濃密な恋愛&性的シーンにハマる女性続々!? スマホで読める注目TLジャンル3つ

2023.2.11
個性あふれる登場人物たちの、濃く、激しい絡み合いが見どころの一つとなったTL=ティーンズラブ作品。長く愛される王道系から、新しい潮流まで人気を集める注目ジャンルの作品をピックアップ。

参考になる描写もあり…! ジャンル&読者層が拡大中。

想像を超える設定、揺れ動く恋模様、濃密に描かれる性的なシーン。私たちを魅了するエッセンスが満載のTL=ティーンズラブ作品が、近年、さらに読者層を広げている。

「大前提としてTL作品の定義は諸説あり、捉え方もさまざまです。ただ、多いと感じるのは、男女の性愛をメインにしたお話であり、性描写が作品の中心となっているものをTLと呼ぶケース。今回紹介する作品も、広義に捉えてセレクトしました。基本的に、恋愛の延長線上に性的な関係があることは、一般的な恋愛作品と変わりません。電子レーベルが増え、スマホなどで手軽に読めるようになり、最近は漫画の広告を見て作品にアクセスする人が増えています。また、“カップルがイチャイチャする様子を見たい”“パートナーと過ごす時間の参考にしたい”など、さまざまな楽しみ方ができる点も人気の要因では」(ライター、編集者・青柳美帆子さん)

なかでも注目を集めている、3つのジャンルがあるという。

「まず、不動の人気を誇るのが、オフィスラブ的要素や職業ものなど、お仕事がテーマとなった作品です。もともとTLは10代を対象にして誕生しましたが、今のメインターゲットである20~30代の読者層にハマるのだと思います。2つ目は、2010年代に流行った“なろう系”の流れを汲むR‐18作品をコミカライズしたもの。たとえば、悪役令嬢モノや婚約破棄モノなどです。エッチな描写があって過激な内容にはなっていますが、肝心なところはちゃんと隠されており、TL作品としてR‐18指定はされていません」

そして、もう一つ、新しい動きとして注目されているのが、同人作家が手がけている作品だという。

「2021年あたりから、同人ダウンロードサイト『DLsiteがるまに』など、個人のクリエイターさんが描いた女性向けR‐18作品を読める機会が増え、熱い支持を集めるようになっています。なかには、出版社の目に留まり、商業出版された作品もあります」

現代&お仕事モノ。

現代社会を舞台に描かれるシンデレラストーリーや、仕事がフックとなる作品は引き続き大人気! ときめきや職場でのエッチな関係を楽しんで。

『だったら俺に惚れてしまえ』
おやぬ/リブレ

tl1

替え玉として出会った御曹司に見出され、骨抜きに…!
社長令嬢と瓜二つの会社員・亜以は、時々、彼女の身代わりを務めている。ある日、婚約者である財閥の御曹司・久遠寺流に会いに行くが気に入られ…。「TL作品は電子版のみで展開されるものも多いですが、今作は紙のコレクターズエディションが発売されるほど人気。流の性格の歪み方、亜以への執着ぶりがかわいい!」
©おやぬ/リブレ

『木更津くんの××が見たい』
萩原ケイク/小学館クリエイティブ

tl3

性の苦手意識が噛み合い本能で向き合う二人。
念願の管理職となった前橋旭は、セックスに対して劣等感があり、男の人が一人でシてるところを見たいという願望を持つようになる。そんな時、同じく劣等感を抱え、一人でシてるところを見られたい木更津耕哉と出会う。「仕事の悩みが非常にリアル。アラサー女性が楽しんで読める作品を象徴するような一作です」
©萩原ケイク/小学館クリエイティブ

同人発の人気作品

2021年ごろから盛り上がりを見せる同人作品の商業単行本化。作者のこだわりが炸裂したハードな作品に熱い視線が。

『異世界トリップ先で助けてくれたのは、人殺しの少年でした。』
堀田阿伴/一迅社

tl4

暗殺者の少年×不憫なお姉さん。設定とハードな展開が話題に。
セクハラやパワハラに悩む日々を送る、図書館の臨時司書として働くめぐみ。ある日、マンホールに落ちたことで異世界にトリップ。絶体絶命のところで暗殺者の少年アレクに助けられるが、彼の言いなりにならざるをえなくなってしまう。「もともと同人で出ていた作品ですが、非常に人気があり、書籍化されました」
©堀田阿伴/一迅社

令嬢モノ。

“なろう系”の流れを汲んだ“悪役令嬢”“転生”モノが成長中。現実離れした世界での甘くディープな展開を堪能して。

『伯爵令嬢は犬猿の仲のエリート騎士と強制的につがいにさせられる』
鈴宮ユニコ 茜たま/一迅社

tl5

超両片思いの二人が繰り広げるすれ違う恋に思わず夢中に。
“国が決めた相手とつがいになり子をもうけること”が決められた国に生きる伯爵令嬢のティアナ。相手は喧嘩ばかりをしている幼馴染みのアデルだったが、彼は何度も彼女を呼び出して…。「人気Web小説シリーズのコミカライズ。互いに“相手には他に好きな人がいる”と思い込んでいる二人がすれ違う様が物語を盛り上げます」
©鈴宮ユニコ・茜たま/一迅社

『悪役令嬢と鬼畜騎士』
生還・猫田・旭炬/一迅社

tl6

悪役令嬢作品ファンがTLに足を踏み入れるきっかけにも。
乙女ゲームの悪役令嬢に転生していたことに気づいた侯爵令嬢のツェツィーリアは、“ヒロイン”にはめられて娼婦となる。最初の客として訪れたのは、“ヒロイン”の幼馴染みであり初恋をこじらせた近衛騎士のルカスだった。「悪役令嬢に転生するという王道プロットに性愛描写が盛り込まれています。とにかく絵がきれいです!」
©生還・猫田・旭炬/一迅社

お話を伺った方:青柳美帆子さん ライター、編集者。雑誌やWebを中心に、書評、レビュー、インタビューなど、女性向けカルチャーにまつわる記事をメインに執筆を行う。TL作品に精通している。

※『anan』2023年2月15日号より。取材、文・重信 綾

(by anan編集部)