女子を襲うていねいな暮らしマジック。

2015.8.22 — Page 4/5

2年前の遺産とまさかの再会

 棚の奥にあったもの。それはなんと、2年前に手作りした梅酒の瓶だった。重々しいオーラを放つ4Lのソイツは、あろうことかほぼ未開封の状態。懐かしさのあまり思わず梅酒の瓶をなでる。たしかこのときも、スーパーに並ぶ梅を見ながら突然思い立ったのだ。そして作ったはいいけど、結局飲むためには棚の奥から瓶を出し、コップに氷を入れ、梅酒を注ぐ。この一連の動作がおっくうで、気楽に早く酔いたい我が家の晩酌では、どうしても今日飲むお酒としては選ばれず、気付けば2年も経っていた。
 思わぬ遺産に出会い、すっかり味噌熱を冷やした私。さすがに食さない味噌と梅酒が並ぶのは恥ずかしいので、梅酒を飲みきったらいつか味噌を作ろうと決め、力なく棚の扉をしめた。

【次のページ】結局