上司を手招きする部下!?【ビジネスマナー】若手社員の「トンデモ行動」と対処法

文・能美黎子 — 2024.9.21 — Page 1/2
ビジネスでもたびたび話題となる世代のギャップ問題。世代ごとに育ってきた環境や価値観が違うため、若手の行動に驚くかたも少なくないかと思います。しかし、理解し難い行動に対面した場合、どのように対処をしたらいいのでしょうか。今回は、若者世代の「トンデモ行動」の対処法について、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが説明します。

ミドル世代には理解しがたい若手の「トンデモ行動」

上司 部下 ビジネスマナー 若手社員 トンデモ行動 NGマナー 職場 会社

【元社長秘書のマナー講座】vol. 55


時代の変化とともに目まぐるしいスピードで技術の進化、環境の変化、それと同時に価値観も変化を遂げています。ビジネスにおいては、世代のギャップ問題が話題になることが多いのではないでしょうか。若手世代、ミドル世代、シニア世代と世代ごとに価値観が違うなと感じたかたも少なくないかと思います。例えば、若手に対して「メモを取りなさい」と伝えるとスマホを取り出してメモを取り始めた。など、驚きエピソードを体験された経験もあるのではないでしょうか。実際に、若手社員への接し方に悩まれているかたが多いと思います。

そこで今回は、若手社員の理解しがたい「トンデモ行動」に対する対処法についてご紹介をします。実際のエピソードとともに対処法を解説いたしますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。


世代のギャップを感じる仰天エピソード

1. 「メモを取りなさい」と言うと、スマホを出してメモを取り始める
2. 「それね」「うんうん」「わかる〜」という相づちをうつ
3. いきなり上司にタメ口
4. クライアントとの商談中に、マナーモードにせず着信音が鳴り、しかも商談中に電話に出てしまう始末
5. 遅刻しても気にしない
6. 仕事で聞きたいことがある時に、上司を手招き
7. 上司の悪口をSNSでつぶやく
8. 業務の内容を一通り説明し「できそうですか?」と聞くと「やってみないとできるかどうかわかりません」という返答
9. 社内が寒いという理由で、頭からブランケットをかぶる
10. お客様の来客対応を頼むと「気づいた人が入れればいいんじゃないでしょうか?」と返答

若者のトンデモ行動に対する対処法

1. 価値観が違うことを受けとめる
若手に対して自分たちが過ごした世代とは違う環境で育ち、価値観も異なることをまずは「受け止める」ことが大切です。非常識な対応や質問をされると、反射的に感情的な返答をしてしまう人もいるかと思います。しかし、感情的にならずにいったん「受け止める」対応がおすすめです。同意することや完全に相手を否定することはなるべくせずに、冷静に対応をすることを心がけましょう。そうした上で、相手の考えを受け止めてみましょう。

2. 相手の視点で考える
反抗的な態度をしてくる若者に対して、どう接していけばいいのか、信頼関係を築くために何をすればいいのか悩むことも少なくないかと思います。そうした場合には、自分視点から一度離れ、相手の視点で物事を見てみるといいかもしれません。自分と相手との価値観が違っていた場合、相手の視点で考える際には、同じ目線ではなく、世代や生まれ育った環境などを俯瞰的に見てみると別の視点から物事を考えやすいかもしれません。

3. 密にコミュニケーションをはかる
今の若手の世代は「承認欲求」が強い傾向にあります。そのため、若手の考えや不満などを理解するために、コミュニケーションの場を増やすことが大切です。じっくりと相手の表情や仕草などを感じ取りながら話を聴いてみましょう。話している中で、反抗的な態度をとる理由がわかる場合もあります。それを解消することで相手の態度が変わってくる可能性もあります。根気よく信頼関係を築くとともに、相手の成長を促すこともできるかもしれません。


おわりに

若手の行動は、自分の世代の価値観とは違い、驚くことが多いかと思います。しかし、自分が若手の頃、もしかすると上司が「自分とは世代が違うな」と感じる行動を自分もとっていたかもしれません。まずは、相手を否定せずに「なぜそう思っているのか」を聴き、「自分とは違う価値観だ」と相手を受け止めることが大切です。またすぐに結果を求めずにコミュニケーションをはかりながら根気強く長い目で見てみるといいでしょう。価値観が違うからと諦めずに、相手と向き合い信頼関係を築いてみてくださいね。


<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。


©KatoSaori/Adobe Stock