実際どれくらい節税できるの? anan世代向け、所得控除の対象項目5つをチェック!

ライフスタイル
2023.05.21
モノを買う時に支払う消費税など、さまざまな場面で登場するのが税金。働く人の税負担を少しでも減らすべく、まずは所得税の節税につながる「所得控除」に注目しよう。

所得控除が増えるほど、納める所得税は減る!

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会社員、フリーランス、どんな立場の人でも働いて得たお金には所得税がかかり、誰もが国に納めるべきもの。

「所得税は、所得に対してかかる税金です。そもそも所得とは、年間収入からその年にかかった必要経費を引いた金額のことを指します。必要経費とは、例えば仕事に必要なスーツや本、文房具などを購入した金額のことで、会社員の場合は『給与所得控除』として予め給与の収入から引かれています。所得税の額を算出する際に、所得から一定の金額を差し引く制度が『所得控除』です。所得税は所得に対してかかる税金なので、所得控除の割合が増えれば必然的に所得が減り、所得税も下がります」(ファイナンシャルプランナー・丸山晴美さん)

所得控除の対象になるのは、年間に支払った生命保険料や地震保険料など15種類。その中からanan世代に関わりそうな5種類を抽出。所得控除を受けるには、基本的には年末調整や確定申告で手続きする必要があるので、所得控除にあたる費用を支払っているのに何もしないのはもったいない!

「とくに会社員の場合、所得税に無自覚な人が多いのでは? 今後も増税が懸念されるなか、節税を学び、取り分をしっかり確保することが大切です」

CHECK1 所得控除とは?

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・1年間に得た収入(会社員は給与収入という)を年間収入(給与収入)という。源泉徴収税として所得税など何も引かれていない状態の金額。

・収入から必要経費を引いた金額が所得。会社員は給与所得控除として予め給与から引かれていて、例えば年収300万円の人は98万円。

・所得から所得控除額を引いた金額に所得税がかかる。税率は所得によって変わり、例えば所得が195万~329万9000円までなら10%で9万7500円を控除。

例えばこんな項目が所得控除に!
<生命保険料控除>

病気やケガでの入院、手術などに備えた生命保険料や介護医療保険料、個人年金保険料などの掛け金のうち、一定の計算式に当てはめた金額が控除の対象に。上限は合計12万円まで。

<医療費控除>

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自分だけでなく、家族も含め、病気やケガによる通院や歯科治療、介護、妊娠、出産にかかった費用が控除される。支払った総額が1年間で10万円を超えた場合など、条件つき。

<地震保険料控除>
支払った地震保険料に応じて、一定の金額の控除が受けられる。年間の金額が5万円以下の場合は全額控除、5万円を超える場合は一律5万円控除。

<寄附金控除>

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災害地域への支援を行っている団体など、特定の団体への寄附金から、基本的に2000円引いた金額が控除される。ふるさと納税も寄附金控除に含まれるが、ふるさと納税は翌年支払うべき住民税を先払いする代わりに、2000円の自己負担で各地の返礼品がもらえるという仕組み。実質、節税にはならないが、単に税金を納めるより、返礼品がもらえてお得ともいえるので、考え方次第。

<小規模企業共済等掛金控除>
代表的なのは、個人型確定拠出年金(iDeCo)で、掛け金が全額控除になる。掛け金の上限は会社員、フリーランスなど立場によって異なるが、全額控除で所得税と住民税の負担が軽減される。

CHECK2 所得控除のやり方は?

会社員の場合…基本的には年末調整時に会社に申告する。

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会社員の場合は年末調整の時に、所得控除に関わる書類(支払金額を証明する書類など)を経理部など担当部署に提出。所得税は「源泉徴収税」として月々の給与から天引きされているが、所得控除で課税所得が減ると、所得税を多く払いすぎていた、ということにもなり得る。その場合は、払いすぎた所得税が12月分の給与にプラスされて戻ってくる。

フリーランスの場合…翌年の決められた期間内に確定申告する。

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確定申告書に必要事項を記入して、支払金額を証明する書類とともに税務署に提出(e‐Taxは添付・提示不要)。所得税の申告は2023年分なら翌2024年の2月16日~3月15日に行うのが原則。フリーランスの場合は、所得控除で課税所得が減れば納税額が減り、源泉徴収税が支払金額から予め引かれている場合は、多く引かれた分の金額が戻ってくる。

CHECK 3 所得控除で所得税はどれくらい減る?

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会社員のアン子の場合…給与収入450万円(給与所得350万円)だとすると?

・生命保険料控除…月3000円(年間3万6000円)
・小規模企業共済等掛金控除(iDeCo)…月2万3000円(年間27万6000円)

→所得税が2万850円減る!

アン子は生命保険に加入していて、年間の掛け金の合計が3万6000円。iDeCoにも加入していて、掛け金は会社員の上限である月2万3000円、年間27万6000円が全額控除になる。つまり課税所得からその金額が引かれるからけっこう大きい。この2種類の所得控除があった場合と、なかった場合を丸山さんに試算してもらうと、差額はなんと2万850円に。

丸山晴美さん 節約アドバイザー、ファイナンシャルプランナー(AFP)、消費生活アドバイザー。食費や通信費など身の回りの節約術やライフプランを見据えたお金の管理運用のアドバイスなどを執筆、監修。近著に『お金を活かす ハッピーエンディングノート』(東京新聞)。

※『anan』2023年5月24日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・保手濱奈美

(by anan編集部)

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