「さすがだね!」はNGワード ?【ビジネスマナー】デキる上司が実践する「若手社員への対応」

文・能美黎子 — 2024.9.7 — Page 1/2
職場で若い世代とのギャップを感じたことはありませんか?「最近の若者はわからない」と感じたことのあるかたも多くいらっしゃるかと思います。昭和世代と平成世代の壁は、もしかすると想像以上に厚い可能性も…。では、ビジネス上、どのように若い世代と接すれば良いのでしょうか。今回は、異なる世代の部下とうまく付き合っていくためのポイントについて、秘書歴約15年でマナーに詳しい、能美黎子さんが説明します。

新人、若手社員への対応マナー

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【元社長秘書のマナー講座】vol. 53


時代の流れとともに会社も多様化が進み、若手社員や部下とどう接したらいいか戸惑っている、もしくは悩まれているかたは多いのではないでしょうか。実際に、「最近の若者はわからない」と感じたことがあるかたも少なくないかと思います。せっかく会社に入ってきてくれたからには「すぐに辞められたら困る」「優しく接しないといけない」「頑張っているのだから正当に評価をしてあげたい」と考えて対応するものの、そんな思いをよそに部下が会社を辞めてしまった場合、気持ちに配慮したつもりなのに突然離職され戸惑っているというお声をよく聞きます。では、どのように対応をしたらいいのでしょうか。

今回は、異なる世代の部下と上手く付き合っていくためのポイントについてご紹介をします。時代で分けるのはあまり思わしくないですが、実際に世代によって価値観や考え方が大きく異なってるのが現実です。ここではわかりやすくするため「昭和世代」と「平成世代」と呼んで特徴を説明します。若手世代の「特徴」を理解しながら上手に接していきましょう。


若手世代の特徴

1. 競い合いより助け合い

平成世代
入学志望者総数が大学の定員を下回るという全入時代に突入したのが平成時代。選ばなければ大学に入れることもあり、ハングリー精神が昭和世代と異なります。また、学校の教育方針としても個性を尊重し、潜在能力を引き出すために何をするべきかを考えさせるため、根本的な考え方が異なります。そのため、出世を争うのではなく、助け合うべき仲間という意識が強い傾向です。

ちなみに昭和世代は…
子どもが多く受験戦争を勝ち抜かなければ大学に入れない時代を生き抜いたのが昭和世代。そのため、成長を促すハングリー精神が旺盛です。

2. デジタルに強いがコミュニケーションが苦手

平成世代
生まれた時から携帯電話やインターネットが身近で、日常がデジタル化されていたデジタルネイティブ世代。SNSが発達していた影響で、対面でのコミュニケーション能力が低かったり、合理性を重視する傾向が強いです。

ちなみに昭和世代は…
アナログ時代を経験しているため、対面で会って話すことが当然であり、横のつながりを大切にしているのが昭和世代の特徴です。

3. 過度な期待はNG

平成世代
過度な期待が「圧」に感じてしまうため、人の目がある場で褒められたくない傾向。より仕事を頑張らなければという意識が強くなってしまいプレッシャーになる可能性があります。

ちなみに昭和世代は…
人前で褒められることで、頑張りが周知され仕事のモチベーションにつながると考える傾向があります。

関係性を築くための接し方のポイント

仲間意識を大切にする

友人のような対等の立ち位置という意味ではなく、上下関係は保ちつつも、仕事をするうえで利害を共にする「仲間」として自分を捉えてもらうことがとても大切です。相手の気持ちや考え方を理解しようとする姿勢を示すことで、相手に寄り添っていることが伝わります。また、彼らの主張を決して否定せずに、こちら側の主張も押し付けないことがポイントです。
例えば、「この業務に意味があるかわからない」と部下が思っていた場合、「気持ちは分かる」と相手の気持ちを理解を示したうえで、その目的と本人がやることの意義や存在を説明することが重要となります。

褒めるのではなく認めることが重要

褒めるという言葉を聞くと「人の能力や成果を称賛する」というイメージがあるかたも少なくないかと思います。褒めることの本質的な意味は「相手の存在を肯定し、自尊感情を生み出すこと」です。相手の存在を肯定することが、相手を「認める」ことにつながります。
例えば、「〇〇さんは、すごいね! さすがだよ!」と褒めるのではなく「本当に助かっているよ。〇〇さんのおかげだね。ありがとう」と伝えると、認めるとともに感謝も伝えることができます。


おわりに

若手世代とどう接していいのか悩んでいるというかたは少なくありません。時代が変化していることを受け入れ、その世代の価値観を理解できるよう相手の気持ちに寄り添うことで、相互理解が進み、良好な上司と部下の関係を築くことができます。今まで私たちはそう生きてきたからと、これまでのやり方に固執せず、柔軟に時代の変化に対応をする勇気を持つことが大切です。


<筆者情報>
ライター:能美黎子
大学卒業後、新卒にて最大手保険会社にて約7年秘書の経験を経て、ITコンサル企業の社長秘書に転職。その後、数社の社長秘書を経験し秘書歴約15年となる。秘書検定準1級を取得。
今までの経験を活かし、接遇や礼儀作法、マナーなど“品格”を大事にした執筆作業を行なっている。


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