黒人女性版SATCといった作品も!? 多様性に注目が集まる“海外恋愛ドラマ”4選

2023.2.11
日々、多くの作品が誕生している海外ドラマの中から恋愛がテーマの一つになっている注目の作品を紹介。これまで特殊だといわれていた設定が、いまやメインストリームに! 早速、チェックしてみて。

自分とは違う恋の形を知り、読み解く作品が主流に。

これまであまり取り上げられることがなかった多様な形を描く作品が、恋愛を扱う海外ドラマの主流になっていると、映画ライターのよしひろまさみちさんは分析。

「そもそも恋愛にモデルケースはなく、100人いれば100通りの形が存在するもの。ドラマにおいても“1対1の男女の恋”のような典型例を作るべきではないという潮流が高まっています。代わって増えているのが、王道ラブコメのフォーマットを使いながら、性的少数者や身体的ハンデのあるマイノリティなど、今まで描かれることが少なかった恋を扱う作品です。多様性が当たり前となった今の人たちは、自分とは違うパーソナリティの登場人物であっても受け止めるし、素敵だと思える部分を感じて夢中になることができる。こういう惹かれ方もあるんだ、こういう社会もあるんだ、ということを読み解きながら楽しむのが、今の恋愛ドラマの形になっています。一方で、韓国や日本などアジアでは純愛モノが充実。『愛だと言って』のような、ベタな作品の配信も間近です」

『愛だと言って』

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出会うべきでなかった二人の切なく温かいラブロマンス。
父親の再婚相手に家を追い出され、すべてを奪われたウジュは復讐を誓う。そんな中、ドンジンという男性と出会って恋に落ちるが、やがて、彼が憎き相手の息子だったことがわかり…。「復讐、お家事情など、最近あまり作られていなかったどストレートの純愛モノが登場です。久しぶりに王道ラブストーリーにハマりたい人にぴったり」。ディズニープラス スターにて、2月22日(水)より独占配信開始(全16話/毎週水曜2話ずつ配信)
©2023 Disney and its related entities

『ハーレム』

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黒人女性たちの恋や日常をテンポよくパワフルに描く。
ニューヨークのハーレムを舞台に、黒人女性のライフスタイルを描いたドラマ。別れた恋人を引きずるカミール、恋愛アプリで失敗するクイン、相手の選択肢が狭いことに悩むクィアのタイ、家と男、仕事のないアンジーという4人の個性豊かなキャラクターに夢中に。「黒人女性版『セックス・アンド・ザ・シティ』。人種問題を絡めながら描くところ、彼女たちの恋の相手が男性に限らないところに注目です」。Prime Videoで独占配信中
©Amazon Studios

『エミリー、パリへ行く』シーズン3

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パリで繰り広げられるエミリーの迷える恋愛。
エミリーが、仕事の都合で急遽パリへ赴任して1年。新天地で会社のSNS担当として奮闘する日々や、選択を迫られる恋などを描き、多くの人が夢中になったシーズン1から引き続き、個性が爆発したファッションも話題に。「大ヒットシリーズの最新作。恋愛が、仕事や他の人間関係と同様に、ライフスタイルの一部として扱われているのが今っぽい」。Netflixシリーズ『エミリー、パリへ行く』シーズン1~3まで独占配信中
©Netflix

『シングル・アゲイン』

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プロデュースは『SATC』のダーレン・スター!
17年を共に過ごしてきたパートナーのコリンから突如、別れを切り出されたマイケル。ショックを受けながらも再び恋愛を楽しもうと努力するが、40代でシングルのゲイを待ち受ける現実は厳しく…。「パートナーライフに甘んじて浦島太郎状態の主人公が、多様化した恋愛や出会いのツールに乗り切れず四苦八苦するドタバタコメディ。ゲイの役者が演じていて物語も最高!」。Netflixシリーズ『シングル・アゲイン』シーズン1独占配信中
©Netflix

お話を伺った方:よしひろまさみちさん 映画ライター、フリーエディター。小誌をはじめ、女性誌や映画専門誌などさまざまなメディアで記事を執筆。『スッキリ』(日本テレビ系)では月1でおすすめ映画を紹介。

※『anan』2023年2月15日号より。取材、文・重信 綾

(by anan編集部)