プロテイン大好き、ダイエット中…「おならが強烈にクサい人」の特徴と対策 #211

文・大久保愛 — 2023.4.27 — Page 1/2
日によって気温差はありますが、薄着の季節となりました。となると、肌の露出が増えてお肉のたるみが気になるところ。ダイエットやトレーニングを意識し始めている人も多いでしょう。ですが中医学士で漢方薬剤師の大久保愛先生によると、美や健康に通じるある行動が、おならを臭くする一因になり得るのだとか。愛先生がそのNG行動と対処法を教えてくれます!

最近、おならが急に臭くなっていませんか?

おなら 臭い プロテイン たんぱく質 ダイエット

【カラダとメンタル整えます 愛先生の今週食べるとよい食材!】vol. 211


4月もあっという間でしたね。怒涛の日々を過ごし、度胸やストレス耐性などが身についた人も多いかもしれませんね。ですが、それに伴い忙しく過ごした結果、不摂生が蓄積され、お腹周りにどっしりとお肉までもが身に付き、心とともに見た目もたくましくなってはいないでしょうか。

初夏の暑さを感じつつGWが近づくと、少し開放的な感覚が頭をよぎり、ダイエットを意識し始める人も多いかもしれません。そんなときには、プロテインを採り始める人も多いことでしょう。コンビニやスーパーでもタンパク質がたっぷり入った健康食品が手軽に手に入るので、栄養管理には困らない時代になりましたよね。

ただ、ここで注意したいのがおならです。もし、おならのニオイが急に臭くなり始めた人は、ダイエットや健康に良いと思っている行動がその原因となっているかもしれません。ということで、今週はおならが急にクサくなった人のための食薬習慣を紹介していきます。

今週は、おならがクサイ人のための食薬習慣

                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                         全力で走り続けた4月もあと少し! GWというゴールが見えてきましたね。お出かけしたり、おしゃれをすることもあるかもしれませんが、そんなときに気になるのは、ウエスト周りのお肉ではないでしょうか。忙しいなか、とりあえず栄養バランスではなくエネルギーを補充という感じで、その日を必死に生きている感覚だった人も多かったかもしれませんね。

そんな状況に運動不足や寝不足が重なり、代謝は落ち、疲れやすさや強烈な日中の眠気などの不定愁訴が、ポコポコと出てきては気合で乗り切る体育会系の人も増えたことでしょう。そして、少しでも健康維持、ダイエットにつながるようにタンパク質をたくさんとろうと考える人が多いのではないでしょうか。

このように心身ともに疲労困憊で、代謝がおちている状態を『脾気虚』といいます。そこで、気を補う食薬が必要となるため、タンパク質を採ることは非常に有効です。ですが、良いからといって過剰にタンパク質だけを採ろうとする人がいます。そして過剰に採りすぎると、人によっては、胃や腸、肝臓、腎臓などに負担がかかってしまうことも考えられます。

また、採りすぎの目安となるのが、おならのニオイです。急におならが強烈にクサくなってきたという人は、胃腸に負担がかかるほどタンパク質を採ってしまっている可能性があります。タンパク質の適正量は個人差があります。

今の流行として高タンパク=健康・ダイエットというイメージが先行しがちですが、腸と相談しながら消化を助ける梅干しやレモンやオレンジなど酸味のあるもの、ワカメや切り干し大根など腸内を整えるものなども取り入れつつ、タンパク質の摂取量を自分にとってちょうどいい量で調整することをおすすめします。

おならや便の強烈なニオイはカラダからの「生活を改善してほしい」という合図となりますので、真摯に受け止めましょう。そこで今週は、『脾』の働きを助ける食薬をとり入れることも意識していきましょう。食べるとよい食薬は、【白菜と切り干し大根のサラダ】です。逆にNG行動は【プロテインの採りすぎ】です。

食薬ごはん【今週食べるとよい食薬:白菜と切り干し大根のサラダ】

おなら 臭い プロテイン たんぱく質 ダイエット

タンパク質の分解を助ける胃酸分泌を促すお酢と腸内環境を整える白菜、切り干し大根、ゴマを合わせた消化器系応援セットが4月のラストスパートには◎。また、フェンネルシードには、胃腸を整える働き、口臭予防、デトックス作用などがあります。切り干し大根の食物繊維と合わせることでより、腸からの排泄力を高めるので、香りが嫌いでなければ加えてみましょう。

<材料>
白菜       4枚(一口大)
切り干し大根   20g
すり胡麻     大さじ1
酢・みりん・水  各大さじ2
醬油       お好みで
フェンネルシード お好みで 

<作り方>
材料をポリ袋に入れ、よくもみ15分程度おいたら完成。切り干し大根が硬いときはお水を少し足して調整してください。

NG行動【プロテインの飲みすぎ】

これだけでプロテイン15gが採れる20gが採れるといったおやつなどの食品は多いですよね。忙しいと食事をおろそかにして、そういった食品だけに頼り切ってしまい、過剰に食べてしまうことはないでしょうか。過剰に摂取したプロテインの一部は腸内の悪玉菌に分解され、硫黄のようなクサイおならを作り出したり、便秘につながってしまうことも。どうしてものときのサポートに活用し、胃腸のケアを合わせつつ、過剰摂取にならないよう胃腸と相談しながら量を調整するようにしましょう。

私たちの日々の習慣は、おなら、便や痰、鼻水、汗、おりものなど分泌物に反映されることが多いです。ちょっといつもと違うなと感じた時には、その原因を見つけ、改善するようにしてみましょうね。ほかにも心と体を強くするレシピは、『不調がどんどん消えてゆく 食薬ごはん便利帖』(世界文化社)で紹介しています。もっと詳しく知りたい方がぜひご覧ください。

※食薬とは…
『食薬』は、『漢方×腸活×栄養学×遺伝子』という古代と近代の予防医学が融合して出来た古くて新しい理論。経験則から成り立つ漢方医学は、現代の大きく変わる環境や学術レベルの向上など現代の経験も融合し進化し続ける必要があります。

近年急成長する予防医学の分野は漢方医学と非常に親和性が高く、漢方医学の発展に大きく寄与します。漢方医学の良いところは、効果的だけどエビデンスに欠ける部分の可能性も完全否定せずに受け継がれているところです。

ですが、古代とは違い現代ではさまざまな研究が進み明らかになっていることが増えています。『点』としてわかってきていることを『線』とするのが漢方医学だと考えることができます。そうすることで、より具体的な健康管理のためのアドバイスができるようになります。とくに日々選択肢が生じる食事としてアウトプットすることに特化したのが『食薬』です。


Information

29da7aba42636f3ec47ee8cc1f4c6813

大久保 愛 先生
漢方薬剤師、国際中医師。アイカ製薬株式会社代表取締役。秋田で薬草を採りながら育ち、漢方や薬膳に興味を持つ。薬剤師になり、北京中医薬大学で漢方・薬膳・美容を学び、日本人初の国際中医美容師を取得。漢方薬局、調剤薬局、エステなどの経営を経て、未病を治す専門家として活躍。年間2000人以上の漢方相談に応えてきた実績をもとにAIを活用したオンライン漢方・食薬相談システム『クラウドサロン®』の開発運営や『食薬アドバイザー®』資格養成、食薬を手軽に楽しめる「あいかこまち®」シリーズの展開などを行う。著書『心がバテない食薬習慣(ディスカヴァー・トゥエンティワン)』は発売一ヶ月で七万部突破のベストセラーに。『心と体が強くなる!食薬ごはん(宝島社)』、『食薬事典(KADOKAWA)』、「食薬ごはん便利帖(世界文化社)」、「組み合わせ食薬(WAVE出版)」、「食薬スープ(PHP)」など著書多数。
公式LINEアカウント@aika
https://aika-inc.co.jp/
心と体を整えるCROWDSALON

book

『1週間に一つずつ 心がバテない食薬習慣』(ディスカヴァー)。
購入はこちら

『女性の「なんとなく不調」に効く食薬事典』(KADOKAWA)
体質改善したい人、PMS、更年期など女性特有の悩みを抱える人へ。漢方×栄養学×腸活を使った「食薬」を“五感”を刺激しつつ楽しく取り入れられる。自分の不調や基礎体温から自分の悩みを検索して、自分にあった今食べるべき食薬がわかる。55の不調解消メソッドを大公開。


©Satome Yokote/Gettyimages
©Ezra Bailey/Gettyimages