「これから注目の職種って?」お金の教科書Vol.24 #リアルボイス
これから注目の職種って?
高山一恵さん ファイナンシャルプランナー。Money&You取締役。Webメディア「FP Cafe」「Mocha」の運営ほか、多くの働く女性のマネーのお悩みを解決、サポート。頼藤太希さんとの共著に『はじめての資産運用』(宝島社)がある。
貯蓄未知子(ちょちく・みちこ/34歳・会社員) 都内の賃貸で一人暮らし中。毎月の貯蓄は財形2万円+口座に残った分のみ。奨学金は完済。今夏のボーナスが想像以上に少ないと耳にし、憂鬱な気分が拭えない今日この頃。

転職は給料アップを叶える一番の近道かも?
未知子:約30年間、日本の賃金は横ばいと知り、転職の可能性についても考えたいと思い始めた今日この頃です。話題のChatGPTがさらに進化したら、私の仕事も近い将来、本当になくなってしまうかもしれないですし…。
高山:実は最近、未知子さんのように自分の仕事の将来について、改めて考える女性が増えているんです。
未知子:専門職でもないし、特別なスキルがあるわけでもなければ、やっぱり不安ですから。
高山:でも本当に特別なスキルはないですか? 自分でそう思い込んでいるだけで、いざ転職活動を始めたら、給料アップできたというケース、多いんですよ。
未知子:確かに一度も転職活動をしたことがないので、自分の価値を知る機会はなかったですね…。
高山:一つのところに長くいると、出るのはなかなか勇気がいるし、転職活動を面倒くさいと思ってしまうのもわかります。でも一度、エージェントに登録してみて、実際のところはどうなのかを確認してみては?
未知子:バックオフィス的な仕事でも?
高山:もちろん。大手の看板にこだわらなければ、可能性は大いにあります。もしくは、全く別の仕事に切り替えて、給料アップと安定性を確保するか。
未知子:というと?
専門職への思い切った転職を考える人、増加中。
高山:私のところに相談に来られた方の中には、40歳で事務職から看護師に転職された人もいます。
未知子:事務職から看護師に!?
高山:はい。「学校に行くのにお金はかかったけれど、数年で元は取れたし、何より“仕事がなくなるかもしれない”という不安が一掃されたことは精神衛生上、すごく良かった」と話していたのが印象的でしたね。
未知子:確かに…。コロナ禍に医療従事者の存在感は高まったし、この先の超高齢化社会を考えても絶対に必要な職種ですもんね。
高山:看護師だけでなく、介護福祉士、保育士といったコミュニケーションが必要な職種も、AIでは代わりがきかないという点では注目です。今は“3K(きつい、汚い、給料安い)”と言われていますが、人を集めるには給料はアップせざるを得ないでしょうから。
未知子:なるほど…。
高山:人生100年時代です。1社で仕事人生を終えるという人は、今後少なくなるでしょう。
未知子:いま一度、真剣に考えてみたいと思います!
将来的により必要とされそうな仕事

【看護師】正規雇用以外に、フリーで働くこともできるのが魅力。
大学または専門学校などで3年以上の教育を受け、国家試験に合格する必要がある。不況に強く、大学病院から美容クリニックまで、活躍の場が多岐にわたるのも人気の理由。
【保育士】働きながら、通信教育で資格取得を目指す人も。
通信教育の費用は6万円前後。年に2回、筆記と実技の試験が行われているので、1年での資格取得も可能。ちなみに、令和3年度の保育士の平均年収は約382万円。
【介護福祉士】超高齢化社会に向けて、需要が高まること確実。
介護福祉士の受験資格は実務経験3年以上、または実務者研修の修了が必要。ほかにも介護事務や准サービス介助士など、実務経験や受験制限のない資格もある。
→確実にやってくる少子高齢化を考えると…おなじみの専門職にも再注目!
“なくならない仕事”という観点で言えば、人間同士の密なコミュニケーションが欠かせない職種が挙げられる。
★次回は、2358号(2023年7月26日発売)掲載予定です!
※『anan』2023年7月19日号より。イラスト・小迎裕美子 取材、文・一寸木芳枝
(by anan編集部)