AKB48・武藤十夢「仕事の合間に塾に通っていました」 気象予報士など難関資格を取得

2023.2.15
大学時代、AKB48としてアイドル活動をしながら、3つの資格を取得した武藤十夢さん。独自に身につけた、限られた時間の中での勉強法や、モチベーションの保ち方を教えていただくとともに、頑張っている人たちにエールを送ります!

自分の武器になるものが欲しい、がきっかけに。

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――武藤さんが取得した気象予報士の資格は、合格率4~5%の難関。すごいです! 挑戦するきっかけは、どんなことでしたか?

私がAKB48に入ったのは、“神7”と呼ばれた先輩たちが現役の時代。みなさん華やかで、ダンスや歌が上手いとか、演技力、トーク力に優れた人がたくさんいる中で、私には何もないしどうしよう…何か自分の武器になるものが欲しい、と思ったんです。それが高3の時。そんな時にちょうど、テレビ番組の企画で、資格を取ろうということになって。気象予報士ならその先の芸能活動でも活かせそうだし、難しいならなおさら取ったらすごいんじゃないかと思って、大学1年から勉強を始めました。とはいえ、学生とAKB48の活動の両立で、勉強できる時間が本当に少なくて、合格したのは5年後、8回目の挑戦でした。それが2019年3月です。

――他にも資格を持っていますね。

2021年にファイナンシャルプランナー(以下、FP)2級、翌年、防災士の資格を取りました。

――きっかけはなんでしょう。

大学は経済学部で、そのまま大学院に進んだのですが、当時、ビジネス誌で投資についての連載をやっていて。そんな時にコロナ禍になって時間ができたのと、自分の生活にまつわるお金のこと…例えば税金や年金、保険などの知識が欲しいと思ったのがFPに挑戦するきっかけでした。今ではメンバーから、税金や投資のことについて相談されたりもします。防災士は、気象予報士とセットで取る人が多く、豪雨などの災害について天気と一緒に説明できるので、あると有効かなって。

――大学に通いながらアイドル活動をして、資格の取得まで。どのように勉強をされたのですか?

気象予報士の勉強は専門の塾に通いながら、仕事の合間にやっていました。1時間半あればある年の実技の過去問が解けて、2時間あれば丸つけまでできるんです。だから時間が空いたらすぐにカフェに入って勉強したり、レッスン場の小さい部屋を借りて、自分でタイムを計りながら問題を解いていました。FPの勉強をしていた時は、スマホで解ける一問一答を電車移動中にやったりも。私の場合は、過去問を解きまくる方法がよかったので、とにかく過去問を繰り返し解いていましたね。いつも参考書や問題集を持ち歩いていたから、荷物が重くて、一度量ってみたら3kgもありました(笑)。

――大変な努力と苦労があったのですね。そして、モチベーションを保つのは大変そうです。

気象予報士の時は、資格を取ると公言していたので、ファンの方から「頑張って」と声をかけられることも多くて。逆に「もういいんじゃない?」って言われれば、負けず嫌いだから悔しくて、絶対に取ってやる! って(笑)。そんなファンからの応援や言葉が大きなモチベーションになりました。あと私はゲームが好きなんですが、今日ここまで問題を解いたら第一ミッションクリア。今まで解けなかった問題が解けたら、カフェで最後にケーキを食べちゃおう! って感じで勉強をゲーム感覚で楽しんでいました。そもそも自己肯定感がめっちゃ低いので、自分のことを自分で褒めないとやってられないんです(笑)。だから、いきなり大きな目標を掲げるのではなく、小さい目標を毎日コツコツとクリアしていき、小さな喜びを積み上げていくことにしました。そのやり方は、私に合っていたと思います。

――これから学びたいことは?

持続可能な社会を作るというSDGsは、環境に配慮して経済を回していくこと。実は、天気とお金って意外と結びつくんです。だから、新しくできた資格のSDGs検定に挑戦してみたいです。

――武藤さんと同じように勉強を頑張っている人、これから資格を取りたい人にエールをください!

難しいと思っても、一歩ずつ歩み続けることで目標達成につながるし、辛かった過程を乗り越えた時に、やってよかったと絶対に思えます。知識や資格が自分の力になるのはもちろん、私はその苦しい過程を経験した人が強くなれると知ったし、先延ばしにするのは簡単だけど、これをやったらもっと自分が好きになれるから頑張ろうと思えるように、思考が変化しました。今では、できるんだという自信がついたし、仕事の幅や関われる分野が広がっています。みなさんも自分に厳しくなりすぎずに、ご褒美をあげつつ楽しみながらチャレンジしてみて。必ず自分の自信や力になりますから。

むとう・とむ 1994年11月25日生まれ、東京都出身。アイドルグループAKB48のメンバー。3月8日のAKB48劇場での卒業公演をもって約12年間在籍したグループから卒業。初夏公開の映画『断捨離パラダイス』など俳優業にも力を入れている。

服、アクセサリーはスタイリスト私物

※『anan』2023年2月22日号より。写真・小笠原真紀 スタイリスト・柴田一宏(DRAGON FRUIT) ヘア&メイク・高良まどか インタビュー、文・若山あや 構成・野尻和代

(by anan編集部)