【お悩み相談】飲み会もないし、素敵な人に出会えません… 人間関係の不安にお答えします
小さな悩みは誰しもある。自分を責めないのが大切。
他者からすると、“え、そんな小さなことが気になってるの?”と言われてしまうような、人間関係の悩み。だからこそ人に相談できず、悩んでいること自体に気を病んでいる人は、結構多いのでは。
「私も小さい頃から、人が気がつかない小さいことが気になり、悩んでしまうタイプ」
と言うのは、タレントの光浦靖子さん。また産業医として20~30代の悩みに多数向き合っている井上智介さんは、
「特にいまコロナ禍で人と直に触れ合う時間が減り、孤独を感じやすい状況ゆえ、小さいことが気になるのでは…」
と語ります。僧侶として様々な人生の悩みにアドバイスをしている三浦性曉さんは、
「どんな些細なことでも、悩んでいる本人にとっては大きな問題。なのでまずは、“こんなちっぽけなことで…”と自分を責めるのはやめましょう。人は悩んで生きるもの。もし誰かからこういったことを相談されたら、“悩んでいいんだよ”と寄り添うことが大切だと思います」
人を平等に見る、前向きな主人公が人気のマンガに共感の声を集める獅子さんは、
「今の世の中、みんな自分にも他人にも厳しい印象が。褒め言葉こそ人間関係の潤滑油になると思うので、小さなことでも誰かを褒めてみると、対人関係の悩みが減るのではないかと思います」
4人に、読者からの些細な、でも大切な人間関係の悩みについて伺います!
対人関係全般への漠然とした不安
会社、友達、家族、恋人。とにかく、人と関係を築くのが苦手…。そんな人から寄せられた、素朴ですが根深い相談とは?
お悩み:恋人が欲しいけど、素敵な人に全然出会えません。コロナ禍で飲み会もないし、他の人がどこでどう恋愛に発展しているのかわかりません。(33歳・メーカー)
お答えします!
三浦さん:新しく出会いにくい今の時期だからこそ焦らず構えて。
みなさん、恋人になる人とは、出会ったらすぐ恋愛関係になると考えるものですが、そういう人もいるかもしれませんけれど、関係を構築するには一般的にはそれなりに時間が必要。ましてや今は、コロナ禍で出会いの機会が減っている時期。急いで結論を出さずに、あえてじっくり腰を据えて、出会いを待つ気持ちでいましょう。
獅子さん:どんな相手とどんな恋を? 恋愛観を研ぎ澄ますとき!
出会う機会が持てない昨今、時間を持て余してしまっているのであれば、自分にはどういう男性が合うのか、またどんな恋をしたいのかなど、自分の恋愛に対する考えを、主体的に明確にしてみるといいと思います。それをした後、アプリに登録したり、友達に「恋がしたい」と伝えるほうが、理想の恋への近道になるような気がしますよ!
お悩み:恋愛が長続きしません。半年くらいで、別の人といい雰囲気になって心変わりすることが多く…。結婚したいとは思うのですが、どうしたら変われますか。(34歳・IT)
お答えします!
井上さん:心変わりが多い性質にも、いくつか理由がありまして…。
理想が満たされないとすぐ次に行きたくなったり、あるいは恋愛初期のドキドキの時期が極端に好き、という場合も。また他の人と恋人を比べがちな人も、すぐ別れる傾向にあります。でもそういう自分の気質は、なかなか変えられません。結婚したいなら、自分がずっと好きでいられる“心底好きな人”なのかを付き合う前に吟味するべき。
三浦さん:ズバリ、これは変われません。変われないことは悪くない。
別に次々と人を好きになることも、そして飽きっぽいタイプなのも、全然悪いことじゃありません。人は、そう簡単に変われるものではありませんから、無理してその生き方を変える必要はないと思います。みなさん、自分が正しく生きられないと“ダメ人間だ”と思いがちですが、全然そんなことないんです。まずはそこを受け入れて。
お悩み:打ち合わせの内容についていけないけど、どのタイミングで聞いていいかわからず流してしまうことが多いです。今後のことも考えると直したいと思っていますが、どうしたら…?(24歳・営業)
お答えします!
井上さん:若い人が、会議や打ち合わせで質問する勇気がないのは当然。
ここで大事なのは、“大勢の前で発言する術を磨く”ことではなく、“わからないことをわからないままにしない”こと。打ち合わせの後、上司などに「あれって、こういう解釈でいいんでしょうか?」と確認することから始めましょう。大勢の前で発言できるようになるためには、結局場数を踏むことが必要。自然にできるようになりますよ。
獅子さん:1回質問できたら自分を褒める。徐々に馴れていけばいいのでは。
私のマンガにも、主人公の後輩で緊張しがちなキャラが出てくるんですが、プレッシャーがあると人はパフォーマンスが下がってしまうんですよね。ですからこの相談、よくわかります。“絶対に質問しなきゃ!!”と焦るより、“今日は1回手を挙げられたから、私すごい”と褒めるとか、そのくらいおおらかに考えてほしいです。
お悩み:転職したばかりです。リモートワークなので親しくなるタイミングがなく、仕事だけの付き合いで、同僚とのコミュニケーションに緊張します。(27歳・IT)
お答えします!
井上さん:“行間を読んで”の文化は終了。言葉と顔文字で思いを伝えて。
対面と大きく違うのは、“言葉にしないとわからない”ということ。“察して”という文化は通用しません。業務上の連絡も、挨拶も、気持ちも、すべて言語化して相手に提示しないと伝わらない時代に入った、ということです。あと、わからないことを相談する。相手を頼りにしているという思いが伝わるので、おのずと距離は縮まります。
獅子さん:逆の立場になって考えると、モジモジするのも当たり前。
転職した途端にリモート、なんともつらい状況ですね。でもだからこそ、打ち解けられないのは自身ではなく、この状況のせい。あなたは悪くありません。もし逆に、あなたが転職した人をリモートで迎える側だったとしたら、モジモジしている人のことをおかしくは思いませんよね? だからみんな、良い意味で気にしていないと思います。
光浦靖子さん みつうら・やすこ タレント。ラジオ『大竹まこと ゴールデンラジオ!』(文化放送)に毎週木曜出演中。最新著書『傷なめクロニクル』(講談社)では投稿悩みへの切り返しが爽快!
井上智介さん いのうえ・ともすけ 産業医、精神科医。産業医として毎月30社を訪問。近書に『どうしようもなく仕事が「しんどい」あなたへ ストレス社会で「考えなくていいこと」リスト』(KADOKAWA)が。
三浦性曉さん みうら・しょうきょう 浄土真宗僧侶。都会の駆け込み寺『寺カフェ代官山』に駐在し、人々の相談にも応じている。著書に『お坊さんが教える 不安のトリセツ』(エクスナレッジ)など。
獅子さん しし マンガ家、イラストレーター。Twitterで’19年より更新を始めた、職場の人間関係を描いたマンガが反響を呼び、昨年末発売された『メンタル強め美女白川さん』(KADOKAWA)が話題に。
※『anan』2021年4月21日号より。イラスト・クラーク志織
(by anan編集部)