすくなり、その反動で副交感神経も正常に働いて波を作り始めます。ただ、スマホの光によって夜でも昼と勘違いするなど、行動次第では簡単にバランスを崩してしまうことも。また、気温の高い夏は交感神経を優位に、気温の低い秋~冬は副交感神経を優位にしてカラダを適応させますが、夏の冷房で体感温度が変わることでメカニズムが崩れ、自律神経を乱すきっかけにもなるため、季節の変わり目は要注意です。背骨の中を通っている自律神経は、背骨ストレッチにより血流を促し、正しく整えましょう」

自律神経の土台作り“背骨ケアルーティン”

“反る”“ねじる”“曲げる”が、基本の3つの動き。それぞれの作用を理解しつつ、背骨ケアを習慣化し、心身ともに健やかなカラダを手に入れましょう。

自律神経の土台作り

1、交感神経優位【反る】
2、リセット【ねじる】
3、副交感神経優位【曲げる】

交感神経は朝や昼など活動的に過ごす時間に優位になり、副交感神経は夜やバスタイム、就寝時などのリラックスしている時に優位に。背骨の中を通っているこの2つの神経は、背骨を動かして刺激し、血流をよくすることでそれぞれの役割をサポートできるため、時間帯に応じて3つの動きを使い分けることが大事。

「背骨を“反る”動きは、交感神経を優位にして活動的なモードになるので、朝昼向けの動き。“ねじる”は、交感神経と副交感神経のどちらにも作用するため、リセットしたい時やニュートラルを保ちたい時に。“曲げる”は、背骨を湾曲させることで副交感神経を優位にするため、夜におすすめです。どれも“イタ気持ちいい”程度の強度で、またすべての呼吸は、鼻から吸って口から吐く腹式呼吸でおこないましょう」

【朝】反る

背骨を反らす動きは、交感神経を優位にさせます。朝起きてすぐにベッドの中でおこなえば、副交感神経が優位の睡眠モードから一転、カラダを目覚めさせ、一日の活動を始めるための準備にもなります。

猫の伸びポーズ

胸椎と頸椎を伸ばし、肩甲骨の下側と首をほぐす。猫背の改善にも。

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1、手を肩幅に広げ、ひざは握り拳1個分あけて四つ這いになる。

2、直角に曲げたひざの上に骨盤があることを確認し、その位置をキープしながら、両手をできるだけ前につく。

3、息を吐きながら、手を伸ばすのと同時に胸を床に近づけて、背骨を反らす。視線は指先に。そのまま自然に呼吸を続けて20秒キープ。これを5回。

コブラのポーズ

胸椎と頸椎を伸ばして反らすことでスイッチON! 活動モードに。

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1、うつ伏せに寝て、両手のひらは広げて胸の横に置く。指先は正面に向ける。

2、息を吸いながら床を手で押して上半身を反らす。

3、さらに余裕があれば、首を伸ばしたまま上に引き上げて反らす。首を反らす時はあごだけを上げずに、首の付け根から反らすこと。そのまま自然に呼吸を続けて、20秒キープする。これを5回。

胸反らしストレッチ

大胸筋をほぐして巻き肩や肩甲骨の開き、猫背を予防&改善!

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1、ひざを立てて床に座り、両手を肩幅に開いて後ろにつく。指先はカラダ側に向ける。ひじは緩めて、リラックスした状態でスタンバイしながら息を吐ききる。

2、息を吸いながらひじを伸ばして、同時に胸を斜め上に突き出す。視線は斜め上に。息を吸いきったら、再び息を吐きながら1の位置に戻してひじを緩める。視線はひざに。これを10回。

Ayakaさん 理学療法士として病院に勤務したのちハワイに留学。ヨガとピラティスのインストラクターの資格を取得。現在はフリーで、姿勢改善・体質改善のレッスンなどをおこなっている。

※『anan』2023年9月20日号より。写真・中島慶子 取材、文・若山あや

(by anan編集部)