3つの色で体の働きを整える! 夏の悩みをケアする“薬膳”サラダレシピ3種

フード
2022.04.27
みずみずしい野菜がたくさん出回るこの季節。中医学がベースの“薬膳”サラダで体ケアを始めませんか? ポイントとなるのは野菜の「色」と、「和える」食べ方。肌のくすみやむくみ、疲れなど、夏の悩みに対応した3色の和えサラダレシピを、ぜひ役立てて。

中医学の知恵を取り入れ、夏の悩みをまとめてケア。

「中医学では人間の体も、季節に応じて変わるものと考えます。この気候の変化に対応できずに生じる不調を、旬の食べ物で予防・緩和しようと編み出されてきたのが薬膳です」

とは、国際中医師の植木もも子さん。とりわけ気温や湿度が大きく変動する初夏から夏は、ダメージを受けやすい3つの「臓」の働きを助ける野菜や豆を食べることが欠かせないという。

「臓にはそれぞれ対応した色があり、その色の食材を中心に食べるとよいとされています。まず摂りたいのは、体の不要物を排出して血や肌をきれいに保つ“肝”を助ける、緑の葉野菜。消化を司る“脾”は夏の湿度が苦手なので、水分量を整えてくれる大豆や白いんげん豆などの黄色っぽい豆でいたわって。そして気温が高い時期は、暑さに弱い“心”がバテがち。ほてりやイライラが生じる前に、赤い野菜の代表・トマトでケアを。いずれの食材も食べられる状態にしてからオイルと塩で和えてサラダにしておくと、日持ちする上、栄養の吸収も良くなります」

今回は、いま食べたい3色のお役立ち和えサラダを紹介。

「たくさん作り、他の食材や調味料を加えてアレンジを。いろいろな栄養素が摂れておすすめです」

3つの色で体の働きを整える! まずは基本の和えサラダから。

【肝(かん)】血を蓄えてきれいにする、解毒センター。

肝臓と働きが重なる「肝」は、血を集めてきれいにし、栄養に富んだ血液を作り出す浄化センターともいえる場所。肝の元気がないと、肌のくすみや肌荒れの一因に。ストレスの影響を受けやすいところなので、何かと環境が変化しやすいこの時期こそ、しっかりケアを。

→取り入れる色【緑】肝を養い肌を整える、葉野菜のサラダを。
肝を養うのは、栄養学的にも葉緑素やβカロテンといった栄養素が豊富な、小松菜やほうれん草などの緑の野菜。肌の悩みがある人はぜひ多めに。おかひじきや、夏場ならあしたばやモロヘイヤなどもおすすめ。

小松菜のナムル

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材料(3~4人分)
小松菜…2束(約450g)、A[にんにく(細かいみじん切り、あればオイル漬けにしておいたもの)…1かけ分、塩…小さじ1/3、ごま油…小さじ2]

作り方
1、小松菜は洗って熱湯でさっと茹でる。冷水にとって水気を絞り、根元を切り落として3cm幅に切る。さらに水気をしっかりと絞る。
2、ボウルにAを入れて混ぜて5分おき、1を加えて和える。冷蔵庫で4~5日保存可能。

【脾(ひ)】消化・吸収と、栄養の分配を司るところ。

食べ物の栄養を消化・吸収し、体を作る3つの要素「気(き)」「血(けつ)」「水(すい)」に変えて巡らせる、大切な場所。ここが弱ると疲れやすくなるだけでなく、水分バランスが崩れて冷えやむくみの原因にも。過剰な水分を嫌う臓なので、夏場の冷たいものの摂りすぎにも注意して。

→取り入れる色【黄】黄色い豆のサラダで、冷えやむくみを撃退。
脾に溜まりがちな水分を排出するのは、大豆や白いんげん豆などの黄色っぽい豆。水煮缶など市販品も利用して、食べる量を上手に増やしたい。豆もやしのほか、グレープフルーツなど黄色い果物にも同じ効果あり。

大豆と白いんげん豆のサラダ

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材料(4人分)
大豆(水煮)…180g、白いんげん豆(水煮)…250g、とうもろこし(水煮)…120g、A[玉ねぎのすりおろし…大さじ2、酢…大さじ1、塩…小さじ1/2、黒こしょう…適量]、イタリアンパセリ(みじん切り、なければパセリ)…大さじ1

作り方
1、豆ととうもろこしはボウルに入れて熱湯をかけ、ぬめりを除く。ざるにあげて水気を切り、ペーパータオル2~3枚を重ねた上にのせてさらに水気を取り除く。
2、ボウルにAを入れてよく混ぜ、1を加えて和える。イタリアンパセリを加えてざっくりと混ぜる。冷蔵庫で4~5日保存可能。

【心(しん)】血を巡らせる、循環の中心地。思考力にも関係。

心臓に似た働きを持つほか、思考力や記憶力、集中力などにも影響を与えるのが「心」。体にこもる熱でダメージを受けやすいところで、衰えると吹き出物や口内炎のほか、イライラや不眠などを生じることも。今年の夏も酷暑の予報なので、心身に不調が出る前に早めに養生を。

→取り入れる色【赤】赤いトマトのサラダで、ほてりやイライラ回避。
「心」を元気にするのは、夏野菜の王様・トマト。熱を取る作用が強いので、温性の玉ねぎや、気を巡らせる効果のあるセロリなどと一緒に、バランスをとりながら食べたい。赤いフルーツ・いちごにも、熱を冷ます力が。

トマトとセロリのマリネ

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材料(4人分)
トマト(中)…4個、セロリ(小、葉も使う)…1本、玉ねぎ(小)…1/2個、にんにく…1/2かけ、A[オリーブオイル…大さじ3、レモン汁…大さじ1、塩…小さじ1/2、黒こしょう…少々]

作り方
1、トマトはへたを除いて横半分に切り、放射状に六~八つ割りにする。玉ねぎは繊維に沿って薄切りにし、水にさらして水気を絞る。セロリとにんにくはみじん切りにする。
2、ボウルにAを入れてよく混ぜ、1を加えて和える。冷蔵庫で2~3日保存可能。※水分が出てくるので早めに使い切る。汁はガスパチョ風に飲んだり、トマトを小さく切って加え、そうめんや細いパスタと和えても。

植木もも子さん 国際中医師、国際中医薬膳管理師、管理栄養士。薬膳と栄養学の両方の視点から、心と体を健やかにする料理を提案。春夏秋冬の野菜のナムルが満載の新刊、『薬膳ナムル手帖』(家の光協会)が好評。

※『anan』2022年5月4‐11日合併号より。写真・中島慶子 スタイリスト・佐々木カナコ 取材、文・新田草子

(by anan編集部)

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