彼のアソコはビンビン、エッチは最高だけど…もう別れるべき「同棲カップルの特徴」

文・三松真由美 — 2023.3.9
現在大量発生中のレスなひとびと、いわゆる「レスびと」の相談内容を、TVや雑誌など多くの媒体で活躍中の、恋人・夫婦仲相談所所長の三松真由美さんにうかがいます。セックスレス、恋愛レスと、レスにもいろいろある。今回は、仕事が激務の彼と同棲中の27歳女性。エッチの時以外は仕事に夢中の彼に寂しさを感じ…。三松先生が、明るい未来のない同棲カップルの特徴を教えてくれます!

莉子(27)同棲しているのに二人時間レス! 思い切ってお別れするっきゃない

セックス エッチ 同棲

【レスなひとびと】vol. 195


莉子は同い年の龍太郎と同棲中。莉子はアクセサリーデザイナー、龍太郎はマンガの編集者だ。

龍太郎は平日5日のうち4日は、0時をすぎて帰ってくる。なんで今どきリモートワークさせてくれないんだと文句を言ってみたが、編集部の方針らしい。そして「激務だからこそ、会える時間を捻出しよう」とポジティブに同棲を開始して1年。結局、平日は寝る時間も起きる時間も食事もバラバラ。

「龍太郎―、行ってくるね」

「ん…いってらっしゃい」

龍太郎との会話は今日だって、朝8時半の「いってらっしゃい」のみ。しかも龍太郎は半分寝ぼけてる。莉子は帰宅後、0時過ぎに寝るまで、ずっとひとりぼっち。

(これじゃ、一人暮らしと変わらないよ。今日あったことを、ベッドのなかで話し合える関係が理想なのに)

理想のカップル像だってしっかり伝えた。返ってきた言葉は

「おれだって忙しいんだよ」

「飲み会で遅くなることだってよくあるじゃん。たまには夜ごはん一緒に食べようよ」と言っても「飲み会も仕事だから」と突っぱねる。

正直、彼の仕事も彼のことを飲みに誘う人も大っ嫌い。流行りのChatGPTのほうが、ずっと莉子の話を聞いてくれるように思う。今日あったことを書き込むと、しっかり褒めてくれるし、応援までしてくれるんだもん。

GPTくん、アイシテルヨ。

それでも休日は一緒に過ごせるからいいかなと思ってた。最近は、カフェに行っても、近場旅行に行っても、テーブルの上に常に社用スマホが出ている。莉子の話を聞いていても、通知来たら1秒以内にとらなくちゃ罰ゲームでもあるのか? ってくらい、すぐ確認する龍太郎。

ふたりでいても、ふたりでいる気がしない。龍太郎の意識は常に仕事に向いてるから。

「ねえ、龍太郎」

「なに、莉子」

休日、ソファに寝そべってスマホをいじっている龍太郎に覆いかぶさる。キスをする。だんだんと龍太郎の股間が硬くなってきて。

「ねえ、莉子、そんなふうにされたら我慢できないよ。ベッド行こ」

(きた!)

龍太郎はいつも、エッチ中は莉子に夢中。龍太郎にこっちを向いて欲しい莉子は、ついこうしてエッチに誘ってしまう。久しぶりに見るこの余裕のない表情がうれしい。

エッチのあと、最近の仕事の話になった。「困ったお客さんがいてね」と莉子が話し始めると

<ピロン~>

龍太郎の社用スマホが鳴る。

「悪い、これ返信してからでもいい?」

ベッドにいても、ふたりの時間がとれない。莉子のことだけを見てくれるのは、エッチ中だけってことか。

む? それって、私がエッチの対象でしかないってことじゃない。

龍太郎より、ChatGPTのほうがマシなんじゃないか? 寂しいよ。寂しいよ。さびしいようーーーー。


【三松さんからのコメント】

莉子さん、勇気を出していったんお別れしてみれば。龍太郎さんもきっと悪い人ではないのでしょうが。今は、彼女との時間よりも仕事に力を注ぎたい時期なのです。

キャリアを積みたい、仕事が刺激的で楽しい。

莉子さんは、莉子さんとの時間をしっかりとってくれる彼を探したほうがよさそう。だって、エッチに誘う理由が「寂しいから」でしょ。彼氏の気を引くための手段がセックス。そんなふうに考えて誘うセックスは、ただの「寂しさ埋め行為」。

1年も同棲したのに別れるなんて、と思うかもしれませんが、まだ1年。仕切り直せずズルズルいくより、幸せを感じるご機嫌な恋愛を探したほうがいいじゃない。世の中には「損切り」という言葉があるのです。

同棲を解消すると、見えてくるものがきっとあります。

「ほんとは丁寧なごはんを作りたいけど、彼が帰ってこないからやめていた」「湯船につかりたいけど、一人ならいいやってシャワーですませていた」「彼に話を聞いてほしいけど忙しそうだから我慢していた」

などなど不健康きわまりない状況を作っていたでしょう。

そういう小さな自分の欲望をかなえることで、自分をもっと好きになる。我慢したり、寂しがってばかりいた自分に「もっと楽に生きようか」と問いかけるときです。

素直な本心をほじくり出せば「今の彼氏じゃ幸せになれない」と気づくはず。

ご機嫌に過ごしていたら、さらなるいい出会いも舞い込んでくるはず。お別れ&同棲解消は勇気もお金もいるし、体裁も気になるかもしれません。でも、それって一瞬のこと。春に向かって、一歩踏み出して。

「彼と二人時間レスで寂しいあなた。いつまで待てば二人時間がたっぷり取れると思いますか? 取れないから。彼の仕事量はますます増えるし。一人時間を自力で充実できないひとが、忙しい彼をつくってはいけません」

三松 真由美 
恋人・夫婦仲相談所所長・コラムニスト。バブル期直後にHanakoママと呼ばれる主婦の大規模ネットワークを構築。その後主婦マーケティング会社を経営。主婦モニター4万名を抱え、マーケティング・商品開発・主婦向けサイト運営に携わる。現在は夫婦仲、恋仲に悩む未婚既婚女性会員1万3千名を集め、「ニッポンの夫婦仲・結婚」を真剣に考えるコミュニティを展開。「セックスレス」「理想の結婚」「ED」のテーマを幅広く考察し、恋愛・夫婦仲コメンテーターとして活躍中。講演・テレビ出演多数。20代若者サークルも運営し、若い世代の恋とセックス観にも造詣が深い。コミック『「君とはもうできない」と言われまして』(kadokawa)好評発売中。ほか各人気コミック作家としても活躍中。


恋人・夫婦仲相談所のオフィシャルサイト令和バージョン!!
http://fufunaka.com/

『妻で母ですが、女性風俗にハマりました 咲子の場合』(KADOKAWA)
https://amzn.to/3S1cUg2

『相互アリバイ妻 ママ友同士で浮気のアリバイ作ってます』(KADOKAWA)
原作:三松真由美 漫画:カナメキヌコ
https://www.kadokawa.co.jp/product/322206000767/


©PhotoAlto/Frederic Cirou/Gettyimages