クリームたっぷり、チョコスイーツ大好き、ストレス過多…「口がクサくなりやすい人」の特徴と対策

文・大久保愛 — 2023.10.6 — Page 1/2
人と会う機会も増え、口臭が気になっている人は多いはず。実は秋限定のお楽しみグルメにも危険が潜んでいるようで…。そこで、中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生が、口臭の原因となるNG習慣とすぐにできる対策を教えてくれます!

人と話すときに相手や自分の口臭が気になることはありませんか?

口臭 口 臭い におい

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 234


人と至近距離でお話していると、ちょっとクサいかも! と感じることはないでしょうか。ここ数年、マスクやzoom越しで人とのコミュニケーションを続けていたこともあり、久々に他人の口臭、そして自分の口臭が気になることもあるかもしれません。とくに糖質×脂質の組み合わせの食べ物は、私たちを幸せにしてくれるものですが、口臭が気になる人にとっては少し気を付けたい食べ物です。

ただ、食欲の秋には、糖質×脂質の季節限定商品のレパートリーもどんどん増えていきます。魅力的な甘くて濃厚なサツマイモやモンブラン、パンプキンのラテなどのカフェメニュー、クリームとチョコレートをかけあわせたコンビニスイーツなどなど、いたるところで見かけるようになりますよね。日々をこなすように慌ただしく過ごしている人は、気が付いたら自分へのご褒美スイーツを毎日食べていたということもあるでしょう。

ということで、今週は食欲の秋の幕開けに口臭に悩まされないように対策となる食薬習慣を紹介していきます。

今週は、口臭を予防する食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                     
夜になると肌寒さを感じるこの頃、カフェメニューやコンビニでは、クリーム系やチョコレート系、チーズ系などのポカポカ感を連想させる食べ物に魅力を感じるようになりましたよね。ほんの数週間前までは、さっぱり・ひんやりしたものに魅力を感じていましたが、味覚の変化とともに季節の変化も実感していきますね。

ただ、欲望通りに好きなものばかり食べている人は注意です。漢方医学では、甘いものやこってりした脂質が多く含まれたものを食べ過ぎると『胃熱』が生じると表現します。『胃熱』があると一度食べ始めると止まらなくなってしまったり、冷たいカフェラテや炭酸ジュースを欲したり、甘いものやはっきりとした味のものを好むようになる傾向があるといわれています。その結果、口臭が強くなったり、口内炎ができたり、唇が荒れたり、ニキビができたり…という不快症状を感じやすくなるといわれています。

また、同時にストレスが多いときにも交感神経が優位になり、胃腸の働きが低下し、唾液の分泌も低下し、口臭が悪化しやすくなるといわれています。そのため、同時にストレス解消のために『理気』してあげることも大切です。

ということで、今週、口臭や口内炎、過食に悩む人は『胃熱』を解消し、『理気』する食薬を取り入れましょう。食べるとよい食薬は、【リンゴとサツマイモのソテー レモン風味】です。逆にNGな習慣は、『胃熱・湿熱』を生じさせる【季節限定チョコレート系デザート】の食べ過ぎです。

食薬ごはん【リンゴとサツマイモのソテー レモン風味】

自律神経を整える『理気作用』と『健胃作用』のあるレモンと腸の調子を整えるリンゴ&サツマイモを使って『胃熱』の対策をしていきます。リンゴとサツマイモの甘みが強いので、お砂糖も不要です。5分くらいでできるので、甘いものの食べ癖がついている人は、試してみてくださいね。

<材料>
リンゴ  1/2個(乱切り)
サツマイモ 1/2個(乱切り)
みりん・レモン汁(酢) 各大さじ1

<作り方>
リンゴとサツマイモをレンジで2分くらいあたためる。オリーブオイルかココナッツオイルでリンゴとサツマイモに調味料を加え、絡めながらソテーしたら完成。お好みでシナモンをかけてもOK。

NG行動【季節限定チョコレート系デザートの食べ過ぎ】

チョコレートが美味しい季節がやってきました。濃厚でクリーミーなマロン、焼き芋味などの季節限定チョコレートが増えてきますよね。チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには、口臭を防ぐ働きもあるといわれています。ですが、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートにはカカオポリフェノールがほとんど含まれていないため、その効果が期待できるのは高カカオチョコレートと考えられます。

また、ミルクチョコレートやホワイトチョコレートには、砂糖や乳脂肪が多く含まれているので、逆に口腔内環境が悪くなり、口臭の原因となってしまうことまで考えられます。大切な用事があるときには、高カカオチョコレートがベターです。

普段、口呼吸になっていたり、脂質と糖質の多い柔らかいものばかり食べていたり、ストレスが多かったり、胃の調子が悪かったり、口腔内の定期検診を怠っていたりすることも口臭の原因となります。どれも健康状態に影響する大切なことですよね。

ニンニクや生のタマネギなどを食べた時以外で口臭が気なり始めたというときには、生活の見直しをしていきましょう。それが、健康管理につながります。そのほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方はぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

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<筆者情報>
大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売1か月で7万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
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