横澤夏子「ワードのチョイスが秀逸すぎて心に刺さりまくり」 記憶に残った薬剤師の言葉
テロップになるようなワードに出合ったらメモしておこう。
このあいだ妊婦健診に行った時、貧血の数値が出ていたので鉄分の薬を飲むことになりました。処方箋を持って薬局へ行くと、薬剤師さんに「貧血の症状は何かありますか?」と聞かれて「何もないです」と答えたところ、「それが一番“危ない”んです」と言われ、ドキッとしました。さらに「めまいや立ちくらみなど症状がないのに貧血の数値が出ているのは危ないので、とにかくお薬を飲んでください」と言われた後、「“我々”は鉄を吸収しづらい“生き物”なんです」「“ごちそうさまをする前”に飲んでくださいね」など、思わず“えっ!?”となるキラーワードが続出。わかりやすいのはもちろん、ワードのチョイスが秀逸すぎて心に刺さりまくり、今も毎日忘れずにちゃんと薬を飲んでいます。「私たち」ではなく「我々」と言うことで、生き物として私を見ているの? とびっくりして記憶に残る。また、「食後」ではなく「ごちそうさまをする前」のように、「○○をする前に」と生活のリズムに合わせたタイミングを教えてくれることで、すごく印象に残りますよね。この薬剤師さんのように患者さんが忘れられない言葉を選べる人はすごいし、なんて面白い人なんだろうと人柄自体も記憶に残りました!
彼女のように、人の心を掴むワードを選べるようになるためには、まず、強いワードを意識的にストックしておくことが大事。“ここぞ!”という時に使える、テレビ番組のテロップになるようなインパクトがある言葉を見かけたら、マーカーを引いたり、メモするとよさそうです。あと、人に忘れさせないための技を磨く努力もきっと必要になってくるはず。玄関に「鍵持った?」と紙を貼るなど、記憶に働きかける工夫を積極的に考えてみましょう!
よこさわ・なつこ 芸人。“ちょっとイラッとくる女”のモノマネで大ブレイク。婚活で培ったテクニックをまとめた著書『追い込み婚のすべて』(光文社)が発売中。2021年10月に第二子を出産。
※『anan』2023年5月17日号より。写真・中島慶子 イラスト・別府麻衣 文・重信 綾
(by anan編集部)