セックスも恋愛も女ばっかり頑張る時代?
仕事に美容に恋愛に、女の人生ってけっこー大変! 私はこのままでいいのかな? 幸せになれるかな? そんなモヤっとした悩みを浄化し、毎日がもっと楽しくなる痛快エッセイを、毎週土曜日お届けします。
「このままじゃヤバい!」。そう思うから、女は自分を磨き、恋愛スキルを学び、場合によってはセックステクだって磨いちゃう。頑張って幸せを摑もうとするけれど、冷静になって考えるとなんか違和感。ねえ、どうして女ばっかり、頑張らなきゃいけないの?
【恋愛はしたいけれど1mmも傷つかずに生きたい】vol.29
「できないって!」
「いや、頑張ろうよ!」
「無理だよ! なんでそもそも、オンナばっかりこんなに気を使わなきゃいけないの?」
そんなやり取りを平日の14時に、仕事そっちのけでおこなう女2人。仕事しろ。何のことかと言うと、ちょっと片思いの男性に対して、勇気を出してオンナからごはんに誘ったら、なぜかデートじゃなく共通の友人も含んだ3人飯に話がすりかわっており、慌てているのだ。
「じゃあさ、その○○さん(共通の友人)に事情を説明して、協力してもらうとか、探りを入れてもらったら?」
「えーそんなん無理だよー。出来ない。あーもうフェードアウトするしかないのかあ…」
消沈する彼女。早い! 折れるの早すぎる! だけど、もっと大声で言いたいのは男! こんなに女にばっかり頑張らせて、彼女に限らず、ニッポンの女は怒っているぞ。

どこまでが引かれないセックス作法か
最近私は、男に対する怒りが溜まっているようで、昔の“オバタリアン”のごとくあーだこーだとすぐ小姑スイッチをONにしてしまう。なにか具体的なキッカケがあるわけじゃないのだけど、恋愛や女の生き様を近くで見れば見るほど、「頑張れ!」と応援したくなる反面、「ていうか、なんで私らばっかり(怒)」という気持ちがこみ上げる。
先日も性のお悩みに答えていたとき、この小姑モードに入りそうになった。「男性に引かれないセックス作法」と題して、どこからが風俗嬢なみの過剰サービスか、はたまた何をすると男を萎えさせてしまうのかというオンナの振る舞いを、1つ1つ検討していたのだ。
少し具体的に議論を紹介すると、「〇〇タマ触れるか問題」については、非常に女性の中でも意見が分かれた。
「プロっぽい」「触れちゃいけないものだと思っていた」「初夜から触ると慣れてる感は出てしまう」と、その場の多数は否定的。しかし「いやいや、そんな触れて引かれるぐらいなら、引かれて結構!」さっぱり切り捨てた経験豊富な女性もいた。さあ、どちらを採用するかはあなた次第。しかし、生々しいぜ女の性談儀。
このように1つ1つの行為について、ヘタを踏まぬよう、一層相手から好かれるための振る舞いを2時間も談義していたわけだけど(長いっ)、最後は感覚が麻痺して、小姑覚醒モードに入ってくる。
「ていうか、こうして談義する時点で、オンナが一方的に男を喜ばせようとしているみたで、釈然とせんわ!」
腕組みをしてぐぬぬぬと唸る私。もちろん女性がこうやってセックススキルを身につけて、男性を気持ちよくさせたり、イイ女として認識されるように振る舞うのは悪くない。だけど、当の男は同じようなスタンスで、女性を大切にしているのだろうか。
私の知っている限り、男性同士ではこういったセックス談義はしない。「イイ女がいた! ヤッた!」という話はしても、「こうしてもらったのが良かった」とか、「俺にはこういう悩みがある」という突っ込んだ話にまでは及ばないのである。なぜなら男はプライドの生き物だから。気心知れた男友達だからといって、自分が不利になるような手の内は明かせないのが男。だから古来、AVでの勘違いテクを身につける男が後を絶たないというわけ。