女子を襲うていねいな暮らしマジック。

2015.8.22 — Page 5/5

すぐ消えるからこその魔法?

 周りを見渡せば、魔法にかかっているであろう女子は増えていて、Eちゃんは深夜にパイを2個も焼いていたし、Iさんは今日も深夜残業と言いながら素材にこだわった料理を熱心に披露していた。でも手作りお菓子もFacebookにアップして、一瞬周りから賞賛されて心も落ち着き、やっぱり市販のケーキのほうが美味しいよねって目も覚めるのか、生活そのものをていねいな方向に変えている女子は見当たらない。気付かぬうちに心の端っこにパサパサした毒が積もり、ある日突然ドカンと爆発しているだけなのだ。
 味噌熱がすっかり引くと同時に、私は仕事に仕事が重なり寝食もままならない日々が続いた。なんとか乗り切りそれなりの充実感は得たものの、片付けをしていたら玄関のアレカヤシがパサっと枯れていた。


おおしま りえ/雑食系恋愛ジャーナリスト・イラストレーター
10代より水商売やプロ雀士などに身を投じ、のべ1万人の男性を接客。20代で結婚と離婚を経験後、アップダウンの激しい人生経験を生かし、現在恋愛コラムを年間100本以上執筆中。そろそろ幸せな結婚がしたいと願うアラサーのリターン独女。
HP:http://oshimarie.com