こんな時にはどう書けばいいの? 気の利いた手紙の文例集。
CASE 1:転職する同期へ、はなむけ
「5年間おつかれさまでした。山本さんとのご縁に感謝しています。新天地でもどうぞお元気で。ご活躍を心より願っています。」
一緒に仕事を頑張ってきた会社の同期が、夢に向かって次のステップへ。そんな時に送るはなむけの言葉は、これまでの感謝と新天地でのさらなる活躍を願ってしたためましょう。高級感のあるスタイリッシュなグリーティングカードや一筆箋で、スペシャルな雰囲気に。
CASE 2:誕生日のお祝いメッセージ
PATTERN 1:なかなか会う機会のない学生時代の友人へ
「久しぶり。元気かな。たしかもうすぐ誕生日だったことを思い出し、久しぶりにカードを書いて送りたくなりました。おめでとう! 素敵な一年になりますように。またみんなで集まりたいね。」
PATTERN 2:いつもお世話になっている会社の先輩へ
「お誕生日おめでとうございます。ちょっとしたものですが、気に入っていただけると、嬉しいです。さらなる幸せとご健康を心より願っています。」
PATTERN 1は、久しぶりすぎて突然メールを送ることすら気がひける時に。「そういえば、ふと思い出して」と、そのまま書いて構いません。むしろ素直な感じが伝わり、好感が持てます。PATTERN 2は、お世話になっている先輩へ、ちょっとしたプレゼントとともにカードを贈る時の文例。大切なのは心からお祝いする気持ち。人生を応援する気持ちで綴りましょう。
CASE 3:長期間、本を借りていた知り合いへのお詫び
「お返しするのが遅くなってしまい、ごめんなさい! すごくおもしろくて、何度も読みました。ありがとう。オススメのものがあれば、また教えてね。」
親友が相手ならひと言謝れば大丈夫な話も、そこまでの間柄でもない知り合いの場合は少し気を使うところ。お詫びの言葉を何度も書き連ねると、しつこさがあらわれてかえって嫌がられることも。お詫びにお礼の言葉をプラスすると、読後の印象がやわらぎます。
CASE 4:仕事でミスをして落ち込んでいる後輩へ
「おつかれさま! 今回の経験が次にいきるといいね。応援していますよ。」
凹んでいる相手に対して、「○○○なところが悪かった」「もっと○○しておけばよかった」という指摘は禁物。経験が次につながるように、応援する気持ちを文字に込めて伝えましょう。くすっと笑える付箋などに、さらっとメッセージを書いて渡すと効果的。
CASE 5:上司に書類を確認してもらう時のお願い
「おつかれさまです。来週のプレゼン会議の書類、確認をお願いします。成果につながるよう努めます。」
上司に大事なプレゼン資料のチェックをお願いする時に添えるメッセージは、かしこまりすぎないデザインの一筆箋に。確認のお願いである旨を簡潔に伝え、最後に「努めます」「励みます」「がんばります」などの抱負を添えると、部下として頼もしい印象を与えます。
CASE 6:後輩に用事をお願いする時のメモ
「おつかれさま。急で申し訳ないんだけれど、両替してきてもらえるかな。いつもありがとう!」
会社の後輩にコピーやちょっとしたお使いなどの頼みごとをする際は、語尾に「~かな」とつけるとやわらかい印象に。そして最後に、「いつもありがとう!」というねぎらいの気持ちをひと言添えることもお忘れなく。頼まれたほうも、快く引き受けられます。
CASE 7:愛犬を亡くし、悲しんでいる友人への励まし
「志保さんの胸の痛みを思うと、わたしもつらいです。体を大事にしてね。一日も早く哀しみが癒えますように。」
大切な家族を亡くし、嘆き悲しんでいる人を励ますのはなかなか難しいもの。素直に心配する気持ちとともに、「体を大事にしてね」のひと言を添えるだけで、友人を思うやさしさ、気遣いがじんと響きます。シンプルな無地の便箋などにしたためて、渡しましょう。
CASE 8:病欠をフォローしてくれた同僚へのお礼
「先週は当番を代わってくださり、ありがとうございました! とても助かりました。少しですが、ほんの気持ちです。お口に合いますように。」
助けてもらったお礼に、ちょっとしたお菓子に添えるミニカードに書くメッセージ。贈り物をする時、「つまらないものですが」という表現もあるけれど、このケースではへりくだりすぎ。「ほんの気持ち」というくらいの書き方が、相手も気持ちよく受け取れます。
むらかみかずこさん 一般社団法人手紙文化振興協会代表理事。手紙に関する講演、執筆を行う。近著は『感じのいい人がやっている 気持ちが伝わる絶妙3行文章』(PHP研究所)。
※『anan』2021年4月21日号より。写真・清水奈緒 スタイリスト・長坂磨莉 取材、文・野尻和代
(by anan編集部)